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災害リスク研究部門

地域地震災害研究分野

地域地震災害研究分野では、東日本大震災の振動被害の実態に基づく地盤環境調和型地震対策の研究、

および構造ヘルスモニタリングと早期地震警報との融合技術として地域版リアルタイム地震観測シス テムの開発・展開に関する研究を行っている。これらの研究成果に基づく災害調査報告書等の執筆、国 内外での学会での招待講演を行うとともに、地域における防災教育活動も行っている。

源栄教授は、東日本大震災の振動被害の実態について観測記録に基づく詳細な分析の研究論文(査読)

と し て 公 表 す る と と も に 、 サ イ ス ミ ッ ク ・ マ イ ク ロ ゾ ー ニ ン グ と リ ス ク 低 減 に 関 す る 国 際 会 議

(10IWSMRD)等での招待講演を行った。東日本大震災の教訓を整理し、日本地震工学会誌等の総説・

解説記事に取りまとめた。また、これまで継続して実施してきた早期地震警報システムの現状と課題に ついては、米国カリフォルニア等での招待講演を行うなど国内外に向けた情報発信を行った。さらに、

リアルタイム地震観測にもとづく早期地震警報と構造ヘルスモニタリングの融合システム(EEW/SHM システム)の宮城県域の公共施設観測点への拡張を行った。また、次年度以降の共同研究へ繋げるべく、

モンゴル国ウランバートル市庁舎へシステムを導入し海外展開を行った。

大野准教授は、表層地質が強震動に及ぼす影響に関する国際シンポジウムにおいて、巨大地震の地震 動評価式に関する招待講演を行うとともに、第11回日本物理探査学会大会(11th SEGJ)において仙台市の地 盤震動特性に関する講演を行った。また、東北地方太平洋沖地震の地震動特性について,関連各学会の報告 書を執筆・刊行し,東北支部で報告会を行った。

王欣助教は、東日本大震災における建物内の地震観測データの分析および、微動観測データに基づく干渉法 を用いた建物の振動特性に関する研究を行い日本地震工学会大会等で研究発表を行った。

(源栄正人)

災害リスク研究部門

津波工学分野

津波工学研究分野は,津波減災を目指す研究のトップランナーとして活動を進めている.特に,東日本大震 災での被害実態と得られた教訓を国内外の防災・減災活動に活かす研究・教育の実践を行っている.平成25年 度での主な活動報告としては,産学による数値解析モデルの開発,歴史津波対する学際的な再評価,減災のた めの教育プログラムの提案などである.さらに,マスメディアを通じた情報発信も精力的に取り組んでおり,

2014年4月に発生したチリ北部地震津波に関する緊急記者を行った.

産学による数値解析モデルの開発

東日本大震災で観測された巨大津波の実態を見ると,沿岸部では地形や建物の影響を受けて非常に複雑であ り,従来の計算手法では再現が難しいとされていた.そこで,富士通(株)と共同研究を実施し,波源から沿岸 部までの津波の到達時刻や波高といった「マクロな計算」を行うために開発した2次元シミュレーション技術 と,沿岸での砕波や堤防の越流など「ミクロな計算」を行うために開発した粒子法による3次元シミュレーシ ョン技術を融合させることができた.

歴史津波に対する学際的な再評価

本研究所の強みを活かした取り組みである学際研究としては,歴史資料や津波堆積物に基づく津波痕跡情報 を用いた波源構築手法を構築し,慶長奥州地震の波源像に関する再検討を行った.これらの検討結果を含め,

これまでに整理・収集した津波痕跡情報・波源情報を津波痕跡データベースにより発信している(旧JNESと の共同研究).また,IAEAなどの国際機関と津波減災に関する共同プロジェクトを展開している.

減災のための教育プログラムの提案

減災ポケット「結」(ハンカチ)日本語バージョン、英語バージョンを仙台放送と共同で制作し、この減災ポ ケットを利用して、子どもたちに本来備わっている、考える力、判断する力、行動する力を伸ばして行く事を 目標に、減災教育出前授業の実施を試みた.国内では9カ所の小中学校、海外ではハワイ州の2小学校で実施 した。この活動にはテレビ新聞などのメディアも紹介され(NHK Eテレ 学ぼうBOSAI津波編)の講師の依 頼も受け、番組として制作された。

(今村文彦)

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災害リスク研究部門

災害ポテンシャル研究分野

2013 年度は国内外で水害が多発した。2013年7月には山形で、また8月には秋田・岩手で集中豪雨が発生 した。災害研調査団では主体的な役割を果たし、中山間地における災害の特徴と課題を明らかにした。また、

同年 11月にはフィリピンレイテ島を中心に大規模な高潮災害が発生した。災害研調査団として痕跡調査や被 害調査を主導し、貧困や災害リテラシーによる被害拡大の構造を明らかにした。2014年1月には、インドネシ アの首都ジャカルタで前年に引き続き大規模な浸水が発生した。バンドン工科大学と共同で、浸水機構を解明 した。

5つの中大型プロジェクト:「氷河減少に対する水資源適応モデルの開発」(GRANDE、JICA-JST SATREPS、 研究代表者田中仁教授)、「気候変動に対する水分野の適応策立案・実施支援システムの構築」(IMPAC-T、 JICA-JST SATREPS、研究代表者沖大幹教授)、「沿岸防災リスクの推定と全国リスクマップ開発」(S-8、環境省環境 研究総合推進費、戦略研究開発領域、研究代表者三村信男教授)、「ガンジスデルタの堆積構造に基づく広域的 地下水ヒ素汚染機構の解明」(科研費、基盤B海外)、「泥火山噴火の流入に伴うインドネシア・ポロン川の変 容と河川環境の改善に関する研究」(科研費、基盤B海外、研究代表者田中仁教授)と、3つの災害研特定プ ロジェクトを推進した。

これらの研究の成果をもとに、2013年には18編の査読付き論文を公表した。また、ICS2013(国際海岸シン ポジウム、Plymouth)、AOGS2013(アジアオセアニア地球科学連合、Brisbane)、APRU-MH2013(環太平洋大 学連合マルチハザードシンポジウム、Taipei)、EGU2013(欧州地球科学連合、Vienna)等で、大学院生を中心 とした31編の研究発表を行なった。

工学研究科を兼務して大学院の教育を行なった。GRANDE プロジェクトでは、ボリビア留学生等に対する 教育効果が認められ工学研究科長教育賞が授与された。また、優れた研究業績が評価され、当研究分野の修士 課程修了学生に、工学研究科長賞が授与された。

(真野明)

災害リスク研究部門

広域被害把握研究分野

広域被害把握研究分野は,専任教授・越村俊一,兼任教授・佐藤源之,専任助教・Erick Masの3名の教員か ら構成される.数値シミュレーション・リモートセンシング・ジオインフォマティクスを融合した新しい「広 域被害把握技術」の基盤を構築し,その成果を国際社会で共有して,効果的な災害救援活動に資することを目 標とする.

専任教員の越村俊一教授とErick Mas助教は,巨大地震発生直後の数値シミュレーションを実施して,津波 被災地を探索し,人的被害・建物被害を推計するための被害予測式,広域に発生した被害の空間分布を把握す るリモートセンシング技術,被災後の復旧・復興過程をモニタリングするセンシング技術,および空間情報処 理技術についての技術基盤を,被災地での取り組みを通じて構築している.特に, G空間情報を基盤として,

最新の測位・観測技術によるモニタリングと,被害の全容を迅速に予測・把握するためのシミュレーション・

リモートセンシング技術,被災者の生活回復度や被災地社会の安定度を計測するソーシャルセンシング技術を 高度に融合し,センシング情報を利活用するためのビッグデータプラットフォームをとそれを社会に実装する ための,産・学・官の新たな体制を実現する研究会を発足した(G空間情報を活用した次世代防災・被災地支 援システム研究会).

兼任教員の佐藤源之教授は,電波科学を応用した衛星・航空機マイクロ波リモートセンシング(SAR),地中 レーダ(GPR)・電磁法などの開発と応用に継続的に取り組んだ.アフガニスタンやカンボジアにおける地雷検 知・除去,またロシア,中国,韓国,モンゴルの植生や地下水環境調査を現地研究者と共同で進め,国際貢献 をめざしている.一方,震災復興をめざして家屋・構造物の非破壊検査や遺跡調査へ応用研究も積極的に進め ている.

広域被害把握研究分野の国際連携については,ドイツ航空宇宙センターとの戦略的な連携を進めている

(2012年7月に部局間協定を締結,2013年3月には,責任部局として全学協定の締結を行った).第3回国連 防災世界会議でのサイドイベント等の共同提案を計画するなど,広域被害把握技術の国際標準化に向けた活動 を展開している.

(越村俊一)

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