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免疫反応・炎症( Immunological response, Inflammation )

ドキュメント内 2019 間質性膀胱炎診療ガイドライン (ページ 55-58)

PubMed

の検索を“interstitial cystitis OR bladder pain syndrome”と“cyclosporine A OR

tacrolimus”のキーワードで行い,英文で 26

編を得た。うち

4

編を引用した。

推奨グレード:

C1

 HICである程度の有効性の根拠がある(レベル3)。ただし,問題となる副作用は 少なくない。

9 治療-2 薬物治療 間質性膀胱炎診療ガイドライン[2019年版]

 Cyclosporine A(CyA)はカルシニューリンによる細胞内情報伝達を阻害することによ り,IL-2の産生や

T

細胞関連の免疫反応を抑制するため,腎移植後や自己免疫疾患の 治療に使用されている25)

 Sairanenらは

CyA

1.5 mg/kg,1

2

回内服と

pentosan polysulfate sodium

(PPS)を

100 mg,1

3

回内服の

RCT

を施行した。6カ月後の

glabal respons assessment

(GRA)の

評価で

CyA

群は

75%,PPS

群は

19%

で有効であり,CyA群のほうが有意な改善を認め

26)。ただし,高血圧,腎機能障害,脱毛症などの副作用には十分な注意が必要である。

また,Forrestらは

HIC

患者

34

例と

NHIC

患者

10

例の治療効果をレトロスペクティブ に比較検討した。その結果,HICの

23

例(68%),NHICの

3

例(30%)に効果を認めた ことより,CyAは

HIC

により有用であると報告している27)

 一般に,tacrolimusは

CyA

より免疫抑制効果が高いといわれている。Kanekoらは難 治性の

HIC

患者に対して,tacrolimusを

1

2 mg

prednisolon

1

10 mg

の併用療 法は有効であったと報告している28)。また,Giannantoniらは

IC/BPS

治療に関する

29

RCT

57

の非

RCT

のメタ解析を行った結果,amitriptylineと

CyA

IC/BPS

の治療 薬として有用であったと報告している4)。東アジア,AUA,カナダの

GL

の中で,難治 性の

HIC

患者に対する治療薬として,CyAが記載されている15,29,30)

2 NSAIDs Acetaminophen Cerecoxib

PubMed

の検索を“interstitial cystitis OR bladder pain syndrome”と“NSAIDs”のキーワー ドで行い,英文で

72

編を得た。うち

2

編を引用した。

推奨グレード:

C1

 有効性の根拠は低いが(レベル5),短期間の使用で問題となる副作用は少ない。

 プロスタグランジンの産生を抑制する

NASIDs

には抗炎症作用があり,IC/BPSを含 む慢性骨盤痛には有効である31)。ただし,IC/BPS患者に対する

NASIDs

を用いた

RCT

はない。長期間の使用で,消化管症状,心血管症状等の副作用があるため,選択的

COX-2

阻害薬(celecoxib)の使用が推奨されている12)

3 ステロイド( Prednisolone

PubMed

の検索を“interstitial cystitis OR bladder pain syndrome”と“steroid”のキーワード で行い,英文で

79

編を得た。うち

2

編を引用した。

推奨グレード:

C1

 有効性の根拠は低いが(レベル5),HICで有効とする報告もある(レベル5)。短 期間の使用で問題となる副作用は少ない。

ステロイドは

NF-

κ

B

炎症パスウェイや

IL-2

の産生を抑制し,様々な炎症性サイトカ

インや

T

細胞の活性化を抑制する32)

 Soucyらは

14

例の初期治療に抵抗性の

HIC

患者に対して,prednisolone 25 mgを

1~2

カ月間投与後,症状に応じて徐々にテーパリングした。IC症状・問題スコアは

22%,

痛みは

69%

と有意に減少した。副作用として,糖尿病の出現や増悪,肺炎,高血圧が

4

例に認められた。以上より,HIC患者の疼痛コントロールに

prednisolone

は有用であっ たと報告している33)。また,Hosseiniらも

HIC

患者に対して

prednisolone

を投与した結 果,15例中

7

例(47%)に有効であったと報告している34)

 長期間ステロイドを投与し続けることは副作用の観点から推奨されないが,HIC患者 に対して症状の増悪に応じた短期間の使用はありうると考えられる30)

4 アルギニン( L-arginine

PubMed

の検索を“interstitial cystitis OR bladder pain syndrome”と“L-arginine”のキーワー ドで行い,英文で

14

編を得た。うち

3

編を引用した。

推奨グレード:

D

 有効性の根拠は低く(レベル5),無効とする根拠のほうが高い(レベル3)。問題 となる副作用は少ない。

 Smithらは

nitric oxide synthase

(NOS)の活性は尿路感染やその後の炎症によって上昇す るが,ICでは低下していることを見出した35)。NOSの基質である

L-arginine

NOS

の 活性を高める作用がある。11例の

IC/BPS

患者に

1.5 g

6

カ月間投与したところ,10 例(91%)で排尿時痛,下腹部痛,尿道や腟の疼痛が軽減し,頻尿も改善したと報告し ている35)。しかし,Kortingらの

53

例を対象とした

RCT,および Cartledge

らの

16

例を 対象にした

RCT

とも有意な効果は認められなかった36,37)

 副作用については生理の遅延,夜間の発汗,悪心をそれぞれ

1

例認めた37)

5 フラボノイド( Quercetin

PubMed

の検索を“interstitial cystitis OR bladder pain syndrome”と“quercetin”のキーワー ドで行い,英文で

8

編を得た。うち

1

編を引用した。

推奨グレード:

C2

 有効性の根拠は低いが(レベル5),有効とする報告もある(レベル5)。問題とな る副作用は少ない。

 Quercetinはリンゴやタマネギに含まれるフラボノイドの一種で,強い抗酸化作用を 示す。

 Katskeらは

22

例に対して

500 mg

相当の

quercetin

(Cysta-Q)を

1

2

回,4週間投与 した。22例中

19

例(86%)において,IC症状スコアは

11.9

から

4.5,IC

問題スコアは

9 治療-2 薬物治療 間質性膀胱炎診療ガイドライン[2019年版]

11.3

から

5.1,膀胱痛スコアは 8.2

から

3.5

と有意に低下した38)

6 TNF

α

阻害薬( Adalimumab

PubMed

の検索を“interstitial cystitis OR bladder pain syndrome”と“adalimumab”のキー ワードで行い,英文で

4

編を得た。うち

1

編を引用した。

推奨グレード:

D

 有効でないとする根拠のほうが高い(レベル3)。問題となる副作用は少ない。

マクロファージ,T細胞,B細胞など多くの細胞が

TNF

αを産生し,炎症反応を誘導 する様々な因子を活性化させる。

 Boschは

IC/BPS

患者に対して,TNFαのモノクローナル抗体である

adalimumab

を用 いた

RCT

を施行した。

IC/BPS

患者

43

例に対して,

adalimumab

(21例)とプラセボ(22例)

2

週ごとに

12

週間皮下注射した。その結果,IC症状・問題スコアは

adalimumab

群 で

27.8

から

19.9,プラセボ群で 27.7

から

19.6

とそれぞれ有意に改善した。また,GRA 評価でも

adalimumab

11

例(53%),プラセボ群

11

例(50%)に改善が認められ,両群 間に有意差は認められなかった。一方,問題となる副作用はなかった39)。ただし,こ の臨床研究では

HIC

NHIC

に関するクライテリアは定められていない。

4 膀胱上皮障害( Dysfunctional bladder epithelium

ドキュメント内 2019 間質性膀胱炎診療ガイドライン (ページ 55-58)