(1)対象範囲
本史跡の保存管理にあたっては、まず史跡指定地が対象となり、公有化も含め適切な保存管 理を行うための方策を定める必要がある。
しかし、現在の史跡指定地は古墳の実態に基づいたものとなっているとは言い難い。それは、
確認調査により古墳関連遺構の所在が認められない範囲が生じたり、逆に、指定地外において 周溝等の重要遺構が確認されたりといった状況が発生することが想定されるためである。
そのため、今後の確認調査及び研究を踏まえながらも、実態に即した古墳ごとの範囲を定め、
住民の理解と協力を得ながら積極的に遺跡の保存を図っていく必要がある。
そして、本史跡の立地する地形的特徴を把握し、今後の史跡の適切な保存管理や活用を進め るにあたっては、古墳の周囲に広がる空間をバッファーゾーンとし、史跡と調和した良好な景 観保全等を図るべき範囲と位置づけていくこととする。
特に、本庄地区と須志田地区では、このバッファーゾーンの状況が、市街地と農地というこ とで大きく異なっていることから、それぞれの状況に応じた保全策を講じていく。
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(2)地区区分
以上の点から、本史跡保存管理計画の対象範囲を次のような地区に区分する。
1)第1種地区(史跡として指定された範囲)
本庄古墳群として既に国の指定を受けた範囲である。墳丘、横穴墓の玄室、周溝等が残って いることが過去の調査等で確認されている。
また、第1種の中でも、現在までに本質的価値を構成する要素が視認できる範囲(主に墳丘 が視認できる範囲)を第1種A、それ以外を第1種Bとし、保存管理を行っていくこととする。
2)第2種地区(遺跡の保存及び確認調査を進めていくべき範囲)
第1種地区(史跡指定地)に隣接する、周溝などの遺構・遺物が埋蔵されている可能性があ ると推定される範囲である。一帯が周知の埋蔵文化財包蔵地であり、周溝や石室等の遺構・遺 物が遺存している可能性の高い地区である。
第2種のうち、本質的価値を構成する要素が視認できるものの史跡指定地に含まれていない 事例がいくつか見られるため、これを第2種Aとし、早急に追加指定を行うこととする。それ 以外の範囲は第2種Bとし、第1種に準じた保存管理を行っていくこととする。
3)第3種地区(景観保全などを図っていくべき範囲)
第1種・第2種地区に隣接し、一体的な景観を構成する範囲である。
この地区は、本史跡のバッファーゾーンとなる地区であり、将来的な整備・活用にあたって、
史跡地の周辺環境及び市街地環境としての視点から、史跡との一体的な景観保全や整備を進め ることが望ましい空間である。
図:墳丘の捉え方と地区区分の設定
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図:地区区分の考え方