Wheel 2 Wheel 3
4.6 枝噛み防止機能
4.6.4 円軌道切削の力の釣り合い
次に円軌道切削について,図 59 に示すように,円軌道に沿って回転して枝を切るとき,
枝噛みが生じていなくてもチェンソーガイドバーは枝の切り口点Cで接触する.このため,
切り口を点C*に
x
押し広げる力F
Oが必要である.樹が円筒で,枝が円筒表面の法線方向 に延びているとし,円軌道の半径をR
T,点 O を円軌道の中心、点 C を円軌道の最初の接 触、点C*を切り込み量l
のときの接触点、点A をチェンソーの右切断点、接触開始からの 円軌道の回転角を
、直線OCがx軸となす角度を
、F
Oとx軸とのなす角度
とする。切り口を押し広げる力
F
Oは,片持ち梁の先端に荷重が作用するときの撓みの関係から求 められる.図60 に示すように,枝は切り口の幅 Wの長さの片持ち梁とみなせる.変位 x で作用する曲げモーメントをMxとすると,撓角
は
cos cos
)
( 0 xr
EI dx F EI r dx F
EI x M
z O z
x O x
o z
x
(12)と表せる.ここで,Eは枝のヤング率,
I
zは枝の切断面の中立軸に関する慣性モーメント である.角度
は) ( sin 1
R r l
(13)である。図中の点Aでの撓角
Aは(a)上面から (b)側面から ガイドバー 枝
幹
F
cF
bC F
fl
c2r M
g
l
mソーチェン
Mg
55
( ) r cos EI
W WF
z O
A
(14)この撓角は押し広げるべき角度であり、初期接触点でのチェンソーの角度から切り込み量
l
のときの角度と一致するため
A (15)
と表せる。以上より、必要な力は
cos
) ( Wr FO EIz
(16)
と表せる。なお、撓角
Aは、値が小さいときはほぼlに比例するので、力F
Oもほぼlに比 例するといえる。次に、駆動トルクと等価推進力を求める。ガイドバーには,F
Oによる摩擦力Ff が作用し
O
f F
F
(17)と表される.切り進むときは,動摩擦であり,FOsin と釣り合うか,滑ると仮定する.こ のとき,切削力を含めた力は,回転トルクから生じるので
DRFCrFOcos (18)
と表せる.これを等価推進力
F
D'
でみるとFD'FC(r/R)FOc o s (19) このため,直動枝打ちと比較し,式(19)の右辺第2項が加わる.この項は等価押し広げ力と 考える.
cos ) /
( O
e r R F
F (20)
枝噛みがあるときはヒンジとして見なせるとすると
FOFb (21) と表せる.
ここからロボットによる円軌道切削においては,チェンソーガイドバーが切り口の角に接 触し,さらに切り進めるには枝の押し広げ力を必要とすることを示す.
ここで,檜のヤング率E9.0GPa9.0kN/mm2,枝の切断面の中立軸に関する慣性モー メントIz r4
/8(l r
の時),樹の半径R
T 100 mm
、枝の半径r0~25mm、枝の直径 2r=50mm,チェンソー刃幅 W 6mm、摩擦係数
0.2 のときの枝径により必要な力を数式処理Mapleを利用して導き図61に示す.押し広げ力Foは切り進むにつれて比例して
増加し,枝半径ほど切り込んだとき(l=r)に最大となりその後減少する.
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図59 円軌道切削
図60 枝の撓み
C
2r
W
l A
γ F
oφ
Ax y
枝 幹
(a)上面から (b)側面から ガイドバー
O
C
2r M
gR
TW
A
C* l
η θ
R
l
mγ F
oF
fφ
AΔx
Mg
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(a)枝径と押し広げ力の関係 (b)切込み量と等価推進力の関係
図61 枝径と必要な力との関係