PubMed
の検索を“interstitial cystitis OR bladder pain syndrome”と“cyclosporine A ORtacrolimus”のキーワードで行い,英文で 26
編を得た。うち4
編を引用した。推奨グレード:
C1
HICである程度の有効性の根拠がある(レベル3)。ただし,問題となる副作用は 少なくない。
9 治療-2 薬物治療 間質性膀胱炎診療ガイドライン[2019年版]
Cyclosporine A(CyA)はカルシニューリンによる細胞内情報伝達を阻害することによ り,IL-2の産生や
T
細胞関連の免疫反応を抑制するため,腎移植後や自己免疫疾患の 治療に使用されている25)。Sairanenらは
CyA
を1.5 mg/kg,1
日2
回内服とpentosan polysulfate sodium
(PPS)を100 mg,1
日3
回内服のRCT
を施行した。6カ月後のglabal respons assessment
(GRA)の評価で
CyA
群は75%,PPS
群は19%
で有効であり,CyA群のほうが有意な改善を認めた26)。ただし,高血圧,腎機能障害,脱毛症などの副作用には十分な注意が必要である。
また,Forrestらは
HIC
患者34
例とNHIC
患者10
例の治療効果をレトロスペクティブ に比較検討した。その結果,HICの23
例(68%),NHICの3
例(30%)に効果を認めた ことより,CyAはHIC
により有用であると報告している27)。一般に,tacrolimusは
CyA
より免疫抑制効果が高いといわれている。Kanekoらは難 治性のHIC
患者に対して,tacrolimusを1
日2 mg
とprednisolon
を1
日10 mg
の併用療 法は有効であったと報告している28)。また,GiannantoniらはIC/BPS
治療に関する29
のRCT
と57
の非RCT
のメタ解析を行った結果,amitriptylineとCyA
がIC/BPS
の治療 薬として有用であったと報告している4)。東アジア,AUA,カナダのGL
の中で,難治 性のHIC
患者に対する治療薬として,CyAが記載されている15,29,30)。2 ) NSAIDs ( Acetaminophen , Cerecoxib )
PubMed
の検索を“interstitial cystitis OR bladder pain syndrome”と“NSAIDs”のキーワー ドで行い,英文で72
編を得た。うち2
編を引用した。推奨グレード:
C1
有効性の根拠は低いが(レベル5),短期間の使用で問題となる副作用は少ない。
プロスタグランジンの産生を抑制する
NASIDs
には抗炎症作用があり,IC/BPSを含 む慢性骨盤痛には有効である31)。ただし,IC/BPS患者に対するNASIDs
を用いたRCT
はない。長期間の使用で,消化管症状,心血管症状等の副作用があるため,選択的COX-2
阻害薬(celecoxib)の使用が推奨されている12)。3 ) ステロイド( Prednisolone )
PubMed
の検索を“interstitial cystitis OR bladder pain syndrome”と“steroid”のキーワード で行い,英文で79
編を得た。うち2
編を引用した。推奨グレード:
C1
有効性の根拠は低いが(レベル5),HICで有効とする報告もある(レベル5)。短 期間の使用で問題となる副作用は少ない。
ステロイドは
NF-
κB
炎症パスウェイやIL-2
の産生を抑制し,様々な炎症性サイトカインや
T
細胞の活性化を抑制する32)。Soucyらは
14
例の初期治療に抵抗性のHIC
患者に対して,prednisolone 25 mgを1~2
カ月間投与後,症状に応じて徐々にテーパリングした。IC症状・問題スコアは22%,
痛みは
69%
と有意に減少した。副作用として,糖尿病の出現や増悪,肺炎,高血圧が4
例に認められた。以上より,HIC患者の疼痛コントロールにprednisolone
は有用であっ たと報告している33)。また,HosseiniらもHIC
患者に対してprednisolone
を投与した結 果,15例中7
例(47%)に有効であったと報告している34)。長期間ステロイドを投与し続けることは副作用の観点から推奨されないが,HIC患者 に対して症状の増悪に応じた短期間の使用はありうると考えられる30)。
4 ) アルギニン( L-arginine )
PubMed
の検索を“interstitial cystitis OR bladder pain syndrome”と“L-arginine”のキーワー ドで行い,英文で14
編を得た。うち3
編を引用した。推奨グレード:
D
有効性の根拠は低く(レベル5),無効とする根拠のほうが高い(レベル3)。問題 となる副作用は少ない。
Smithらは
nitric oxide synthase
(NOS)の活性は尿路感染やその後の炎症によって上昇す るが,ICでは低下していることを見出した35)。NOSの基質であるL-arginine
はNOS
の 活性を高める作用がある。11例のIC/BPS
患者に1.5 g
を6
カ月間投与したところ,10 例(91%)で排尿時痛,下腹部痛,尿道や腟の疼痛が軽減し,頻尿も改善したと報告し ている35)。しかし,Kortingらの53
例を対象としたRCT,および Cartledge
らの16
例を 対象にしたRCT
とも有意な効果は認められなかった36,37)。副作用については生理の遅延,夜間の発汗,悪心をそれぞれ
1
例認めた37)。5 ) フラボノイド( Quercetin )
PubMed
の検索を“interstitial cystitis OR bladder pain syndrome”と“quercetin”のキーワー ドで行い,英文で8
編を得た。うち1
編を引用した。推奨グレード:
C2
有効性の根拠は低いが(レベル5),有効とする報告もある(レベル5)。問題とな る副作用は少ない。
Quercetinはリンゴやタマネギに含まれるフラボノイドの一種で,強い抗酸化作用を 示す。
Katskeらは
22
例に対して500 mg
相当のquercetin
(Cysta-Q)を1
日2
回,4週間投与 した。22例中19
例(86%)において,IC症状スコアは11.9
から4.5,IC
問題スコアは9 治療-2 薬物治療 間質性膀胱炎診療ガイドライン[2019年版]
11.3
から5.1,膀胱痛スコアは 8.2
から3.5
と有意に低下した38)。6 ) TNF
α阻害薬( Adalimumab )
PubMed
の検索を“interstitial cystitis OR bladder pain syndrome”と“adalimumab”のキー ワードで行い,英文で4
編を得た。うち1
編を引用した。推奨グレード:
D
有効でないとする根拠のほうが高い(レベル3)。問題となる副作用は少ない。
マクロファージ,T細胞,B細胞など多くの細胞が
TNF
αを産生し,炎症反応を誘導 する様々な因子を活性化させる。Boschは
IC/BPS
患者に対して,TNFαのモノクローナル抗体であるadalimumab
を用 いたRCT
を施行した。IC/BPS
患者43
例に対して,adalimumab
(21例)とプラセボ(22例)を