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利用者把握に用いる知識

ドキュメント内 JAIST Repository (ページ 33-36)

応答プロセスにおいては,全ての発話は「文献探索」という前提のもとでなされるといえ, 図書館資源を利用するための検索質問を作りあげることが, 両者の前提となる意図である. 質問者の最終意図は必ずしも検索が成功することを目的としていない. 例えばサーベイ を目的とした検索では, 先行研究が存在しないことで満足する場合もある. また, 質問者 の思い込みによる間違った意図の修正, 時には質問者自身も分っていなかった意図が明ら かになる場合も考えられ, 質問者の満足度はその質問者の知識背景, 検索目的などによっ て変わってくるものである.

言語能力…学部生・院生・教員によって資料の選択に伴う言語の選択範囲が変 わる

(b) 利用の目的

得られた情報を利用者がどんな目的に用いるか知ることにより, 利用者の情報 ニーズ(意図)を構成する

(c) 利用者の探索歴

利用者の「探索歴6 」を把握することにより, 提示すべき資料の内容を推定する 利用者のタイプ

大学図書館では, 利用者全体を利用者の身分に関連して,学部生, 院生, 教員の3タイプ に分類している. 利用者をどのタイプで把握するかによってによって提供可能なサービス の種類などが変わってくる. また各レベル間ではそのトピックに関する利用者の知識レベ ルに大きく差があるとしている.

3.3.2

利用者属性に基づく判断の例

以下の対話例を考えてみる. この場合大学図書館での会話であるとする. 利用者は学生 であり,シェイクスピアの戯曲についてのレポートが出ている.

U:利用者 L: 図書館員

U: シェイクスピアの本はありませんか.

L: 著作ですか,彼に関してですか.

U: 戯曲なんですけど.

L: 戯曲のどういうものを探していますか.

U: ええと,レポートで使うのですが.

L: 原文ではなくて, 粗筋のようなものでいいですか?

6利用者が自分が知りたい事について以前に行った探索,およびその探索から知り得た内容.

U: はい.

このやりとりから, 情報ニーズの対象は「シェイクスピア」, 最終意図は「戯曲の粗筋

(の検索)」であることがわかる. 学生は粗筋の存在を知らないか, 前述したような何らか の理由で「粗筋が欲しい」という意図を発話できない. しかし図書館員は学部生に関する 利用者モデルに基づき,「学部生のレポート」ら要求している資料の量や質が推論可能で ある[23]. 7

7レポートを抱えている利用者が最終的に必要とするのトピックに関する図書2,3冊で,時間的余裕は多 くても2,3週間であると推定する.

4

制約解消系による協調的対話モデルの設計

コンピュータと円滑なコミュニケーションを行なうためには,ユーザとコンピュータが 相互に意図を認識しながら最終的な目的遂行へ向かって協調的な対話をするようなプラ ンニングが必要となる. しかし自然言語では, 文の表している意味が必ずしも文字通り の意味と一致しないという現象があり, 意図推定を難しくしている. これらは会話の含意

(conversational implicature)と呼ばれる言語現象で, 発話の意味するところの的確な把握 のためには, 言葉の表面的な理解だけではなく, さらに文脈的情報やお互いの背後知識を 必要とする. このように発話の意図を探り, 人間とコンピュータとの協調的対話を実現す るためには,これらの自然言語の用法の特性を前もって分析する語用論的アプローチが不 可欠である. 本研究では, 人間の会話における言語現象のうち, 特に会話の含意の問題に 着目し,発話から意図を推定する仕組みを論理プログラミング言語の制約解消系として定 式化する.

ドキュメント内 JAIST Repository (ページ 33-36)

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