1.5倍
(人)
本稿では、保険料は純保険料のみ設定し、社費、代理店手数料、利潤である付加保険料 は考えないものとする。なお、保険期間は1年間とする。
図表7:算出式
A(スタンダードプラン) B(バリュープラン)
保 険 金(円) 80,000×0.7=56,000 80,000×0.8=64,000 保 険 料(円) 56,000×5/1,000=280 64,000×5/1,000=320 出所:著者作成。
図表8:補償設定
プラン 保険料 保険金 補償回数
A 280円 56,000円 2回
B 320円 64,000円 3回
出所:著者作成。
4-2保険の販売方法
個人向け情報漏えい保険の販売方法として、大手携帯会社 3 社が各々提供している「ア フターサービス」に付帯の保険として販売する形式にする。アフターサービスとは、顧客 が携帯やスマートフォン契約後の水漏れ等によるメモリーデータ破損時の復旧サポートや 修理代割引、盗難・紛失保証等を行う有料のサービスのことである。大手携帯会社 3 社の アフターサービスの平均月額利用料は約 460 円であり、手頃な価格で利用可能と言えるだ ろう。
この月額利用料に本稿で提案する保険の保険料を上乗せする形で販売することを提案し たい。具体的には、「アフターサービスの月額利用料460円+保険料380円=840円」で算 出される月額 840 円の支払で、アフターサービスと個人向け情報漏えい保険が利用可能に なる。
アフターサービスに保険を付帯させることの携帯会社のメリットとして、この保険に加 入を希望する人が同時にアフターサービスにも加入することが考えられる。アフターサー ビスの加入者数が増えるため、携帯会社にも利益が生まれる。
4-3保険のアプローチ方法
個人向け情報漏えい保険の認知度を高めるためのアプローチ方法として、大きく 2 つが 考えられる。まず1つは、「顧客が携帯、スマートフォンの契約・購入時に代理店が保険の 加入を顧客に促すこと(アプローチ方法①)」である。その具体例として、保険の詳細を記 載したパンフレットの配布や代理店の店頭に保険の宣伝用のポスターを貼ることを提案す る。
また、もう 1 つのアプローチ方法は、「各携帯会社のホームページ又は SNS(LINE・
Facebook等)の公式アカウントで保険内容を詳細に記載すること(アプローチ方法②)」で
ある。
これらのアプローチ方法を実施することにより、個人向け情報漏えい保険への顧客の認 知度を高め、より多くの加入者を見込める。また、アプローチ方法②は、アプローチ方法
①に比べて、ポスターやパンフレットの製作費や人件費を抑えることが可能である。その ため、より低コストで実現可能なアプローチ方法であると考える。
5 まとめ
ネット社会である今日では、常に多くの情報が行き交っている。情報漏えいによる個人 の損害を補償するためには、企業向けではなく個人向けの「情報漏えい保険」が必要であ ると考える。
個人が被る被害の要因として、以下の2点が考えられる。1つは、近年の詐欺手口の巧妙 化による被害拡大である。もう1つは、現在におけるSNSの主な利用者は若年層であるが、
50歳以上の利用者も増加していることである。ここ数年の普及率増加に伴って、SNS利用 者の年齢層もより拡大することが予測される。このことは、SNS の悪用による被害の対象 者が増えることにも繋がる。SNS 等を利用し、個人を狙った情報漏えい被害が拡大するこ とにより、個人が被る損害が高額になる事態が懸念される。したがって、個人が被る損害 を最小限に抑える方法として、個人向けの情報漏えい保険を提案したい。
参考文献
・北岡弘章(2004)『個人情報保護と対策 改訂版』日経BP。
・クレア法律事務所(2010)『会社の個人情報対策のことならこの1冊』自由国民社。
・杉浦司(2011)『情報セキュリティマネジメント』関西学院大学出版会。
・損害保険事業総合研究所(2013)『Q&A個人情報保護がよくわかる講座』きんざい。
・ICT総研(2014)「2014年度SNS利用動向に関する調査」 (2014.12.10入手) http://www.ictr.co.jp/report/20140821000067.html
・セコム株式会社(2012)「シニア世代のオレオレ詐欺の被害率」 (2014.07.01入手) http://www.secom.co.jp/flashnews/backnumber/20121121.html
・朝日新聞記事(2014.07.10入手)
http://www.asahi.com/articles/ASG7Q3H75G7QUTIL00H.html
・株式会社ウェブマネー「ウェブマネーってなに?」 (2014.09.27入手) http://www.webmoney.jp/guide/
・株式会社ベネッセコーポレーション(2014.11.05入手) http://www.benesse.co.jp/mobile/sp/
・産経デジタル新聞「LINE詐欺、被害総額2800万円」 (2014.09.05入手) http://www.iza.ne.jp/
・消費者庁「個人情報保護法に関するよくある疑問と回答」 (2014.06.21入手) http://www.caa.go.jp/planning/kojin/gimon-kaitou.html#q1-1
・情報処理推進機構 (2014.09.12入手)
http://www.ipa.go.jp/security/event/2013/isecsemi/documents/2013videosemi_smarthp
・スマホステーション株式会社「スマホの個人情報が流出した時の脅威!」 (2014.10.17 入手)
http://sma-sta.com/corporate/
・セキュリティソフト比較サイト「セキュリティソフトは必要?」 (2014.10.16入手) http://securitysoft.asia/
・総務省(2012) 「平成25年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査(速報)」 (2014.06.30入手)
http://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/survey/telecom/2014/h25me diariyou_1sokuhou.pdf
・ニールセン株式会社(2014)「スマートフォンからのネット利用者は直近1年間で1,100 万人増加」(2014.07.04入手)
http://www.netratings.co.jp/news_release/2014/04/Newsrelease20140423.html
・日経トレンディネット (2012)「スマホのセキュリティソフト利用率は約5割」
(2014.08.13入手)
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20120801/1042287/?ST=life&P=3one2_v1.
・LINE株式会社(2014.11.06入手) http://linecorp.com/ja/company/info
・NHK WEBNEWS (2014.10.01入手)
http://www3.nhk.or.jp/news/netsecurity/2014_0929_04.html
・NPO日本ネットワークセキュリティ協会「情報セキュリティリスク」(2014.10.20入手) http://www.jnsa.org/ikusei/
わが国における民間介護保険の将来的展望とその課題
来たるべき超高齢社会で現若者世代が安定した老後を迎えるために
中央大学 平澤敦ゼミナール 1 班(Team.Atsushi)
加藤薫子 小林美紀
要旨
「World Health Statistics 2014」(WHO)によると、日本人の平均寿命は84歳で194 か国中 1 位である。長い老後の生活を送る多くの日本人にとっては、介護を必要とす る期間が長期化し、介護費用がかさむ可能性が高まることを意味しており、今や介護 問題は老後の最大の不安要因になっている。高齢者の医療・介護に対する保障、また 生活の柱である年金制度が危うい今、国頼みだけではなく自主的に生活の安定を確保 しようとする動きが活発化している。
キーワード : 少子高齢化、民間介護保険、若者
1 日本の少子高齢化
世界で人口問題が叫ばれるようになって久しい。日本の高齢化率は世界でトップを走っ ており、2025年には5人に1人が75歳以上になると予測されている。いわゆる「2025年 問題」も目前と迫るが、2040年までに1都3県の75歳以上の人口は10年比でほぼ倍増し、
世界でも類を見ない超高齢都市が出現することになる。一方、一人暮らし高齢者や認知症 高齢者が急激に増加することが見込まれるうえ、女性の社会進出も進み、これまでのよう な家族内介護は厳しくなり、介護に必要な費用は今後ますます増大する可能性が高いとさ れている。
2 問題意識・研究意義
上記のような介護事情の変化に備えるための手段として、近年、民間による“介護保険”
に注目が集まっている。
2-1民間介護保険の現状
生命保険各社が介護保険の商品開発に力を入れている。介護保険販売は好調であり、業 界全体でみても介護保険を含む第3分野の年換算保険料収入1が2012年度は前年度比2.5%
増の5兆3848億円と、6年連続で増えている。しかしながら、民間介護保険の世帯加入率
はいまだ14.2%と低く、今後成長余地が大きい状況にある。
1 生命保険協会(2014)『生命保険の動向2014年版』
2-2民間介護保険の問題点
民間介護保険への加入を阻む要因には、次のようなものがあげられる。
①ニーズと年齢のギャップ、②介護状態のイメージがわきにくい、
③若者からの関心が薄い、④公的介護保険に対する過度の期待感
2-3本研究の目的
本研究では、介護状態になることで生じる様々な費用に備えるための一手段として、民 間介護保険商品に注目しその現状と課題、そして将来性について考察を行うこととする。
また、民間生命保険会社のみならず、国や消費者も含めた介護保障を必要とする当事者が 考えなければならない課題を抽出する。
本研究の独自性は、これまで言及されてこなかった「民間介護保険と若者」との関係性 に注目することである。本研究で大学生を対象に行ったアンケート調査2によると、若者は 高齢化の現状等については認識していることが明らかになった一方で、介護における自助 努力の具体的手段についてはほぼ関心がないことがわかった。
このような現状に対する問題提起も含め、インプリケーションにおいては、民間介護保 険という手段も含めて、今後若者が安心して老後に備えるための手段についての考察およ び国や保険会社へ対する示唆も行っていきたいと考えている。
3 公的介護保険について
3-1社会保障制度における公的介護保険の財政状況
2014 年度の国民医療費と介護保険サービス費とを合わせた額はほぼ 50 兆円に達し、国 内総生産の 10%を超えた。これまでの「高齢者の介護を社会全体で支えあう」という介護 保険制度は、今や制度疲労を起こしつつある。これを受けて政府は今回 3 度目の介護保険 法改正で抜本的改革に着手し、15年4月から一定以上の所得がある高齢者を対象に、利用 者費用を1割から 2割に引き上げる方針を固めた。だが、それでもなお、このまま介護保 険制度を維持していくことは困難であるため、さらなる改革が急がれる。
3-2公的介護保険の仕組み
介護保険の保険料は40歳以上の国民が収めており、65歳以上を第1号被保険者、40歳 以上65歳未満の医療保険加入者を第2号被保険者という。これら被保険者により支払われ た保険料および税金がプールされたものが財源となり、介護認定を受けた被保険者は要介 護度ごとの利用限度額の範囲内で、利用した介護サービスを原則 1 割負担の料金で利用す ることができる。
2 第1回目(平成26年7~8月中旬:有効回答数 151), 第2回目(平成26年10~11月中旬:
有効回答数 207)。どちらも1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)に暮らす学生を対 象とし、紙面配布およびネット上で実施した。