重点指向を勘案しながら,体系的,全社的に仕事を進めていく。このような方 法で整備された計画を立案し(P:plan)実行(D:do)していく。ついで実 行されたものをチエック(C : c h e c k)して,それを計画にフィードバック
(A:act)していく。このPDCAサイクルを毎月きっちりと回しながら,目 標・計画を達成していき,質の高いマネジメントを達成することが求められる ことになった。
次いで,マーケット・インの徹底とHJC(ホンダ・ジョブ・コンセプト)の 導入では,(1)個人と企業が目的を共有し,それぞれの役割に応じて目標を設 定し,体系的に実行する。(2)目標を文章化し,上位者とのツーウェイ・コミ ュニケーションにより,目標の設定・結果の評価を行う。これを実施するため 全役職者に対し年俸制を導入する。(3)目標管理を導入することで各自の役割 責任を明確にすることであった37)。
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37) 酒詰裕治,「新時代の人,仕事,組織の調和と活性化」,前掲 p176。
図−5 本田技研工業と仕事の進め方の改革
出所:酒詰裕治、「新時代の人、仕事、組織の調和と活性化」、前掲書176頁から引用。
企業環境の悪化、市場低迷
改革のポイント
→高度成長時にはカバーされていたムリ・ムダが表出してきた。
成長拡大路線により身についた企業体質の変換が必要 →ムリ・ムダを排し、より効率の高い経営の追究
→客観的に事実は事実としてとらえ、重点指向するなかで、体系的・科学的・全 社的に計画(P)・実施(D)・検討(C)・処置(A)を繰り返す質の高いマネジメント を行う。
①ホンダのTQMの定義
②日常の業務の中で
①個人と企業が目的を共有化し、それぞれの役割に応じて目標を設定し、
体系的に実行する。
②目標を文章化し、上位者とのツーウェイ・コミニュケーションにより、
目標の設定・結果の評価を行う。 HJC〜全役職者対象 → 年俸制
③目標管理を行うことで役割責任を明確にする。
TQMの導入(1992.4.1 スタート)
HJCの導入(HONDA JOB CONCEPT)
その方策の柱として マーケットインの徹底
ホンダ式TQMとHJCの導入により,新技術を採用する新製品の開発と,マ ーケットにおける売れ筋の発見とを,高い水準で両立させる企画が可能となっ た。これにより,前節で言及したような開発の集権化・加速化と,製造・販売 コストの削減との両面作戦を可能にする素地が形成された。
ブレークダウンされた長期目標に基づき,実行すべき中期計画が策定される。
3年を目標時点として,それまでに「何を」,「いつまでに」,「どのくらい」達 成するのか,それをどの条件で達成するのかが策定された。この方法で,全社 目標が個人の目標にまで,ブレークダウンされていく。ホンダ式TQMとホンダ 式目標管理(ホンダ・ジョブ・コンセプト)の導入は,急速に規模を拡大して きたホンダの組織を,ビジョナリー・カンパニーとしてのホンダ理念を保持し つつ,成長した大企業の現実に見合う「仕事の進め方」を導入することで,効 率的な業務組織の実現を目指したものである38)。
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38) 目標管理(Management By Objective)の定義については,P.F. Drucker, The Practice of Management , 1986(1954), Perennial Library. 上田 惇生訳 『新訳 現代 の経営(上・下)』,1996,ダイヤモンド社参照。
図−6 本田技研工業の目標管理制度=HJC
出所:図5と同じ 企 業
企業目的 全社長期戦略策定
組織・役割の編成
組織の目標
個人の目標
ブレークダウン ブレークダウン 企業活動維持のた
めに組織・役割か ら発生する目標
全社中期目標策定 各期ごとの目標に 細分化
トップダウンによる役割付与 トップダウンによる役割付与
ブレークダウン ブレークダウン
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表−2 ホンダの経営構造改革と成果主義:年表