第4章 メッキ・サブセクター
写真 9 分析研究設備 写真10 膜厚計などの試験設備
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31 2. 過去の経緯
三鷹工場の創業時の主な経歴を表3に示す。
表3 三鷹工場の経歴
1938年3月 三鷹市に2個所の工場を建設 塗装及びメッキ工業を開業 1945年8月 終戦により一時工場閉鎖
1945年9月 防錆加工を再開
1950年11月 深刻な金融困難を生じ事業継続不可能となり解散
1950年11月 メッキ設備を買い受け現在の工場に設置し新会社として発足 現在に至る
1950年当時は、排水処理設備は中和程度のものしか無く地中浸透で処理していた。
しかし、周囲の居住者に迷惑をかける企業に将来性はないとの判断で、1956 年には排 水を3系統(CN、Cr、その他)に分別しそれぞれに処理する設備を設置した。
その後も、社長自ら公害防止管理者の資格を取得し、全社を挙げて公害防止対策に取 り組んできた。その結果、1970 年代に定められた環境基準にも合格することが出来た のである。
1960年には、排水処理設備が老朽化し更なる対応が難しくなったため、隣接の土地160 m2を購入し排水処理設備の面積を 300 m2に拡張し、設備も更新して今日に至ってい る。
現在は、公共下水道に排出する地下タンクから定期的にサンプルを取り、CN、Cr+6、
Cu、Zn、PH をチェックし分析報告書を作っている。三鷹市からは、2 ヶ月に1 回、
排水のサンプリングに来るが、その時には必ず立会いして同じサンプルを自社でも分 析して合格を確認している。
3. クリーナープロダクション技術の内容
三鷹金属の場合その立地条件から、対応すべき問題は次の2点である。
(1) 環境基準への適合 (2) 周辺住民感情への対応
この2点に共通する基本的な対策として実行してきた内容は、5S(整理・整頓・清掃・
清潔・躾)の徹底である。
即ち、5S の徹底により、やらないでも実害の無いと思われる事でも、やるべき事を確 実にやる習慣を付ければ、品質、公害共に不良が出ない体質になって行く事、および 景観の美化により人の感情を安心させる効果がある事を確信して、基本対策としたの
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5S は改善の基本であり、毎日の習慣とすることによって、生産性の向上、不良ゼロ、
工期短縮、作業場面積の余裕など収益向上に効果があると同時に、変化即応の生産体 制が確立できるのである。
具体的な実行内容を列挙すると次の通りである。
(1) 薬品類の変更
従来は、メッキ前処理の脱脂工程では有機溶剤を使用し、酸洗工程にも硝酸などの強 い薬品を使用していたが、これらの薬品類を環境対策の観点から整理した。即ち、有 機溶剤の使用を中止して脱脂は全てアルカリ浸漬とし、臭気の強い酸の使用も中止し てマイルドな化学研磨液を使うことにしたのである。
また、マスキング材(商品名 シールキル)は膠成分を含んでいるので臭気が強いた め使用を中止してビニールテープを手で巻く方式に変更した。
(2) 分別廃水処理
成分の異なる廃水を混ぜ合わせると処理が出来なくなってしまうので、廃水を分別整 理することが廃水処理の基本である。この基本に従って、廃水をシアン系統、クロム 系統、雑廃水(酸 アルカリ)系統の 3 種類に分別整理し、それぞれに処理できるよ うにした。
(3) 排水処理設備の更新
1996 年には 40 年経った排水処理設備が老朽化したので、思い切って整理し更新する ことにした。そのため新たに170 m2の場所が必要になり、場所の確保が大きな問題と なったが、幸いにも隣接の土地を160 m2購入することが出来た。
土地購入60,000,000円、設備40,000,000円、建物20,000,000円、合計120,000,000 円の環境対策投資を実施したのである。
(4) ドロッピング水対策と定期的清掃
メッキ工程で製品の移動中に各槽の間に落ちるドロッピング水は床面を汚し排水に混 入し処理を難しくする。この床面汚れの元凶を絶つため槽間にカバーを設置して床面 を常に乾燥状態に保つことが出来るようにした。
又、毎日、仕事の終了後15分間、全員で職場の清掃を行い快適で仕事のしやすい職場 環境を保つようにしている。
(5) 音の遮断と景観対策
周辺にマンションが次々に出来たためメッキ工場としてはマンションの住民への配慮