第 6 章 自立型地域振興と雇用創出
助成金は各年 2 億円(広域の場合は 3 億円)を上限としている。
さらに、人材育成や求人・求職のマッチングなどを目的としたパッケージ事業から一歩踏 み込んだ「地域雇用創造実現事業」 、 「雇用創造先導的創業等奨励金」といった政策も実施し ている。
「地域雇用創造実現事業」 は、 地域雇用創造協議会からパッケージ事業を発展させる地域 の産業・経済の活性化に関する提案を受け付け、その中から雇用創造効果の高い事業を選定 し、協議会に事業を委託する政策である。事業期間は
3年以内、事業規模は各年度
5千万円 を上限としている。具体例としては、地域ブランド商品を開発し、その販路開拓を行う事業 などであり、委託期間終了後に地域内の企業に移管される。
「雇用創造先導的創業等奨励金」 は、 地域雇用創造協議会が作成した事業の実施計画に基 づき、地域求職者を雇い入れ、新たに地域の産業・経済の活性化に先導的な役割を果たす事 業を開始する事業主に対して、事業を開始するために要した費用の一部を助成する政策であ る。事業対象は、
3人以上の非自発的離職者(地域求職者)の雇い入れが必要であり、創業 に要した費用の
3分の
2を支給(
3千万円を上限)する。
以上のように、地域提案型の政策は他にもいくつかあり、地域はこうした政策に関する情 報収集能力が問われている。 国が行う地域支援策は、 広報普及体制が十分なわけではなく、
利用者がその存在を知らなければ、助成金を活用する機会を逃すことになってしまう。こう したことからも、今後の地域振興は、地域の自発的な政策企画能力や情報収集・発信能力が 問われることになり、それらを担える人材を育成する必要に迫られている。
このように、地域は政策企画能力や情報収集・発信能力に長けた人材を育成する必要があ る。そのためには、政策の企画立案を体験することによって能力向上を図れるように、企画 担当者を一定期間固定する必要がある。雇用創出に関連した政策の経験がほとんどなかった 市町村でも、短期間でのローテーション人事を行わずに担当者を固定して経験を積ませるよ うにすれば、企画能力を向上させることができる。
日本の将来は、少子高齢化によって経済の低迷が予想されており、地域はそうした影響を
もろに被ることになる。国も財政危機から幅広く手厚い支援策を打つことが難しくなってお
り、地域振興や雇用創出に関連した支援策も、国が一律に実施するのではなく、地域が提案
した中から政策効果の大きそうな企画案を選定して支援する、という方向に移行せざるを得
なくなってきている。従って、地域も安定的な雇用機会を創出することができるように、自
らが地域振興策を企画立案、実行できる人材を育成していかなければならない。
ドキュメント内
資料シリーズ No82 全文
(ページ 77-80)