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広域大規模災害におけるわが国の対応と その課題

大規模災害に対応するための法制度の構築とそれ を実現する市町村とそれ以下のレベルにおける住 民間のネットワーク再構築が重要となる。

一つは行き過ぎた個人情報保護の再検討、具体的 には一定条件のもとでの名簿作成・管理・活用に 関する国・地方公共団体と住民による共有システ ム化を協働にて進めることである。

もう一つは災害も含めたローカルナレッジの共有・

伝承である。共有・伝承を実現するためには日常 の地域における活動を積極的に行い、そうした活 動を通じて災害に関する安全・安心の認識と活動 を人々の生活に埋め込み(ローカルナレッジ)、そ れがひいては災害への脆弱性を低下させることに つながる。

高次のリスク減少としての国家的災害医療体制

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の確立

災害拠点病院は化学、生物、放射線・核、爆発な

どの

CBRNE

ハザードに対応できるようにすべき

である。

空港などに設置されることが多い

SCU

を医療資源 供給の拠点とするための備え(資機材や乗り物)

が必要である。

● EMIS

を通常の医療管理システムとして地域医療に 活用することで、全医療関連施設をカバーできる ようにする。

災害保健医療コーディネーターを任命し、教育と 資源を充実させるべきである。

病院の災害リスク評価とリスク減少により『災害 時に最後まで建ち続ける建物』にすべきである。

災害拠点病院を避難所としてどのように活用する かを全国的に標準化しガイドラインを策定する。

病院の非常用ライフラインを強化し、食料、医薬 品、医用ガスなどの備蓄を行うことを事業継続計 画

(BCP)

として策定する。

HFA Core Indicator 5.1:

将来的な展望を兼ね備えた、災害リスク軽減のための 強硬な政策、技術的・組織的能力、そして構造が 適切に機能している。

被害を受けた病院への支援は、援助というよりも、

自身も被災者である被災地の医療従事者の負担を 減らすような代替要員となることを優先する。

通信ネットワークや衛星電話をはじめとする通信 手段の強靭化を行い、病院がより機能を発揮でき るようにする。

病院は災害対応管理者あるいは災害保健医療コー ディネーターを雇用し、支援を受ける能力(受援力)

を身につける。

避難所での保健・医療は

DMAT

や他の医療救護チー ムによって、継続的に支援されるように計画し、

感染症の流行や、抑うつ状態、深部静脈血栓症な どの予防ができるようにする。

政府の業務継続計画の強化

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中央省庁や地方公共団体の業務継続(公的組織の

BCP

)は、組織の重要業務に不可欠なリソースに 深刻な被害を受けた場合にも、迅速な救助活動、

避難者支援、施設やまちの復旧を実施するために 必須である。

BCP

には、庁舎を含む不可欠な資源 について代替戦略を持つことが強く推奨される。

HFA Core Indicator 5.2:

すべての行政レベルにおいて、事前準備計画と不測事態 対応計画が適切に策定されており、また通常の防災訓練が 災害対応プログラムの不備を見つけ、向上させるために 適切に実施されている。

地域住民組織による活動がもたらす被災対応の  差異―福島県いわき市沿岸三地区を例に

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自治体(県や市)レベルの対策はあくまでもアウ トラインを提示するのみであり、実効的な対策に は地域(コミュニティ)レベルでの自主的・自律 的対応(ハザードマップ作成など)が重要となる。

具体的には、各地区の歴史的な経路依存性に応じ た防災・減災システムが必要である。

A

:区―町内会―隣組、

B

C

:区―隣組といった 空間的なヒエラルキー

A

:トップダウン、

C

:役員による役割分担とボト ムアップの組み合わせといったガヴァニングの 諸形態への配慮

これらを実現するためには地域住民組織による活 動の充実と組織づくりが鍵となる。

HFA IRIDeS Review Report 2011

東日本大震災から見えてきたこと

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災害「前」の歴史資料保全活動と東日本大震災

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地域の歴史資料を、「災害から守るべき対象である」

とする意識を、災害が起こる前から、所蔵者・地 域住民と行政、専門家の間で共有化しておく必要 がある。史料の保存や活用を通じた日常的な交流 がその役割を果たすであろう。

災害から地域の歴史資料を守るには、それらを日 常的に見守るための組織作りが重要である。所蔵 者を日常的に見守る地域住民、行政、専門家の協 働が不可欠である。

専門家や行政の力だけでは、日本各地に膨大に残 る地域の歴史資料を災害その他の危機から守る事 はできない。今後の高齢化社会も見据えつつ、関 心を持つ市民だれもが参加できる技術の開発と、

組織作りを進めるべきである。また、そのような 動きを支援し、促進する国・自治体レベルでの制 度も検討される必要がある。

最初に到着し、十分な期間支援を行う DMAT

● DMAT

は各国あるいは各地の事情(地理、気候、

文化、社会経済的な条件)に合うように整備され るべきである。

● DMAT

は効果的な保健医療支援が可能となるよう、

中央政府による後ろ楯と、十分なロジスティクス によるサポートが必要である。

災害拠点病院、

EMIS

SCU

と広域搬送、災害保健 医療コーディネーターは

DMAT

活動の基盤として 推進され整備されるべきである。

● DMAT

CBRNE

ハザードを含む様々な状況下で もプライマリーケアを行い、閉鎖空間での医療や 迅速な救護移送、広域搬送などに対応できる災害 医療の専門家であるべきである。

継続的な派遣やロジスティックスのサポートを事 前に計画し、他の医療救護チームの到着や地域医 療の復旧までの治療がシームレスに行われるよう にすべきである。

● DMAT

の機能を維持するための定期的な訓練や資 源は政府と所属する病院によって保証されるべき である。

復旧及び復興の法的枠組み

柔軟に資金を利用できる財政メカニズムを創設す ることは、地域のニーズを反映した復旧にとって きわめて重要である。阪神・淡路大震災と新潟県 中越地震の後には、復興基金を運営するための財 団法人が設立された。また、東日本大震災の復興 においても、復興基金が設立され被災県が直営方 式で管理している。復興時には、このような基 金を設立し、行政・民間・アカデミック・住民・

NGO

など多数のステークホルダーの協働を通じ て、ソフト的な側面をも含んだ地域のニーズにあっ た復興を目指すことが望ましい。ただし、災害の 発生時の社会・経済状況によって、財政的制約が かかることも考えられる。したがって、このよう な財政メカニズムのあり方は、その時々で手直し されなければならない。

医療支援からみた広域大規模災害時の 効果的備え

2011

年の東日本大震災の経験により、いくつかの課 題や問題点が浮かび上がった。以下、災害医療対応の 経験をもとに、最も需要と考えられる提言をまとめた。

災害拠点病院の充実

災害派遣医療チーム(

DMAT

)の強化

広域災害・救急医療情報システム(

EMIS

)の整備

広域医療搬送計画の拡充

災害医療コーディネーターの育成

医療従事者の人材育成

臨床情報のバックアップ強化

HFA Core Indicator 5.3:

財政的な積立てと不測の事態に備えた臨時出費の 仕組みが、効果的な緊急時対応と復興支援のために 適切に機能している。

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