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¬ 卜 、

ドキュメント内 3章 (ページ 55-66)

 

 

95 

陶硯・転用硯の出上分布図

SK13978出土。壼 は奏 の ように破 片 のか た ち で体 部 内面 を使 った ものや、体 部 を打 ち欠 き、

底 部外 面 を硯 面 にす る もの もあ る。4641よ広 口壺 の底 部。底 部 内面 にはば広 く自然釉 がか か る。体 部 を打 ち欠いてひっ くり返 し、底 部 外 面 を硯 面 に した もの。456と 同 じSX13850

出土。

3‑1‑3‑4 

墨 書 土器・転 用硯 につ いて 注 目すべ き墨書の内容 として、官衛名 と考 えられる資料がある。「内大炊」(250・ 252・

258)や 「内木工所

/充

足棒」(247・ 249)の性 格については不明な点が多い。「内」がつ く機

96 転用硯 の種類の比率

関は天皇直属の可能性 を示唆す るが、既知の内廷 関連官司名 を記 した木簡 は出土 していない。

式部省 に関連す る「式」(245'246)や「式曹」(224)が多い点 も注 目され よう。いずれ も須恵 器杯

B蓋

で、その うちの1点は転用硯 である。式部省 に関わる木簡 も出土 してお り、SD3715に 投棄 された土器の出所、性格 を考 えるうえで重要な手がか りとなる。SD3715から出土 した転用 硯 は、183点 (朱硯 3点 を含む)に のぼるが、式部省関連の墨書土器の存在 は、これ らの転用硯 も 兵部省 を隔てた式部省で使用 されていた ものを含 む可能性 を示唆す る。

いっぽう、兵部省 に関連す る可能性がある墨書土器 は、須恵器杯

Aの

底部に記 された「兵」

(308)の 1点だけである。兵部省関連の墨書土器 は、平城宮南門大垣 の南 を流れ る二条大路北 側溝SD1250か ら

7点

が出土 している (第122次調査)。

 1点

(521)だ けが壬生門の東方か ら見つ か り、他の

6点

は壬生門前の西

10mほ

どの間で出土 した ものである。宮内か ら壬生門の外 に持 ち出 して投棄 したのであろうか。いずれにせ よ、SD3715、 SD1250に捨 て られた墨書土器 には、

その内容 にある程度の まとま りが認め られるものの、推定 されている官行の場所 と照 らしあわ せ た場合、ある程度の距離 を移動 した と考 えざるをえない (なお、墨書土器については

4‑2‑

13で再論する)。

易 皿 脇

1)基本的に「『平城宮発掘調査報告 XⅢ 』に従っ た。

2)SD3715出土土器 は長 岡京遷都 に際 して投棄 された と考え、平城Vでも末葉 とした。 しか し、

これについては遷都前後の諸官衡のあ り方や、

これまでの平城宮土器の時期区分の平城Vおよ びⅥの内容 と位置づけについてなお慎重に検討 すべ きであると考える。

3)F平

城宮発掘調査報告Ⅶ』参照。

4)墨

書土器の釈文には、平城宮跡発掘調査部史

料調査室がおこなった。なお、 これ らの墨書土 器は、既刊 の奈良回立文化財研究所1989『平城 宮 出土墨書土器集成 Ⅱ』(奈良国立文化財研 究 所史料第31冊)に集録 されたものであるが、そ の後の資料整理によって新たに発見 したものや、

釈文 を訂正 した ものが含 まれる。

5)神

野恵2000「第 3章

 

平城宮出土墨書土器に ついて」『平城宮出土墨書土器集成Ⅲ』(奈良回 立文化財研究所史料第59冊

)参

照。

杯B蓋 その他

1%

,6

3‑1‑4 

木 製 品 。金 属 製 品 ・銭 貨 ・ 石 製 品 な ど

調査 区全体か ら3883点の木製品が出土 した。その うち、3875点は157次と157次補足調査 をあ わせたSD3715か ら出土 している。それ以外 には兵部省西面区画塀外側 の断割で、第1次整地土 の下層か らわずかに

8点

が 出土 したのみである。兵部省 の区画内か らは木製品は出土 していな い。木製品の大半は両端や側面 を簡単 に加工 した棒や板 である。本書では器種や全体像のわか る遺物 を中心 に29点について報告す る。

SD3715からは容器、食事具、服飾具、工具、祭祀具 な どの多様 な木製品以外 に、木製品を製 作 した際 に生 じた木端や挽物 を製作 した際の幌櫨残材が出土 してお り、溝 の上流 または付近 に 木製品の製作工房があった ことが推測で きる。 これ らの本製品は大半が溝 の下層の暗灰秒質粘 土 または暗灰色粘土か ら出土 した。木製品はすべて未処理で、水漬 けの状態で保管 されている。

1)

なお、木製 品の名称 と分類 は『木器集成図録近畿古代篇』(1985、 以下『集成』と略す

)お

よびこ れまでの F平城報告』 に従 う。樹種の鑑定 と年輪年代測定 は埋蔵文化財セ ンター光谷拓実、大 河内隆之 による。

3‐

1‑4‑1 

木 製 品

3‐

1‑4‑1‑1 

容器(図版134・ 135)

円形由物 (1〜

4)1〜 4は

円形 曲物の底板。1は直径14.5cm。 スギ板 目材 を用 い、側面 には 面取 りの削 り痕跡が明環 に残 る。205次調査

SD13905CQ17暗

灰粘土 出土。

2は

直径15,8cm。

2)

ノキ柾 目材 を用いる。年輪年代測定の結果は727年 (Bタ イプ)。 157次

SD3715DF34暗

灰砂質粘 土出土。3は完形で、直径18。lcmのヒノキ柾 目板。側板 の一部が遺存 し、

 6カ

所 を断面方形の 木釘で留める。内面 には刃物 による傷が残 る。側板のケ ビキは明瞭ではない。年輪年代測定の 結果は733年 (Bタイプ)。 157次

SD3715DE34暗

灰砂質粘土出土。

4は

2と 同 じく直径15。8cmの

ヒノキ柾 目板。157次補

SD3715DB35上

層黒色粘質土出土。

楕円形曲物 (5。

6)5は

楕 円形 山物の底板。長径39。 2cm。 ヒノキ柾 目板。側面 には15カ所 もの 釘穴があけ られている。 また、側縁付近 に3カ所、中央の半裁部分 に2カ所 の穴が穿たれてい る。中央の穴は底板 を連結 した ものか もしれないが、狽I縁付近の穴 は、本例が転用 されたこと を示すのか もしれない。157次

SD3715D034暗

灰色粘土 出土。6は楕 円形 曲物の蓋板。ヒノキ柾 目板。推定長径27.5cm。 表面 にはわずかに刃物傷が残 る。側縁 には2カ所 の結合穴がある。157

SD3715DB35上

層黒色粘土 出土。

奢↓物

(7)7は

判物の角鉢。スギの板 目材 を用い、長辺12.5cm、 短辺8.Ocm、 高 さ4.3cmをはか る長方形。内面には剣抜 く際の基傷 を残す。157次

SD3715DK34暗

灰色粘土出土。

3‑1‑4‑1‑2 

食事 具 (図版136)

匙形木器 (8・

9) 2点

出土 してお り、いずれ も身の先端が半 円形 を呈す る『集成」

A型

式 に 当たる。

8は

ヒノキの板 目材 を用 いた全長27.9cmの大型品。柄 の縦半分 を欠失 し、本来は柄が 幅広い特徴がある。157次 SD3715DD34B音灰砂 質粘土 出土。9はヒノキの柾 目材 を用 いた全長 11.7cmの小型品。身部が大 き く広が り、薄 く削 る。157次補

SD3715DB34石

敷 間出土。匙形木器

,7

以外の食事具 には、大量 に出土 した加工棒の中に断面円形 に加工 した ものがあ り、箸が含 まれ ている と思 われる。

3‑1‑4‑1‑3 

服 飾 具 (図版136)

下駄

(10) 

ヒノキの柾 目材 を使用 し、全長17.8cm、 歯の最大幅8。 9cmをはかる。前壷 は台の中 央、後重 は歯の内側 にあける。歯の下辺幅は広 くす る とともに、歯 と台の周縁 を面取 りす る。

全体の形 は隅丸方形 を呈す る。これ らの特徴か ら、『集成』分類 の

CⅣ a型

式に当たる。後の歯 は著 しく磨 り減 っている。157次

SD3715DK34暗

灰色粘土出土。

3‑1‑4‑1‑4 

祭 祀 具 (図版136)

斎串(11〜

15)破

片 も含 めて5点出土 している。11は型式不 明の破片。ヒノキ板 目材。残存長

3)

11.6cm。 157次補

SD3715DC35黒

色粘質土 出土。12は黒崎分類

Al形

式で、頂部の先端 をわずか に欠 く。残存長20,7cm。 両側面には一部削 りによる くびれをもつが、 ここに切 りかけをもって いた可能性 もある。ヒノキ柾 目材。157次

SD3715DL34暗

灰色粘土出土。13は

Bl形

式の完形品 で全長23.7cm。 左右 の肩部 に2カ所ずつの切 りかけをもつ。ヒノキ板 目材。157次補

SD3715DB

34上層黒色粘土 出土。14、 15は

D形

式。14は破損が著 しく、全長不明。157次

SD3715DF33暗

灰 砂質粘土 出土。15は 27.lcmと全長のわかる資料である。切 りかけを欠失 し、片面 に

6本

の墨線 が認め られる。157次

SD3715DL33暗

灰砂質粘土出土。 ともにヒノキ柾 目材。

正面全身人形 (16〜

18)3点

出土 している。16は久損 しているが腕部の表現 をもち、怒 り肩で、

『集成』

AⅡ

型式 に当たる。ヒノキ柾 目材。157次

SD3715DH34暗

灰色粘土出土。17は頭部 を欠 く。型式 は不 明だが、脚部の表現か ら人形 と判断 した。側縁部が焦げている。 ヒノキ板 目材。

157次

SD3715DH34暗

灰色粘土出土。18も 16と 同様、『集成』

AⅡ a型

式。脚部 と腕部 を欠 くが、

全長は29.8cmと判別で きる。頭部に被 りものを表現す る。157次補

SD3715DB34上

層木枠下出土。

これ らの人形 には墨書 は認め られない。

3‑1‑4‑1‑5 

部材(図版137)

部材

(19)19は

全長25,9cmの棒状品で、両端の下側 に段差加工 を施す。上側の角 を面取 りす る。

何 に用い られた部材 かは特定で きない。157次補

SD3715DB34石

敷 間出土。

3‑1‑4‑1‑6 

工 具(図版137)

撃柄

(20)20は

アカガシ亜属の板 目材 に小 日か ら穴 をあけた もので、形状か ら整柄 と判断 した。

全長 は13.3cm、 柄 元付近の径 は2.9cmをはか る。断面形 は隅丸方形 に仕上 げる。157次

SD3715 DH34暗

灰砂質粘土 出土。

木釘

(23)23は

全長8。 lcmの棒状品で、先端 を鋭 く尖 らせ る。ヒノキ板 目材。木釘 と判断 したが、

留針の可能性 もある。157次SD3715D133暗灰砂質粘土 出土。

3‑1‑4‑1‑7 

雑 具(図版137)

火鑽板

(21)全

長11.5cmの長方形板材 の片側 に6カ 所 の火鑽 臼 を もつ。全体 に炭化 してお り、

′,8

樹種や木取 りは不明。157次

SD3715DH34暗

灰砂質粘土出土。

木簡形

(22)ヒ

ノキの柾 目板 で、一方の小 日寄 りに2カ所の切 り欠 きを もつ。両面 を丁寧 に削 る。木簡の未使用 品か。157次

SD3715DG34暗

灰砂質粘土出土。

加工棒 (24〜

27)SD3715か

らは加工棒 が多量 に出土 しているが、形 の整 った ものを

4点

図示 した。24はスギ板 目材。全長19。 2cm。 157次

SD3715DK34暗

灰砂質粘土出土。25はヒノキ板 目材。

全長20.5cm。 157次補

SD3715DB35上

層黒色砂 出土。26はスギ柾 目材。全長25,Ocm。 一方の小 口 を斜めに薄 く削る。157次補

SD3715DC34石

敷間出土。27はスギ柾 目材。全長26。2cm。 両端の加 工 は粗い。157次 SD3715D134褐色砂 出土。24〜 26は小 日の加工が平滑 で、壽木の可能性が高い。

加工板

(28)28は

大型の加工板。一方 を幅広 に作 り、両側面 を平滑 に面取 りす る。大型の折敷 を転用 した可能性 もある。スギ板 目材。157次

SD3715DD34暗

灰色粘土 出土。

転櫨残材

(29)29は

幌櫨 の残材。最大径10.5cm、 高 さ4。lcm。 裏面 には粗 い基の加工痕 と3カ所 の幌櫨爪痕 を留める。側面 にはヤ リガンナによると思われる回転削 り痕跡、表面には朝櫨 目を 残す。ヤマグワ芯持材 だが、通有 の幌櫨製品 と同様 に芯 をややず らして使用す る。157次補

SD

3715上層黒色粘質土出土。

3‑1‐

4‑2 

種 子・木炭

種子は157次補 SD3715の 石敷間か ら胡桃の種が

2個

、桃の種が

5個

出土 している。また、206 次 SK13774か ら、羽口や鉄淳 とともに木炭が出土 している。

3‑1‑4‑3 

銭 貨 (図版138)

調査区全体か ら

8点

の銭貨が出土 した。皇朝銭が

4点

、寛永通費が 1点 、中国銭が

3点

であ る。皇朝銭はいずれ も157次調査区の SD3715か ら出土 した。皇朝銭の分類 は『平城宮発掘調査

4)

報告Ⅵ』(pp.97〜103)に 従 う。

和同開JPTI(1〜

2)2点

出土。いずれも和同開弥

Aで

、「開」の門構 えの上端が開 く「新和同」

番号

 

銭種

 

次数 刀ヽ地 区

 

遺構

14 銭貨計測表

層位

 

外縁外径 外縁内径

 

内郭外径

 

内郭内径 外縁厚

 

文字面厚 重量 平均

平均

N  

平均

g  

平均

平均

平均t (g)

和 同開珠

157 DG34 SD3715灰

色粗砂

 24.7  21.2  7.8

寛永通費 224 1C43】ヒ排水溝

     25,7  21.1  7.4 6 

祥符元費

205 CQ18     

灰褐色±

 24.9  18.8  7.1 7 

元豊通賓

205 CT17     

バ ラス面

 24.5  19,2  8.3 8 

慶元通費

216 HE47      

床±

  24.4  19,7  8.1

6.9   1.0   0.6  2.0 5.6   1.8   1.2  2.6 5.9   1.3   0,9  2.8 6,7   1.6   1.1  3.5 6.7   1.6   1.0  2.9 A      G

銭貨の各部測点については右 の とお りである。

外縁外径

G=Qttg土

タト縁 内径

N=よ

鵡辞二

内郭外径

g=三

鵠β

,内

郭内径

n=型

1些

外縁厚

T=A+BttCttD,文

字面厚t=attbttcttd

凹 b

7,9

ドキュメント内 3章 (ページ 55-66)

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