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参照表現に対する処理

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第 4 章 処理のモデル 21

5.2 参照表現に対する処理

以降,この節では参照表現「Xに規定する

Y」に対する処理について述べる.

「Xの規 定により

Y

する」など,他の参照表現については,本論文では処理法の検討を行ってい ない.

5.2.1 参照表現の発見

まず,3.3.1節で述べたように,条文を指示している表現は,「第

a

条第

b

項第

c

号」な ど,形式が決まっているため,これを正規表現を用いた文字列マッチングによって発見す る.その後「に規定する」という語が続くので,これは「Xに規定する

Y」という形式の

参照表現であると判断する.

5.1:

処理の流れ

5.2.2 条文を指示する表現に対する処理

条文

X

が「第

a

条第

b

項第

c

号」等と明示している場合は問題ないが,「前条第二項」

等といった指示の場合,それが具体的に第何条の第何号であるかを知る必要がある.

そこで,参照表現に対する処理の際には,現在処理している条文の番号「第

x

条第

y

項 第

z

号」をあらかじめ取得しておき,それらの変数を増減させて具体的な条文番号を得 る方法が考えられる.例えば「前条」ならば「第

(x-1)

条第

1

項」である.しかし,

「第

x

条」の次が「第

x

条の二」であったり,前が「第

(x-1)

条の八」であったりし た場合,このような単純な方法では取得できない.

そこで,あらかじめ法令文書全体を走査して,通し番号を振っておく.例えば国民年金 法の第百条は,通し番号では

142

番目の条となる.この通し番号を用いて,「前条」「次条」

等の処理を行う.

また,このようにして取得した条文番号は保持しておき,もし次に「同条」等が現れた 際に用いる.

5.2.3 参照先条文の取得

次に,条文

X

からその内容を取得する必要がある.

ここで,法令文書に

XML

タグを自動付加するプログラムを作成し,これによって生成 された

XML

形式の法令文書を用いた.

XML

形式の法令文書は,以下のような形式をとる.

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>

<document>

<article num="1" serialnum="1"><title>第一条</title>

<paragraph num="1" serialnum="1"><title>第一項</title>

<text>国民年金制度は、日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基き、老

齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯に よって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。

</text>

</paragraph>

</article>

<article num="2" serialnum="2"><title>第二条</title>

<paragraph num="1" serialnum="2"><title>第一項</title>

<text>国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関し

て必要な給付を行うものとする。</text>

</paragraph>

</article>

法令文書全体を囲むタグが

<document>

で,同様に,条に対応するタグが

<article>,

項は

<paragraph>,<item>

となっている.

<article>

以下のタグが持つ属性値

num

は,条などの番号を示す,serialnumは,第一

条などからの通し番号を示す.項や号においては,例えば上記の第二条第一項は,第一条 第一項に続く

2

つ目の項であるため,

seriulnum="2"

である.また,条においても,条の 挿入によって「第○条の二」などといった条番号がある場合,numと

serialnum

の値にず れが生じてくる.また,本来の法令文には「第一項」は表記しないこととなっているが,

便宜上,XMLタグを付加する際に書き加えている.

また,条等の番号表記を示すタグが

<title>

で,文を示すのが

<text>

タグである.

条文

X

からその内容を取得する処理においては,XML形式の法令文書をハッシュテー ブルに保持し,Xの内容をキーとして必要な条文全体を取得する.

5.2.4 参照先条文からの情報抽出

例として,図

5.2

の文

A

中の参照表現に対する処理を示す.

5.2:

参照表現の処理

1〜2

X

の指す条文,つまり参照している先の文である

B

から,A文中の「規定する」直後 の表現と一致する語で,なるべく長いものを探す.図

5.2

の例では「支給繰下げ」ではな く「支給繰下げの申出を」となる.これらを同定する.

参照先の文

B

を構文解析し,得た構文木を図

5.3

に示す.先ほど同定した語「支給繰下 げの申出を」にあたる要素を修飾している要素(例では「当該老齢基礎年金の」)を,参 照元の文に必要な情報として抽出する.

5.3:

参照表現の処理

3

5.2.5 置換による参照表現の削除

参照元のに対して,参照表現「Xに規定する」を,前項で得た構文木の要素に置き換え る.図の例では,文

A

が,

付加年金の支給は、その受給権者が第二十八条第一項に規定する支給繰下げの 申出を行ったときは…

から,

付加年金の支給は、その受給権者が当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出を 行ったときは…

と書き換えられ,参照表現を取り除くことができた.

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