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反射の効果の評価

ドキュメント内 γ γ CsI RIBF SAMURAI CsI(Tl),CsI(Na) APD γ (ページ 51-57)

6.1 ()CsI(Tl)の評価値とCsI(Tl)-A,Bの結果、()CsI(Na)の評価値と CsI(Na)-C,Dの結果。各γ線エネルギーにおいて実験値は評価値の数倍となった。

評価値(CsI(Tl)) CsI(Tl)-A CsI(Tl)-B

137Cs(661keV) 3.88 9.20 8.20

60Co(1173keV) 2.92 7.64 5.46

60Co(1331keV) 2.74 6.36 5.06

評価値(CsI(Na)) CsI(Na)-C CsI(Na)-D

137Cs(661keV) 2.71 8.33 9.00

60Co(1173keV) 2.04 5.89 6.76

60Co(1331keV) 1.91 5.12 6.01

6.2 反射の効果の評価

結晶表面上での反射の効果を評価するため、反射0回、1回でPMT接着部に到達する光子 の割合を計算した。5.5同様、面、座標は図 6.3,6.4のように定義した。簡単のためにシンチ レーション光はすべて面E上で発生したと仮定し、全反射の場合の反射率を100%、それ以外 の反射率を90%とした。

㠃 ( 㠃% 㠃 &

㠃 $

FP FP

FP

FP

㠃 '

FP

6.3 5.11と同じ面A,B,C,D,Eの定義。

Aの対面をA’、面Bの対面をB’とする。

6.4 5.12 と同じく軸x, y は面E上に zは面Eと垂直に定義する。

44 第6章 テスト実験の結果についての議論

6.2.1 光量の計算方法

各点での発光量を1とし、そのうち反射が0回のもの、面A,A’で1回反射、面Bで1回反 射、面Cで1回反射してPMTに入る割合を計算した。

反射0回の場合

シンチレーション光が直接入射する割合は図6.5左の面E上の角θ0から Ω0 = 1

2(1cosθ0) (6.2.1)

と計算される。結果を図6.5右に示す。各色は発光点座標z cmが一定の点を表わす。z = 5,7 cmのx =4.0,4.0 cm部分、z = 9 cm のx =4.0,3.5,3.5,4.0 cm部は結晶の外なので 光子の入射割合を0とした。

直接入射の場合は、PMTに近いほど割合が大きく、特にz = 1 cm、-1 cm< x <1 cmの範 囲で発光したものが入射する割合が大きい。

x(cm)

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4

efficiency

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3

z=1 z=3 z=5 z=7 z=9

6.5 反射をしない場合の模式図と結果。模式図はz= 0の面を表し、発光点はこの面上 を動く。結果はzにより色分けされており、横軸にx、縦軸に割合を表す。

面A,A’で反射1回の場合

面A,A’で反射を1回した場合は図6.6のように結晶の反射像を用いてPMTに入射する光 の角度θ1Aを求め、式6.2.1と同様の式を用いて入射割合が計算できる。θ1Aを求めるために、

6.2 反射の効果の評価 45 図6.6のようにx = 0の面 E’上にP’,C,H,θ, dを定義した。発光点Pの座標を(x, y, z)、面

E 上の点(0,y, z)をP’とする。さらに、P から反射面に垂直に下ろした線と光電面中心C

から反射面と平行に引いた線の交点をH とする。θ はPCとPHのなす角、RはPから見た 光電面の半径である。また、ϕA は面AとPMT接着面のなす角でϕA = 84.75、面AとC のPMT接着面上距離a=45 mm、光電面の半径r=19 mmである。

6.6 A 1回反射する場合の模式図。z = 0の面を示し、発光点は x, z(奥行き) 方向に移動する。左図のPMTに入射する光の角度 θ1A を求めるために、右図のように P, C, H, θ, dを定義した。

まず、光は面E上で発光すると仮定したため座標y = 0であり、反射面A,A’との距離y は面E’の上底5.2 cm,下底3.4 cm,高さ9.3 cmから

y = 1

2{5.2(5.23.4)} × z

9.3 (6.2.2)

となる。x, y, z, ϕA, rからCH, PH, P C, θ, RCH = z

sinϕA

+ (y−a) cosϕA (6.2.3)

PH = (y+a) sinϕA (6.2.4)

P C =√

CH2+PH2+x2  (6.2.5) θ = sin−1 CH

P C (6.2.6)

R=rcos(ϕA−θ) (6.2.7)

となる。ここからθAが求められるので、最後に面Aで1回反射してPMTに入射する確率e

46 第6章 テスト実験の結果についての議論 は立体角を用いて以下のように計算される。

θA = tan1 R

P C (6.2.8)

e= 1

2(1cosθA) (6.2.9)

計算結果は図6.7に示す。各色は0回反射のときと同様である。x方向はxの絶対値が増え る(PMTから離れる)と入射割合は減少し、z 方向はz = 5 cmにおいてもっとも割合が大き

い。x方向はx = 0 cmから離れるほどPMTと発光点の距離が長くなることが要因である。

また、z 方向はz の増加とともにPMTと発光点の距離が長くなること、cosθ が大きくなる ことの両方の効果から、z = 5 cmにおいて割合が最も高くなった。

x(cm)

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4

efficiency

0 0.005 0.01 0.015 0.02 0.025 0.03

z=1 z=3 z=5 z=7 z=9

6.7 A1回反射の結果。zにより色分けされており、横軸にx、縦軸に割合を表す。

面B,B’で反射1回の場合

面B,B’で反射1回の場合も図6.8のように結晶の反射像を用いてθ1B を求め、式 6.2.1と 同様に割合が計算できる。結果は図6.8右のグラフであり、各色は0回反射のときと同様であ る。

x 方向はx = 0 cmから離れるほど入射割合は増加し、z 方向はz = 7 cmで割合が最大と

なった。x方向はx = 0 cmから離れると片方の反射面に近づき、近い面による反射の影響を

強く受けるためである。側面での反射の中でも、x方向の光源の移動は面A,A’から見た場合 と面B,B’ から見た場合で見え方が異なるため、割合の変化の傾向も異なる。z 方向の変化は 面A,A’の場合と同様である。

面Cで反射1回の場合

面Cで反射1回の場合も図のように結晶の反射像を用いてθ1C を求め、式6.2.1と同様に 割合が計算できる。結果は図6.9右のグラフ、各色は0回反射のときと同様である。x方向、

6.2 反射の効果の評価 47

x(cm)

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4

efficiency

0 0.002 0.004 0.006 0.008 0.01 0.012 0.014 0.016 0.018 0.02

z=1 z=3 z=5 z=7 z=9

6.8 B1回反射した場合の模式図と計算結果。模式図はy= 0 cmの面を表し、発 光点はこの面上を動く。結果はzにより色分けされており、横軸にx、縦軸に割合を表す。

z 方向ともはxz の絶対値が増える(PMTから離れる)と入射割合は減少した。この結果は、

0回反射の場合の結晶の長さを拡張したもの等しく、図6.5のグラフのすぐ下に位置し、傾向 も一致する。

x(cm)

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4

efficiency

0 0.001 0.002 0.003 0.004 0.005 0.006 0.007 0.008 0.009 0.01

z=1 z=3 z=5 z=7 z=9

6.9 C1回反射した場合の模式図と計算結果。模式図はz= 0 cmの面を表し、発 光点はこの面上を動く。zにより色分けされており、横軸にx、縦軸に割合を表す。

48 第6章 テスト実験の結果についての議論

6.2.2 評価値と実験値の比較

6.2.1で得られた結果から反射回数0回、1回のみの入射割合の和を算出した。図6.10に結 果を示す。左図はx = 0における反射の割合の和を求めたもの、左は5.5.2との比較のためz 一定 (同色)の結果をxについて足し、1 cm幅内での発光量がすべてのz において1となる よう規格化を行ったものである。黒が反射なし、赤が面A、緑が面B、青が面Cでの 1回反 射の計算結果であり、ピンクがそれらを全て足したものである。面A、Bの結果はA’,B’での 反射も同様に存在するため2倍している。

z(cm)

1 2 3 4 5 6 7 8 9

efficinecy

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3

no reflection on A on B on C SUM

z(cm)

1 2 3 4 5 6 7 8 9

efficinecy

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 0.1

no reflection on A on B on C SUM

6.10 反射なし、面A,B,C1回反射の合計を示す。左図はx = 0における反射の割 合の和を求めたもの。右図は5.5.2との比較のためにxについて足し、1cm幅内での発光 量がすべてのzにおいて1となるよう規格化を行ったもの。

求めた評価値と5.5.2および 5.5.3の実験結果を比較すると、z の変化に対して異なる傾向 を示す。評価値ではzが大きくなるほど入射割合が減少するのに対し、実験ではz が大きくな るほどピーク位置のチャンネル値が大きくなっており、入射割合が増加したことが分かる。こ れは、評価値は、反射なし、1回のみを考慮し、特に反射なしの影響が強いためと考えられる。

実験結果を説明するためには、2回以上の反射も考慮する必要があることがわかる。今後、反 射材の効果についても詳しく調べる必要がある。

49

第 7 章

まとめと今後の展望

7.1 まとめ

本研究では、中性子過剰核におけるピグミー共鳴測定のための新型γ 線検出器CATANA の開発を行った。ピグミー共鳴とは中性子過剰核に特有の集団励起モードで、48,50,52Caの PDR測定実験が 2015年に予定されている。CATANAはその実験で使用することが予定さ れている。この実験では高励起状態のCa同位体を用いるため複数のγ 線が放出される可能性 が高く、より検出効率の高いγ 線検出器を開発する必要がある。

本研究では、候補となっているシンチレーター、光検出器、使用条件からCATANAに最 適なもの決定することを目的としてテスト実験を行った。CATANAで使用されるシンチレー ターにはCsI(Tl)とCsI(Na)、光検出器にはPMT(R11265U,R580)とAPD(S8664-1010)が 候補となっている。正確な励起エネルギー測定のためには高い検出効率だけではなく、ある程 度のエネルギー分解能も必要となる。そのため、テスト実験では4種類のプロトタイプ結晶と 3種類の光検出器を組み合わせて実験を行い、光検出器、シンチレーターの種類、大きさを変 えた場合のエネルギー分解能の比較を行った。テスト実験の結果、シンチレーターの大きさや 形状の違いによるエネルギー分解能への影響は光検出器、シンチレーターの種類の違いによる 影響よりも大きいことが分かった。また、実際に CATANAで使用される形状のシンチレー ターを用いた実験では、光検出器とシンチレーターとの接着状態やシンチレーション光の発光 位置により検出器のγ 線に対する応答が変化することが明らかになった。

ドキュメント内 γ γ CsI RIBF SAMURAI CsI(Tl),CsI(Na) APD γ (ページ 51-57)

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