(%/年) 4. 北米・中南米 米国 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 86 カナダ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 91 メキシコ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 95 ブラジル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 99 国・地域名: 日 本 1.概況 日本経済はリーマンショックの影響を強く受け、2008 年後半から 2009 年にかけて厳しい状況 にあったが、2010 年後半からはようやく回復基調にもどり、リーマンショック前の水準にもどること も期待された。 2010 年の実質 GDP 成長率は、 2009 年の▲ 6.3% から一転、 +4.0% と回復した。 このような経済情勢の下、我が国の石油化学産業については、世界の金融資本市場の危機の 影響や原油価格の乱高下などによって悪化した景気が少しずつ改善されてきたことを背景に、 2010 年には輸出の好調さにも助けられ、各エチレンセンターとも稼働率が若干改善され、エチレ ン生産量は 702 万トン(対前年比 +1.5 %)とわずかな増産になった。 プロピレンについては、2010 年生産量は 599 万トン(前年比+7.1%)となり、増産に転じた。 2010 年の芳香族(ベンゼン、トルエン、キシレン)製品については、ベンゼンは、スチレンモノマ ーの増産などの影響で増産された。トルエンは、ポリエステル繊維の原料となるパラキシレンが 需要拡大、キシレンはパラキシレン向けの需要が増加した。 2.現状 (1)需給総括表(2010年、日本) (単位:万トン、%) 注)能力は 2010 年現在 ※エチレン能力は、経済産業省化学課による設備能力調査をもとに (定修実施年+定修スキップ年)/2で算出。 ※プロピレン能力は、経済産業省化学課による設備能力調査をもとに推計。 能力 生産 輸入 輸出 内需 輸入 輸出 バランス 稼働率 主要メーカー (A) (B) (C) (D) E=B+C-D 比率 比率 (B-E) (B/A) (C/E) (D/B) C2 765 702 6 46 662 1% 7% 40 92% LD 232 190 25 33 182 14% 17% 8 82% HD 134 101 5 24 82 6% 24% 19 75% SM 328 294 0 140 154 0% 48% 140 90% EG 88 60 1 8 53 2% 13% 7 68% PVC 216 175 1 72 104 1% 41% 71 81% その他 142 111 5 19 97 5% 17% 14 78% 計AS C2 770 615 31 139 506 6% 23% 108 80% プロピ 683 599 2 74 527 0% 12% 72 88% PP 327 271 15 45 240 6% 17% 31 83% AN 72 66 1 21 46 2% 32% 20 92% その他 170 175 6 39 142 4% 22% 33 103% 計AS C3 585 526 16 70 472 3% 13% 54 90% ベンゼン 671 476 6 32 450 1% 7% 26 71% トルエン 232 139 3 31 111 3% 22% 28 60% キシレン 781 594 0 95 499 0% 16% 95 76% PX 394 318 0 235 83 0% 74% 235 81% PTA 115 113 2 33 82 2% 29% 31 98% (2)石化産業の最近の動き 世界的な景気後退が続く中、円高による輸出産業の苦況、製造業の海外移転の傾向がはっ きりしてきており、国内産業による内需は厳しい状況が続く見通しである。国産の石化製品に対 する需要については、円高がやや収まり、徐々に回復していくことが見込まれるが、全体として低 調に推移することが予想される。 2010 年の日本の石油化学は、国内の需要刺激策による需要の拡大及びリーマンショックの 影響を最小限にとどめた中国をはじめとするアジア諸国の好調な経済に支えられた石化製品の 需要拡大により、2009 年の最悪の事態からようやく脱することができた。汎用樹脂のポリエチレ ン、ポリプロピレン、ポリスチレンは生産量、需要量とも回復してきた。化成品も、SM、AN、PTA、 BTX いずれも需要が回復してきている。しかし、いずれも 2003 年の需要水準に達しておらず、需 要の低調傾向は続いていると見る必要がある。 2011 年は、東日本大震災による国産品供給力不足に加え、欧州金融不安及びアジア圏の需 給緩和、市況下落、さらに超円高による輸入品の急増など、国内産業全体が苦況にある。その 影響で国産石化品の内需は減少したと見られる。今後、アジア経済の鍵を握る中国ではインフレ 抑制の動きが強まりつつあり、石化品の輸出及び化学品の国内ユーザーである輸出産業の国 内需要の低迷が懸念される。 ・ LDPE の 2011 年の総内需(含む輸入原料)は、前年比+1.3%の増加となった。 製品輸入品 が+10%増加し、その影響で国産品の内需は▲4.8%と減少した。2012 年以降は年率 +1.0%程度で微増すると見込む。一方、原料輸入が、2011 年は前年比+39.3%と大幅に増 加した。 2012 年はその反動で輸入が減り、国産原料が前年比+ 0.6 %と回復し、 2013 年以降 も年率+0.6%程度の成長を見込む。 ・ HDPE の 2011 年の総内需(輸入原料を含む)は、前年比+1.3%の増加となった。レジン輸入 は前年比+ 104.7 %と顕著に増え、その影響で国産品の内需は▲ 5.0 %と減少した。 2012 年は、 ドキュメント内 はしがき 石油化学産業は その下流にプラスチック製造業 合成繊維製造業 ゴム製品製造業等 多数の中小企業を抱える最上流に位置する産業であり 石油化学産業の競争力は その下 流の中小企業等の経営安定 競争力強化の観点から 非常に重要である 経済産業省では 我が国の石油化学産業をとりまく情勢が変化する中 (ページ 42-45)