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第 2 章 先行研究レビュー

2.3 合意形成

野中・紺野(2003)は、住民と国家、あるいは住民と政治の間で、ミドルとし て「場」をコーディネートしつつ、新たな知識としての政策や施策を創造・実 践していく行政の働きこそ「自治体行政のナレッジ・マネジメント」とよばれ るべきものであるとしている。

13 クライアント・サーバ型:コンピュータシステムが提供するサービスをサーブ(提供する)

サーバとサービスを受けるクライアントに区別して、クライアントからサーバへ処理依頼を行 って処理するコンピュータの方式の一つである。

角田(2000)は、「パブリックアクセプタンス(社会的事業への住民合意)」に 関する報告の中で、知識と関心の高い人の意見は「事業主体への信頼」と「仕 様理解」の両方によって決定されているが、知識と関心の低い人の意見は「事 業主体への信頼」のみによって決められており、「仕様理解」の影響は受けて いないと結論付けている。

図 16 知識と関心有無による関心の差

(出典:角田(2000)を参照し、筆者が図として作成)

ルーマン(1990)は、「信頼は、多かれ少なかれ相変わらず未規定な複雑性を もった将来を縮減するために必要とされた」とし、他者間での信頼を「人格的 信頼」、あるシステムが機能しているとする信頼を「システム信頼」としてい る。また、「信頼が社会的な複雑性を縮減するのは、信頼が①情報不足を、② 内的に保証された確かさで補いながら、③手持ちの情報を過剰に利用し、④行 動予期を一般化するからである」とも述べている。

猪原(2011)によれば、合意形成とは、ある事象に対して、その利害関係者に よる意見の一致を図る過程のことである。そして、合意形成の定義に含まれる

意見の一致は必ずしも全員一致を意味するのではなく、全員一致もまれな場合 としておこりうるが、一部に反対する人びとが存在するのを常とすると述べて いる。

さらに、賛同者ないし反対者の数の問題ではなく、反対の意見をもつ者を減 らす努力の過程が合意形成にほかならないと述べている。

また、積極的な反対意見者がいない状態を「消極的な合意形成状態」また、

消極的な反対意見者もいなくなった場合は「積極的合意形成」であると主張し ている。これらをまとめると表 6にようになる。なお、表中の「矢印」は「合 意形成」の方向を示す。例えば図中左側の「矢印」は積極的反対の人を消極的 反対へと変化を促す行為をさす。

表 6 合意形成の種類

(猪原(2011)を参照し、筆者作成)

賛成派 積極的賛成

消極的合意形成 積極的合意形成 消極的賛成

反対派 消極的反対

× いない 積極的反対 × いない

倉阪(2012)は、望ましい合意形成プロセスの要件を「プロセスに誰が参加す べきなのか」「どのような情報が与えられるべきなのか」「プロセスの進め方は どうあるべきなのか」の視点から、下記のように記している。

倉阪(2012)によれば、「プロセスに誰が参加すべきなのか」という点につい ては、ステークホルダーがもれなく当事者として参加できるようにすることが 必要であり、「どのような情報が与えられるべきなのか」という点について は、下記7点の情報が提供されるべきであるとしている。

① 解決すべき社会的課題の内容に関する情報

② 関連する技術的情報

③ 関係者の利害の状況に関する情報

④ 関係法規性などの制度的情報

⑤ 費用や便益に関する経済的情報

⑥ 反作用可能性に関する情報

⑦ 副作用可能性に関する情報

また、「プロセスの進め方はどうあるべきか」については、下記4点を要件 として示している。

① 透明性の確保

② 時間と費用の妥当性

③ 議論の手続きのルールの明確化

④ 議論の結果の関係者による尊重

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