6−1 実験の目的
本実験では、動きに反応するセンサである加速度センサの働きについて学ぶ ため、角度検出器を製作することを目的とする。角度検出器は、PIC16F 628に書き込まれたプログラムにより、左右上下に動かした加速度センサか らの信号を読み取り、7セグメントLEDに角度情報として出力する。
6−2加速度センサを用いた角度検出回路の原理
加速度センサの働きは、X軸とY軸方向に動かすことにより、それぞれの加 速度を検知し、それをパルス信号の形で出力することである。下図6.1に加 速度センサを示す。図6.1の加速度センサは、XfiltとYfiltで、
それぞれ、X軸とY軸の加速度を読み取る。そして、XoutとYoutで、
検知した加速度をパルス信号で出力する。
図 6.1 加速度センサ
Vdd
T2 COM
Yout
Xout Yfilt Xfilt ST
本実験では、角度検出器の出力信号の表示には下図6.2の 7 セグメントL EDをX軸に対して3個とY軸に対して3個の計6個を使用した。この素子は、
aからdpのどれかに電流を流すことにより、0から9までの数字が表示される 仕組みになっている。しかし、3つの7セグメントLEDに全てに電流を流し た場合、PIC16F628のピンの数を超えるので、角度検出器にはダイナ ミック点灯制御方式が採用された。これは、PICに書き込まれたプログラム により短時間に1つの桁を点灯、消灯して、3桁表示させる方式である。この 方式を用いると、数 10ms 周期の信号を7セグメントLEDに送ると、肉眼で は連続にその各桁が点灯しているように見えるのである。
g dp
a b c d e f
図6.2 7セグメントLEDカソードコモンタイプ
6−4応用例
る。本実験では、PIC16F628に書き込まれたプログラムにより、加速 度センサから出力されるパルス波の周期は約6.0msに設定された。
6−4−2 角度検出器の製作
本実験で製作された角度検出器の回路図は図6.3である。
C3 1uF
S1
abcdefg.
Gnd DISP2
abcdefg.
Gnd DISP1 abcdefg.
Gnd DISP3
abcdefg.
Gnd DISP4 abcdefg.
Gnd DISP5 abcdefg.
Gnd DISP6
Q1 2SC1815 Q2
2SC1815 Q3
2SC1815
Q4 2SC1815 Q5
2SC1815 Q6
2SC1815
+3V C2
0.1uF C1 0.1uF
16f628 RA2 RA3 RA4 RA5 GND RB0 RB1 RB2 RB3 RB4
RB5 RB6 RB7 Vcc RA6 RA7 RA0 RA1 U1 ADXL202E
8Vdd
2 T23COM
4Yout Xout5 Yfilt6 Xfilt7 1ST
U2
R2 3.9k R3
3.9k
R4 3.9k R5
R6 3.9k 3.9k
R1 3.9k
R14 120 R13 120 R12 120
R11 120 R10
120 R9 120
R8 120 R7
1MEG
図6.3 角度測定器の回路図
された。また、抵抗R8からR14までの抵抗120Ωは、各7セグメントLED の入力に約8mAの電流が流れるよう設計された結果である。そして、R1か らR6の抵抗は、1つの7セグメントの全てのエレメントが点灯した場合の電 流が、NPN型トランジスタQ1からQ6で100倍に増幅した場合、60m Aになるように、3.9kΩに設計された。図6.3で用いられたPICには、
RA0、RA1、RA2,RA3、RA6、RA7には点灯させる7セグメン トの選択をさせ、RBポート全てに、その表示する数字を選択するようにプロ グラムが書き込まれた。
6−5実験回路の動作確認
角度検出器の働きを観測するため、実際にそれを前後、左右に倒した場合の、
加速度センサからの出力波形を、デジタルオシロスコープを用いて調べた。こ こでの観測波形は、回路図6.3の加速度センサADXL202EのXoutからX軸 の出力波形が現れ、YoutからY軸の出力波形が現れるので、それらをモニター した。その様子を写真6.1から6.3に示す
実際の測定写真 X軸0°傾斜の Y軸0°傾斜の
Xout出力波形 Yout出力波形 3.
実際の測定写真(X 軸90°傾斜) X 軸90°傾斜の Xout 出力波形 4.06ms
実際の測定写真(X軸―90°傾斜) X軸−90°傾斜のXout出力波形 2.97ms
写真6.2 角度検出器をX軸方向に90°、−90°(加速度センサ4、
1ピン方向がX軸)に傾けた場合の出力信号1の間隔
実際の測定写真(Y軸90°傾斜) Y軸90°傾斜のXout出力波形 4.21ms
実際の測定写真(Y軸―90°傾斜) Y軸−90°傾斜のYout出力波形 3.17ms
写真6.3 角度検出器をY軸方向に90°、−90°(加速度センサ4、
5ピンはY軸方向)に傾けた場合の出力1の間隔
写真6.4 製作した角度検出回路
6−6 検討
本研究を通して加速度センサの基本的な使い方を習得し、応用回路として角 度検出器を設計・製作したが、当初の設計どおりの水平の位置で4ms、+9 0°の位置で5ms、−90°の位置で3msから出力がずれてしまった。こ の原因はパルス幅を決める外付けの抵抗とコンデンサの精度によるものと考え ているが、明確なことはわからない。いずれにしても、現状で発生するパルス 幅を基準として第7章のロボットアームを製作したが、より角度条件の厳しい 回路に於いては今回のとりあえず角度検出部分を製作してその結果から次の回 路を製作するという方法は問題を発生させる可能性を有する。角度条件が厳し い場合は当初の設計どおりのパルス幅を出力するまで設計を追い込む必要があ ることをここに記しておく。