(平成二年十二月〜三年二月) この調 査 は、橿 原 市高 殿 町 の西南部 に計 画 され た橿 原市 の分 譲 宅地造成 に伴 う事 前調査 の第3次 日の調 査 で、 第62次調 査 (『 概 報21』
)の
西 、 第 63次 調 査 (本概 報)の
南 に位 置 す る。調 査地 の層 序 は、 上 か ら耕 土・ 床 土・ 青 灰 色粘 土・ 暗灰 褐 色 砂質 土 あ るい は 黄 褐 色 粘質 土・ 暗灰 色 砂 あ るい は暗褐 色粘 土 で あ る。 調 査 区 の東北 部 〜 中央 部 にか けて の砂層 は、 第62次調 査 区西 南部 か ら延 び る 自然 流 路 で あ り、 幅 50余
m
の規模 で東 南 か ら西北 方 向 に横 断 して い る ことにな る。 流路 の西 の暗褐 色 粘土 は、 弥生 時代 中期 か ら後 期 の遺 物 を含 む堆積層 で、 そ の上 の暗灰褐色・ 黄 褐色 粘質 土 は藤 原 宮 期 の整 地 土 とみ られ る。
遺
構
遺 構 は青灰色粘土 の下 面 、 す なわ ち藤原宮期 の整地上 面 で検 出 し、主 な遺構 に は南北素掘溝3条、 掘 立 柱建 物3棟、 掘立 柱塀3条、 土 坑11基が あ る。
掘 立柱建 物SB70501ま調 査 区東 寄 りの南北 棟 で 、 南 北4間 (柱間2.4m等間 )、
東 西2間 (2.4m等 間
)で
あ る。一辺 約0.6m、 深 さ0.6mの柱 掘 方 に直 径 15cmの 柱 痕 跡 が あ る。 建 物 は北 で西 へ僅 か に振 れ る方位 を持 ち、 柱 間 数・ 柱 間寸 法・柱 掘 方 の規模 は、 第62次調 査 区 の南北 棟建 物SB6485と 酷 似 して い る。 掘 立 柱 建 物 SB7060は SB7050の 西 側 柱 列 の西6.7mに東 側 柱 列 を 置 く東 西2間、 南 北4間以 上 の南北棟 で、SB7050と 同様 に北 で西 へ僅 か に振 れ て い る。 柱 穴 は一 辺0.6m の方形 で、深 さ0.5m分が遺 存 す る。 柱 間 は桁行 梁 行 と もに2.2m等間 、 南 妻 柱 列 は調 査 区 の南 外 方 にで る。 掘 立柱 建 物 SB7070は SB7060の 南 に重 複 す る南 北 棟 建 物 で、北 の1間分 のみを 検 出 した。 柱穴 は一辺0.6〜1.2m、 深 さ0.5mの 不 整 形 で、埋土 は上半部 が 円礫 を含 む青灰 色粘土、下半部 が暗灰色 粘 土 で あ って、上 半 部 が柱抜 取 り穴 で あ るか も知 れ な い。 柱 間 は梁 行・ 桁 行 と もに2.4m等間 で あ る。 藤原宮期 のSB7060よ り古 く、藤原宮期 あ るい はそ の直前期 の遺構 と考 え られ る。 なお、 これ らと重複 す る小 円形柱穴群 はSB7060よ り古 い時期 の南北棟
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あ る い は総 柱 建 物SB6067と して ま と ま る と も考 え られ るが 、 確 定 的 で な い。
掘 立 柱 東 西 塀SA7055、 南 北 塀SA7065は と も に 、 一 辺0.3mと 小 規 模 な 柱 穴 で 、 柱 間 は2.4m等間 で 、 第 62次 調 査 のSA6486や SB6475な ど と同 じ く北 で 約4度西 に 振 れ る方 位 で あ り、 同 時 期 と考 え て 良 け れ ば藤 原 宮 造 営 以 前 の 7世 紀 代 に 位 置 付 け られ る。 な お、SA7055の北 の 掘 立 柱 塀SA7056は SA7055と 同 様 の 方 位 に あ る2間以 上 (2.lm等間
)の
東 西 塀 で あ るが 、 小 円形 の 柱 掘 方 を 持 つ こ と か ら す れ ば藤 原 宮 期 以 降 の塀 で あ ろ う。建 物8B7050の 東 に は不 整 形 な土 坑 が 南 北 に並 び (SK7052・ 705307054)、 北 に も2基の上 坑 (SK7057・ 7058)が点 在 す る。SB7050内 の 上 坑SK7051と と も に 土 坑 暗 灰 褐 色 粘 上 の 埋 上 で 藤 原 宮 期 の 上 器 と本 質 物 が 含 ま れ て い る 。
SB
7060の 北 妻 柱 列 の北1.2mに も土 坑SK7071・ 7072・ 7073が 東 西 に等 間 隔 に並 ぶ 。 土 坑 の埋 土 は共 通 して お り、 漏 斗 形 に 開 く上 半 部 に は本 質 層 を 間 層 と して 青 灰 色 粘 土 と砂 の互 層 が レ ンズ状 に堆 積 し、 垂 直 近 くに掘 り込 まれ た下 半 部 に は 暗 灰 色 粘 土 と粗 砂 の互 層 が水 平 堆 積 す る。 底 まで の 深 さ は0.6〜0,9mで あ る。 埋 土 下 層 か ら藤 原 宮 期 の土 器 が 少 量 出 土 し、 上 層 の木 質 層 に は木 簡 とそ の削 り屑 が 多 く含 まれ る。 そ の間 隔 が北 妻
柱 の 北1,2m、 東 西 間 隔2.4mと 規 則 的 で あ り、 柱 穴 列 か と も思 わ れ た が 、 埋 土 の特 徴 か ら土 坑 と考 え る。 SK7072と SK7073の 間 に あ る
IY17620
S07075S説子:74sKF::
SD 7080
S07081 SK 7068
│。∞ m 第63‑12次調査遺構実測図 (1:400)
翠 坤
筵
塩 潮
土坑 SK7074は 、楕 円形 の浅 い橋 鉢 状 で 、 青 灰 色 粘 質 土 で埋 め られ て い る点 で 他 と異 な るが、 これ に も削 り屑 状 の本 質 層 が あ り、 他 の上 坑 と同様 の 目的 で 掘
られ た と考 え られ る。
建 物 SB7060の 西 にあ る南 北 溝 SD7075は 幅1,Om、 深 さ0.3mの素 掘 溝 で 、 調 査 区 中程 か ら南 で は痕 跡 的 にな って途 切 れ て しま う。 底 に灰色 細 砂 が堆 積 し、 暗 茶 褐 色 砂 質 上 で埋 め られて い る。 飛 鳥 Ⅱ〜
Vの
少 量 の上器 と木質物 が出上 した。この溝 は北側 の第63次調 査 区 の南 北 溝 SD6918と 位 置及 び堆 積 土 が一 致 し、 そ れ に達 な る溝 で あ り、 そ こで は東西溝 SD6510よ り新 しい。
南 北 溝 SD7080は そ の西 の南 北 溝SD7081の東 肩 を壊 して 掘 られ た素 掘 溝 で 、 幅1.8m、 深 さ0。
3mで
ぁ る。 暗褐 色 粘質 砂 土 の埋土 に は7世紀 前半 の上 器 と と も に藤原 宮期 の上器 が少量含 まれ る。 第63次調 査 区 の南 北 溝 SD6919に 連 な り、 東 西 溝 SD6510よ り新 しい。 建 物 SB7060や SB7050と 同一 方 位 を と り、 この溝 の 西 に は柱 穴 が ない ことか らす れ ば、 西 北 坪 内 を区分 す る溝 と考 え られ る。 南 北 溝 SD7081に つ いて は第63次調 査 区 で は確 認 して いな いが、 きわ めて浅 く しか遺 存 しな い こ とか ら、 同調査 区で は削平 され て しま った もの とみ ることがで き、 今 次 調 査 区 で併 走 す る事 か ら、SD7080の 前 身 遺 構 にあ た る と考 えて お く。調 査 区西 端 に広 が る土 坑SK7082と 調 査 区南 に点在 す る小 規模 な土坑SK7077・
7078・7068は と もに、炭化物 を含 む黄 褐 色 粘 土 を埋 土 とす る浅 い土 坑 で 、 藤 原 宮 期 の上器 と藤 原宮 式 の瓦片 が少 量 出土 した。 炭 化 物 を含 む土 坑 は、 東 方 の第 62次調 査 区 の南 半 部 に も多 数存 在 し、 そ れ らとの関連 が想 定 され る。
遺
物
瓦 類 、 土 器・ 土製 品、金 属 製 品 、 木 製 品 が あ る。 瓦 類 は土 坑 SK7068か ら軒 丸 瓦6274Abが 出上 した ほか、 整地 上 な ど に少 量 含 ま れ る。 ほ とん どが 日高 山 瓦 窯 で作 られ た藤原 宮 所 用 の もの で あ る。 なお、 瓦 窯 の壁 と考 え られ る焼 上 が 数 点 み られ る ことか ら、 これ らの瓦 類 は坪 内 の建 物 所 用 で はな く、 瓦 窯 か ら も た らされ た流入 物 と見 る ことが 出来 る。 土 器 で は南 北 溝 SD7080等 出土 の7世 紀 前 半 と藤 原宮 期 の土 師器・ 須 恵 器 の他 、 下 層 の暗褐 色 粘 土 や暗灰 色 砂 層 に含 ま れ る弥生 土器・ 古式 上 師器 が少量 あ る。 藤原宮期以 前 の7世紀 前 半 代 の上 器 の
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