(例) (例) 2 公正な競争環境の実現と法定福利費の確保 (1)現状 発注者の皆様においては、株主等への対外的な説明責任が求められる中で、建設工事を発 注する際には、出来るだけ安くすることが求められる立場にあると認識しています。 しかし、それを受注する側においては、前述の通り受注競争が激化する中で、本来固定費 であるべき法定福利費ですら変動費化するような行き過ぎた競争が行われています。その結 果、法定福利費を適正に負担しない企業が競争上有利となって、適正に負担している企業が 競争上不利となる矛盾した状態となっています。 更には、建設業における重層下請構造下での不透明な契約関係、下請契約の当事者間にお ける交渉力の格差等と相まって、受注者が極度に低い価格で受注すると、多くの専門工事業 者や労働者へのしわ寄せが生じ、建設産業全体の足腰が弱まって、建設工事の成果物の品質 にも影響が及ぶことが懸念されます。 (2)公正な競争環境の構築と法定福利費の確保 質の高い建設工事を実施するためには、適正な単価や適正な工期の設定が必要です。 (1)のような状況においては、発注者の皆様にもご協力を頂き、法定福利費などの不可 欠な経費について、しっかりと確保していく必要があります。 「発注者・受注者間における法 令遵守ガイドライン」 (平成23年8月)においても、発注者及び受注者は見積時から法定福 利費を必要経費として考慮すべきとされているところです。 発注者の皆様におかれては、建設業における公正で健全な競争環境を構築し、必要な技能 労働者を確保するため、発注する工事についての建設作業を担う技能労働者等に係る法定福 利費が着実に確保されるよう、法定福利費を含む適正な積算に基づき予定価格を設定して頂 くと共に、実際の発注に当たっては、必要以上の低価格による発注をできる限り避けて、必 要な経費を適切に見込んだ価格による発注を行って頂くことにつき、ご理解とご協力をお願 いいたします。 なお、国土交通省直轄の土木工事においては、これまで実態調査による法定福利費の支払 額に基づき現場管理費の一部として計上されていたところですが、本年4月から、本来事業 者が負担すべき法定福利費の額について予定価格に適切に反映できるように、現場管理費率 式の見直しを実施しています。また、国土交通省直轄の建築工事については、本来事業者が 負担すべき法定福利費の額について、これまでも予定価格に適切に反映しているところです。 社会保険未加入対策の推進に関する申し合わせ 建設産業においては、建設投資の急激かつ大幅な減少に伴い価 格競争が激しくなり、本来負担すべき雇用、医療、年金保険の法 定福利費を適正に負担せずに低価格競争を行う企業や事業者が存 在しています。その結果、技能労働者の離職や若年入職者の減少 が進み、真面目に技能労働者を遇する企業ほど不利になり、技能 労働者の確保と、事業者間の公平で健全な競争環境を構築するた めに、社会保険未加入問題は、今日もはや避けては通れない重要 な課題となっています。 こうした状況に鑑み、本日、建設産業に関わる関係者が一同に 会して、社会保険未加入対策推進協議会を設立いたしました。 私たち行政・元請企業・下請企業・建設労働者といった関係者 は、これを機にそれぞれの立場で社会保険加入に向けた取組を計 画的に着実に進めるとともに、社会保険加入の前提となる法定福 利費の原資の確保に向け、発注者から下請企業まで適正に支払わ れるようそれぞれの立場からの取組を行うなど社会保険未加入問 題への対策を総合的に推進します。そのため、関係者が一体とな って、社会保険未加入は許さないとの固い決意をもって、社会保 険加入を徹底することを申し合わせます。 平成24年5月29日 社会保険未加入対策推進協議会 第2回社会保険未加入対策推進協議会WGにおける議論 平成24年7月30日(月)に開催された標記WGにおいて、社会保険加入促進計画や見積時の 法定福利費内訳明示のための標準見積書に関する検討状況をWGメンバー間で共有した。そ の際に抽出された課題や、それに関する対応の方向性は以下の通り。 1 社会保険加入促進計画の検討状況について(課題) (1)社会保険への加入状況の把握 議論① 企業単位で保険の加入状況を確認しても、社員として雇用されている者をベースと した加入状況の確認にとどまることが想定される。そのため、未加入の実態に迫るために は、可能な限り技能労働者単位での加入状況を確認する必要がある。 →社会保険の加入状況についての現状把握に当たっては、団体の会員企業の加入状況 のみならず、業務を発注するなどしている会員企業以外の者や、会員企業であっても、 企業に属する事務担当の保険加入状況のみを確認するのではなく、例えば、雇用関係 にはないものの社員のような扱いをしている技能労働者についても、保険加入状況を確 認することが望ましいです。 議論② 団体では、会員企業については把握できるが、会員でない事業者や、その更に下 請けの技能労働者の未加入状況については、把握することが難しいため、実際の工事 現場をピックアップして調査すれば、実態に迫れるのではないか。 →会員企業以外の部分の加入状況について把握することは、建設業における社会保険未 加入問題を解決する上で重要なポイントですので、可能な範囲での把握に努めて下さ い。なお、工事現場単位での調査については、本年11月以降の立入検査によりチェック を行っていくこととなりますが、特に高次の重層下請における技能労働者の未加入状況 については、今後の保険未加入対策を進める上で重要となりますので、関係団体から も、その実態や未加入である背景や理由、今後この部分で保険加入を進めるために考 えられる方策などについて、ご意見を事務局にお寄せ頂きたいと考えます。 (2)アンケート対象者の多様な請負・雇用形態 議論 職人の直用の他、親方を中心とした共同請負、優れた技能を持つ高齢の技能労働者 の再雇用といった様々な形態がある上、それぞれに応じて保険の加入状況も異なってい る現状にある。 2 -る上でのヒントになる部分ですので、団体ごとに検討されている社会保険加入促進計画 において対策をご検討頂くとともに、実態調査の結果を事務局に対しても、積極的にお 寄せ下さい。 (3)その他 議論 保険加入状況調査に当たり、電子メールを活用した費用負担抑制や、加入状況の調 査のみならず、単価の推移や雇用条件の逼迫についても併せて調査し、調査の質を高 めようとする団体があった。 →保険加入状況の調査に併せて、団体として他の関係する課題についての状況調査に乗 り出すことについては、機会を活用した前向きな取組と考えます。 議題(2) 専門工事業団体における標準見積書の検討状況について 1.標準見積書案作成に当たっての困難 議論① 複数業種をカバーしており、団体として様式を統一することは難しい。 →複数業種をカバーしており統一が難しい場合には、無理に統一する必要はありません。 団体傘下の別団体において標準見積書の案を検討するなど、必要に応じ分担してご検 討するなど、業種の実態にあった形で検討を進めて下さい。 議論② 業種によっては工種ごとに案を作るのは大変な作業となる。材料の種類が非常に多 く、標準歩掛を作るだけでも大変。 →大変な作業かと存じますが、社会保険未加入問題を解決するための課題として、当然支 払われるべき法定福利費の確保が必要です。その第一歩として、専門工事業者から元 請事業者に対して見積時における法定福利費の内訳明示を進める必要がありますの で、前向きな検討をお願いするとともに、課題を共有するという観点からも解決困難な技 術的課題等があれば、事務局にもご相談下さい。 議論③ 受注が決まるまでに内訳を細かく計算することに、果たして意味があるのか。受注の 際に標準見積書に法定福利費を計上することは、困難。 →見積時に法定福利費の内訳を提示できなければ、その後の契約・清算時においても法 定福利費の内訳を提示することは難しくなります。 ドキュメント内 <4D F736F F F696E74202D208E9197BF ED089EF95DB8CAF96A289C193FC96E291E882D682CC91CE8DF482CC8A E > (ページ 41-49)