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動作速度の評価実験

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第 5 章 提案するトラッキング手法の評価実験

5.4 動作速度の評価実験

実験の目的  

提案手法が実用上十分な速度でトラッキングが行え、またリアルタイムに拡張現実 感による情報提示が行えることを確認する。

実験の方法と条件  

評価用システムを実際に動作させた際に、図5.2に示す各処理ステップにおいて1フ レームの処理に必要となる時間を、ソフトウェアによる時間計測処理を組み込むこと で計測する。なお、この測定精度は1msである。撮影された画像のラベリング領域の 数、すなわち画像の複雑さによって変化することが分かっている[23]。したがって、3

コース1,シングルカメラ

コース2,シングルカメラ

コース1,マルチカメラ

コース2,マルチカメラ

図 5.40: ハイブリッドトラッキングが行えるフレームの割合

枚の画像のラベリング処理結果の合計が約1000, 約1500, 約2000となる異なる3種類 の撮影画像に対して時間計測を行った。これらはいずれも実験室およびふげん発電所 内等で見られる典型的な値である。また、いずれの撮影画像でも、含まれるバーコー ドマーカは各カメラに1本ずつ、合計3本とした。なお、ここで用いたハードウェア構 成は表5.1に示したものと同一である。

実験の結果  

各撮影画像について、処理時間の計測結果を表5.7に示す。なお、いずれも3台のカ メラからの1フレームの画像、計3枚の画像を処理するのにかかった合計時間である。

表 5.7: 処理時間の計測結果

画像のラベリング領域数 1050 1599 2014 カメラからの画像取得 <1ms <1ms <1ms 2値化・ラベリング処理 15ms 15ms 18ms バーコードの探索・識別 2ms 3ms 8ms 単一のスクリーン座標系への変換

仮想正方形マーカへの変換 <1ms <1ms <1ms カメラ位置・姿勢の推定 11ms 11ms 11ms 誤差関数の非線形最小化 3ms 4ms 5ms ハイブリッドトラッキング 5ms 5ms 5ms 撮影画像の画面表示・情報の重畳表示 10ms 10ms 10ms

計 47ms 49ms 58ms

考察  

本研究で用いたDragonflyカメラは、画像の転送をマルチスレッドで行うことができ る。そのため画像の取得にはほとんど時間がかかっていない。一方、撮影された画像 に多数のラベリング領域が含まれる場合、ラベリング処理およびバーコードマーカの 探索に時間がかかり、全体の処理時間も長くなることが分かった。しかしラベリング 領域数が2000程度までであれば、リアルタイム処理の限界である67msを十分下回っ ており、カメラのハードウェアの上限値である15fpsで情報提示が行えることが分かっ

た。なお、前節で述べたふげん発電所における検証実験では、画像データのハードディ スクドライブへの保存を行ったために実行速度が低下し、15fps未満となっている。

ただし、本研究では動作の高速なデスクトップ型PCを用いて評価実験を行っている が、実際にトラッキングシステムを構築する際には可搬性に優れたノートPCなどで 動作させる必要がある。一般的に、ノートPCの処理能力はデスクトップ型と比較す ると劣るため、現状では動作速度が不足する可能性がある。しかしこの問題は、今後 のノートPCの処理性能の改善に伴って解消されると思われる。

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