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使用材料および配合

第 6 章 ASR ひび割れを再現するモデル試験

6.2 使用材料および配合

6.2.1 静的破砕剤

静的破砕剤は一般的に振動,騒音,粉塵など公害問題を伴う破砕作業を低公害で実施する際に用い られる.破砕対象となる岩石や鉄筋コンクリートにあらかじめ削孔し,その中に水と練り混ぜた静的 破砕剤を充填すると,静的破砕剤と水が反応し,静的破砕剤が膨張することで亀裂を発生させ破砕す ることができる.また既往の研究1)で,静的破砕剤を骨材として置換した供試体は,脱型後材齢1日 から材齢7日まで水中養生を行い,その後気温20℃,湿度60%の恒温室に養生すると,打設してから 膨張のピークに到達するまで約1ヶ月かかり,そのうち最初の1,2週間で最大膨張量の7〜8割の膨 張が進行することが分かっている.

6.2.2 膨張性模擬骨材

ASR により膨張する骨材を再現するため,ひずみ硬化型セメント系複合材料(SHCC)に静的破砕 剤を一定量添加したものを粒形に成形し,膨張性模擬骨材とした.SHCC を用いたのは,静的破砕剤 による膨張で模擬膨張骨材自体が分解しないようにするためである.

膨張模擬骨材自体の配合は表-6.1に,材料と物性を表-6.2に示す.また,模擬骨材を膨張させるた めに使用した静的破砕剤は,粉砕したうえで 0.6mm 以下にふるい分けて使用した.ふるい分け前後 の静的破砕剤の状態を写真-6.1に示す.

表-6.1 膨張性模擬骨材配合(静的破砕剤添加量:100 ㎏/m3

W/C

(%)

単位量(kg/m3

水 早強

セメント 石灰石粉

珪砂

静的

破砕剤 繊維 増粘剤 高性能 AE 6号 7号 減水剤

50 390 780 234 183 275 100 12.1 1.01 9.13

表-6.2 材料と物性 材料名 密度

(g/cm3) 銘柄・種類

セメント 3.13 早強セメント(住友大阪セメント)

細骨材 2.59 川砂(揖斐川産)

粗骨材 2.61 川砂利,Gmax25mm(揖斐川産)

石灰石粉 2.71 粉末度3000cm2/g

高性能AE減水剤 1.07 マスターグレニウム SP8HU(ポゾリス)

AE減水剤 1.25 ポゾリスNo.70(ポゾリス)

静的破砕剤 クイカッターE(太平洋マテリアル)

膨張骨材 2.0 SHCC

増粘剤 2.5 MC(メチルセルロース)

繊維 0.97 PE繊維(高強度12μm×12mm)

引張強度2.6GPa、弾性係数88GPa

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材料はオムニミキサーにて練り混ぜを行い,繊維を均一に練り混ぜ後,写真-6.2に示すような型枠 に打設を行った.この型枠は,農業用プラグの上部を電熱線により切断し,下部(平らな面)を養生 テープによって固定を行ったものである.打設の様子と成型後の模擬骨材をそれぞれ写真-6.3,写真 -6.4に示す.

写真-6.1 ふるい分け前後の静的破砕剤

写真-6.2 模擬骨材型枠

写真-6.3 模擬骨材打設様子 写真-6.4 模擬骨材一例

96 6.2.3 ブロック供試体概要

表-6.3に配合を示すようなコンクリートで,ブロック供試体を作製した.配合では粗骨材を模擬骨

材で30%置換している.これは,既往の研究1)により,目視で見た場合,ASRのひび割れを最も再現

していた配合である.比較用に,表-4.1中に示した,北海道産反応性骨材を使用したASRコンクリ ートも用いて,同様にブロック供試体を作製した.圧縮試験コア用ブロック供試体(150×200×

400mm)を2体,断面確認用ブロック供試体(150×200×250mm)を2体作製した.膨張によるひ び割れ発生のために,ブロック供試体からのコア供試体採取が困難になることも考慮し,円柱供試体

(Φ100×200mm)も3体作製した.また,膨張量を測定するための膨張量確認用ブロック供試体(150

×200×400mm)を2体作製した.コンタクトゲージ用プラグ位置は,図-6.1に示す通りである.

1 週間の湿布養生後,室温 20℃,湿度 60%の恒温室にて気中養生を行い,ひび割れの進展状況と 膨張量測定を行った.最大ひび割れ幅が1mm前後に達した時点で樹脂注入を行った.

表-6.3 模擬 ASR 配合

W/C

(%)

単位量(kg/m3

水 早強

セメント 細骨材

粗骨材

模擬骨材 AE減水剤 大 小

55 165 300 809 0 697 229 0.94

図-6.1 ブロック供試体概略図

6.2.4 樹脂注入

ひび割れ部への樹脂注入には内圧充填接合補強工法2)(IPHシステム)を用いた.この工法は,注 入器具が空気抜き機能を備えていること,コンクリート内部まで削孔すること,低圧で樹脂を注入す ることに特徴がある.樹脂注入に用いる器具を写真-6.5 に示す.ひび割れ位置から注入位置を決め,

注入位置にドリルで削孔(孔径7mm,深さ70mm程度)した.削孔位置に台座をシール材で取り付 け,台座の口を塞がないように供試体全体を速硬性のモルタルで被服を行った.

ASR,模擬 ASRの圧縮試験用ブロック供試体はともに,200×400mmの面に片側6カ所、計12

50 100 50 150

100 150

( mm ) 400

200 150

( mm )

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カ所から,樹脂が注入できなくなるまで注入を行った.ドリル,削孔の例,台座,をそれぞれ写真-6.6

~写真-6.8に示す.モルタルが硬化した後に,注入器具を台座に取り付け,流動性の高いエポキシ樹 脂を低圧(注入圧0.06N/mm2程度)で加圧注入し,3日間静置した後に注入器具を取り外した.今回 注入に用いたエポキシ樹脂の物性を表-6.4に,樹脂注入状況を写真-6.9に示す.

写真-6.5 樹脂注入器具

写真-6.6 削孔器具 写真-6.7 削孔の例

写真-6.8 台座取り付けの例 写真-6.9 樹脂注入状況

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