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4. 地震,津波以外の自然現象

4.2 個別評価

(1) 風(台風含む)

建築基準法施行令によると,柏崎市及び刈羽村において建築物を設計する 際に要求される基準風速は 30m/s(地上高 10m,10 分間平均)である。

観測記録によると,最大風速は柏崎市 16m/s,新潟市 40.1m/s,上越市 23.1m/s である。

観測記録の統計処理による年超過確率 10-4/年値によると,最大風速は新 潟市 39.0m/s,上越市 21.5m/s である。

基準風速は保守的に最も風速が大きい新潟市の観測記録の極値である 40.1m/s(地上高 10m,10 分間平均)とする。

安全施設が,40.1m/s(地上高 10m,10 分間平均)の風が発生した場合に おいても,風(台風)によって安全機能を損なうことのない設計であること を評価・確認するため,設定した基準風速に対する風荷重が安全施設に作用 した場合の影響について評価し,安全機能が維持されることを確認した。ま た,台風の発生に伴う飛来物の影響は,竜巻影響評価にて想定している設計 飛来物の影響に包絡されており,安全施設の安全機能が損なわれるおそれは ない。

なお,評価結果の詳細は「添付資料5 風(台風含む)」のとおり。

(2) 竜巻

竜巻に対する規格基準は,国内では策定されていない。

観測記録によると,新潟県の最大竜巻規模は F1(風速 33~49m/s),日本 海側の最大竜巻規模は F2(風速 50~69m/s)である。

観測記録の統計処理による年超過確率 10-5/年値によると,竜巻規模は F2

(風速 58.3m/s)である。

基準竜巻・設計竜巻の最大瞬間風速は,F2 の風速範囲の上限値である 69m/s とする。竜巻特性値(移動速度,最大接線風速,最大接線風速半径,最大気 圧低下量,最大気圧低下率)については,竜巻風速場としてフジタモデルを 選定した場合における設計竜巻の最大瞬間風速 69m/s での竜巻特性値を適切 に設定する。

安全施設が,最大瞬間風速 69m/s の竜巻が発生した場合においても,竜巻 及びその随伴事象によって安全機能を損なうことのない設計であることを評 価・確認するため,以下を実施し,安全機能が維持されることを確認する。

・柏崎刈羽原子力発電所における飛来物に係る調査

・飛来物防止対策

・考慮すべき設計荷重(風圧力による荷重,気圧差による荷重,飛来物に よる衝撃及びその他組み合わせ荷重)に対する竜巻防護施設の構造健全 性等の評価を行い,必要に応じ対策を行うことで安全機能が維持される ことの確認

上記の結果より,原子炉施設の安全性が,竜巻により影響を受けるおそれ はないことを確認した。

なお,評価結果の詳細は「原子力発電所の竜巻影響評価ガイド(平成 25 年 6 月 19 日原規技発第 13061911 号 原子力規制委員会決定)」に基づく審査資 料「柏崎刈羽原子力発電所6号及び7号炉 竜巻影響評価について」のとおり。

(3) 低温(凍結)

低温に対する法令及び規格基準の要求はない。

観測記録によると,柏崎市の極値は-11.3℃である。

観測記録の統計処理による年超過確率 10-4/年値によると,柏崎市の最低 気温は-17.0℃となる。

低温における基準温度は,観測記録の統計処理による年超過頻度 10-4/年 値の-17.0℃とする。低温の継続時間については,過去の最低気温を記録し た当日の気温推移を鑑み,24 時間とする。

また,基準温度より高い温度(-2.6℃)が長期間(173.4 時間)継続した 場合について考慮する。

設定した基準温度により安全機能に係わる設備の凍結等,影響について評 価したところ,安全施設の安全機能が,低温により影響を受けるおそれはな いことを確認した。

なお,評価結果の詳細は「添付資料6 低温(凍結)」のとおり。

(4) 積雪

建築基準法及び同施行令第 86 条第 3 項に基づく新潟県建築基準法施行細 則よると,建築物を設計する際に要求される基準積雪深は,柏崎市において は 130cm であり,刈羽村においては 170cm である。ただし,除雪に対して十 分な維持管理が行われ,また,危険を覚知した時には速やかに雪下ろしが可 能な形状の建築物等又はその部分については,同上第 6 項の規定により垂直 積雪量を1メートルまで減らして計算することができる。

観測記録によると,柏崎市において,日降雪量の最大値は 72cm である。

観測記録の統計処理による年超過確率 10-4/年値によると,1 日あたりの 積雪量は 135.9cm である。

基準積雪量は,最深積雪量の平均値 31.1cm に,統計処理による 1 日あた りの積雪量の年超過頻度 10-4/年値 135.9cm を加えた 167cm とする。

設定した設計基準積雪量が荷重として原子炉建屋等の建築物の天井に作 用した場合の影響,及び,積雪による給排気口の閉塞について評価したとこ ろ,原子炉施設の安全性が,積雪により影響を受けるおそれはないことを確 認した。

なお,評価結果の詳細は「添付資料7 積雪」のとおり。

(5) 落雷

電気技術指針 JEAG4608 においては,500kV 発電所における送電線ならびに 電力設備に対して基準電流を 150kV としている。また日本工業規格 JIS A 4201:2003「建築物等の雷保護」,消防庁通知などによると,原子力発電所 の危険物施設に対して基準電流 150kA と規定されている。

落雷位置標定システムによる,新潟県全域から本州内陸部の観測によると,

最大落雷電流値は,460kA(夏季),449kA(冬季)である。

観測記録の統計処理による年超過確率 10-4/年値によると,最大落雷電流 値は 156kA である。

落雷の基準電流値は,観測記録の統計処理に敷地内における避雷鉄塔等の 遮蔽効果を考慮した 6 号炉及び 7 号炉への 10-4件/年雷撃電流値約 156kA に,余裕を加えた 200kA とする。

設定した基準電流値により安全機能に係わる設備に発生する誘導電圧の 影響について評価したところ,原子炉施設の安全性が,落雷による影響を受 ける恐れはないことを確認した。

なお,評価結果の詳細は「添付資料8 落雷」のとおり。

(6) 火山

発電所に対して考慮すべき火山事象は,敷地周辺の第四紀に活動した火山 の活動時期や噴出物の種類と分布,敷地との位置関係から,降下火砕物(火 山灰)である。

降下火砕物の堆積量に対する規格基準は,国内では策定されていない。

観測記録については,敷地で確認されているテフラは存在するが,噴出源 となる火山が,将来噴火する可能性がないこと,または,テフラの分布状況 から堆積過程において水系等の影響を受けて堆積したものと推定されること から考慮対象外とした。

設計基準の堆積量は,国内外の文献調査及び降下火砕物シミュレーション 結果から,堆積量は 30cm とする。詳細の堆積厚は,「原子力発電所の火山影 響評価ガイド(平成 25 年 6 月 19 日原規技発第 13061910 号 原子力規制委員 会決定)」に基づく審査資料にて説明する。

降下火砕物及びその堆積条件に対し,以下の観点で評価を実施し,安全機 能が維持されることを確認する。

・直接的影響(降下火砕物の堆積荷重,化学的影響(腐食),降下火砕物 による閉塞等)

・間接的影響(長期間の外部電源の喪失等)

上記の結果より,原子炉施設の安全性が,火山により影響を受けるおそれ がないことを確認した。

なお,評価結果の詳細は「原子力発電所の火山影響評価ガイド(平成 25 年 6 月 19 日原規技発第 13061910 号 原子力規制委員会決定)」に基づく審査資 料にて説明する。

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