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各章の概要

ドキュメント内 スズキ・メソードにおける指導者の指導観 (ページ 94-98)

第4章 総括的考察

第1節 各章の概要

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終章

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度」「音楽的な力量」「子どもに対する対応能力」「児童・生徒への愛情」「教育内容・教材 に対する能力」「絶えざる研究心」などが器楽教育における、教師の力量といえよう。

この節では力量形成の「過程」についての検討も行った。佐藤ら(1990)によれば、熟 練教師は、初任教師には見られない『実践的思考様式』を形成し、機能させている。高見

(2014)は、この考えは、ショーンSchönの「反省的実践家(reflective practitioner)」

理論をベースにしたものであると指摘し、「ショーンは、教師を含めた専門職に『反省的 実践家』としての力量形成が不可欠であることを主張した」と述べている。このことは、

スズキ・メソードの指導者の力量形成に関しても大いに示唆されることと考えられた。

第2章「調査方法」

第2章においては、本研究における面接調査の手続きや方法について述べた。本研究に おいて、分析には木下(2011)の修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA) を用いた。M-GTAは、人間と人間が直接的にやり取りをする社会的相互作用に関係し、

人間行動の説明と予測に有効な分析方法である。限定された範囲内(本研究の場合、スズ キ・メソードの指導現場)における人間の行動の説明と予測に関して優れた説明力を持つ こと、データの収集元(本研究の場合、スズキ・メソードの現場の指導者)に対して教育 的支援が期待されることなどから、本研究に採用した。

本調査に先立って、スズキ・メソード指導者を対象とした予備調査を実施した。面接の 対象者は、スズキ・メソード指導者2名、実施期間は2012年12月から2013年3月であ った。予備調査後、データの内容や対象者からの指摘などを参考に、本調査の質問項目を 2件追加した。

第3章「結果と考察」

第3章においては、面接本調査における結果を提示し、その考察を行った。対象者は、

「スズキ・メソード若手指導者群」5名と、「スズキ・メソードベテラン指導者群」10名 であった。

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調査の結果から「若手指導者群」の対象者達は、鈴木の哲学を重視した指導を行ってい ることが示唆された。指導目標は、生徒の人間的成長や音楽を楽しませること、指導者自 身が成長すること等であった。音楽的能力の向上も目標の1つとして挙げられたが、音楽 的能力の向上のみを指導目標にしている対象者は存在していなかった。

指導における信念として、読譜学習や卒業制度の意義、繰り返しや耳からの学習の重視 といったものが挙げられた。

指導実践においては、生徒に対する言葉がけや、母親とのコミュニケーションの重視、

生徒の目線に立った指導などが挙げられた。また、指導の機会を得ていない対象者以外は、

全員が読譜学習を行っていることが明らかになった。一方で導入の時期や教材などは対象 者毎に異なっており、読譜に関する明確な指導法や方法論は存在していないことが示唆さ れた。

指導上の問題点と課題に関しては、経験不足からくるものが複数挙げられた。

対象者自身の問題点と課題以外で挙げられたものが、組織の問題点と課題及び、指導者 間における問題点と課題である。具体的内容は、卒業制度に関する評価や指導者の心構え の問題点、今後のスズキ・メソードの課題などであった。

「ベテラン指導者群」の教育哲学には、鈴木の哲学から影響を受けたものや、対象者の ライフストーリーから影響を受けたと考えられるものが存在した。指導目標には、生徒の 人間的な成長を望むものや、音楽能力の向上を望むもの、指導者自身が成長を望むものな どが挙げられた。

鈴木の哲学や理念を重視したものや、卒業制度や合奏レッスンといったスズキ・メソー ド独特のシステムの意義などが指導上の信念として挙げられた。

指導実践においては、母親や生徒とのコミュニケーションなどの対人関係における工夫 や、耳からの音楽学習や音色への拘りといった指導法に関する工夫、生徒に対して気を長 く持つことや新鮮な気持ちを持って指導にあたるといった指導者自身の心構えなどが挙げ られた。また、対象者全員が、読譜指導を行っていることが明らかになった。ただし、導 入の時期や教材などは対象者毎に異なっており、読譜に関する明確な指導法や方法論は存 在していないことが示唆された。

指導を実践する上で、指導者が自分自身に対して問題点や疑問を持っている概念は生成 されなかった。

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対象者が問題点や課題として挙げたのが、組織の問題点と課題と、指導者間における問 題点と課題である。卒業制度に関する評価の問題や、カリキュラムの問題など、指導実践 に関するものや、指導者の養成やスズキ・メソード以外へのアプローチの仕方など、今後 のスズキ・メソードの問題などが挙げられた。

第4章「総括的考察」

第4章においては、「若手指導者群」と「ベテラン指導者群」を比較したうえで、本研究 における総括的考察を行い、スズキ・メソード指導者の指導観を明らかにした。第4章は、

本論文結論に該当するため、次節の「結論」において総括する。

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ドキュメント内 スズキ・メソードにおける指導者の指導観 (ページ 94-98)