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供試体の体積計算方法

三軸圧縮試験中、供試体の密度を正しく把握するためには、供試体の寸法や変化量を 正確に計測して供試体の体積を計算する必要があるが、特に供試体を水で飽和してから 体積変化計(ビューレット)を設置する以前の段階ではその体積変化量を直接に測定で きないため、供試体体積を完全に正しく計算することが難しく、密度誤差が生じやすい。

図3-4に飽和するまでの供試体の寸法の変化を示している。最初に供試体を作成して キャップを設置してから供試体を自立させ、ロードセルを載せる前に、供試体(キャッ プとベデスタルを含む)の高さH0と直径D0をノギスおよびπテープで直接測定する。

キャップとベデスタルの高さは試験中に変化しないので、試料の高さはH0からキャッ プとベデスタルの高さを引いたものとなる。ロードセルを載せて載荷軸を連結する時点 で、供試体の上部にロードセルや載荷軸の重力に作用したりするために高さが減少 し、H-Hとなる。しかし載荷軸を連結するまでは高さ変化計を設置できないため、

Hは測定できない。軸方向に変形すると供試体水平方向にも変形が発生すると考えられ、

直径がD変化しD-Dとなるが、Dも測定できない。(厳密に言うと、供試体は「樽 型」のように変形するため、Dは高さによって異なると考えられる。)そのあと、セルを 被せ、セル水を注入したうえで、供試体の下から上へ通水して供試体を飽和させる。この 飽和家庭での高さと直径の変化量をそれぞれH、Dと表示すると、飽和後の供試体の高 さがH-H-Hになり、直径がD-D-Dになる。すでに軸変位計を設置して いるのでHは計測できるが、Dは測定できない。飽和後には体積変化計(ビューレ ット)を供試体に接続して直接に体積変化量を測定できるので、その後の体積変化につ いては問題は生じない。

要するに、H、D、Dが測定できないことが問題であるが、このことによって 生じる誤差を減少させるために、従来は3つの方法(方法1~3)で供試体の体積変化 を計算してきた。今回、より信頼性が高い方法を検討するために、新たな方法(方法4)

を試みた。これらの方法1~4について以下に説明する。

35 供試 体 キャップ

ペデスタル H-H1

D-D1

供試 体 キャップ

ペデスタル H

D

H1

ロードセル

供試 体 キャップ

ペデスタル H-H1-H

D-D1-D ロードセル

セル 水

H

1.前進一次元変形計算(方法1)

前進一次元計算は、変位計設置後の飽和過程での実測された軸圧縮Hのみを考慮した計 算方法である。つまり、H、D、Dは0であると仮定する。飽和させた後の高さH、

直径Dは

{ 𝐻 = 𝐻

0

− ∆𝐻

2

𝐷 = 𝐷

0

のように計算される。

2.前進等方変形計算(方法2)

前進等方計算は、飽和過程での軸圧縮Hを考慮した上で、軸方向ひずみと同じ大きさの 供試体水平方向ひずみを仮定する計算方法である。飽和させた後の高さをH、直径をDと し、飽和過程以前での垂直ひずみをv、水平ひずみをdとすると

図3-4 飽和させる以前の供試体の変形状態

36

{ 𝐻 = 𝐻

0

− ∆𝐻

1

− ∆𝐻

2

𝐷 = 𝐷

0

− ∆𝐷

1

− ∆𝐷

2

{

𝜀

𝑣

=

∆𝐻1+∆𝐻2

𝐻0

𝜀

𝑑

=

∆𝐷1𝐷+∆𝐷2

𝜀

𝑣

= 𝜀

𝑑 0

ここでHを 0 と仮定し、②式からD+Dを求めて①式に代入すると、飽和させた後の 高さHと直径Dを算出できる。

{ 𝐻 = 𝐻

0

− ∆𝐻

2

𝐷 = 𝐷

0

𝐷0𝐻∗∆𝐻2

0

3.試験後の測定値から逆計算(方法3)

逆計算は、せん断試験後に試料の乾燥質量ms(g)と含水比を測定し、別途測定した土 粒子密度s(g/cm3)も用いてせん断時の飽和した供試体の体積を計算する方法である。緩い 砂質土の含水比を正確に測定するために、供試体を装置から取り出す前に間隙水をできる だけ絞り出すが、そのとき絞り出した水の体積Vw(cm3)もビュレットで測定する。土粒子の 体積はms/s 、乾燥させる前の水の体積はms/100なので、せん断載荷後の供試体体積V は次のように計算できる。

𝑉 = 𝑉

𝑤

+ 𝑚

𝑠

𝜌

𝑠

+ 𝜔 ∙ 𝑚

𝑠

100

この方法で不確実な仮定を使わずに密度が求まる。しかしながら、試験後の供試体に水 分が逆流したり、間隙水の排水が十分でないといった場合には、砂質土、特に細粒分を多 く含む緩い砂の三軸供試体の含水比を確実に測定することは難しく、現実とはかけ離れた 体積量が算出されてしまう。

4.二回体積を測定(方法4)

藤沼砂のように細粒分が多く含む砂は試験中の飽和時の体積変化が大きいこともあって、

以上3通りの方法で算定した供試体の密度は差が大きく、信頼性に問題がある。この問題

37

を解決するためには、供試体を飽和させた後で体積を正しく測定することが重要である。

そのために、新しい方法(方法4)を用いて飽和させた後で直接に試料の直径Dと高さH を測る。この方法の詳細を次に説明する。

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