第 3 節 県民の会の組織化の特徴 1 .地域オンブズマンの組織化
2. 会員ア ンケー ト調査 よ り
県民の会 は
9 9
年3
月 に会員 に対す るア ンケー ト調査 を行 った。以下資料Ⅲ‑7
で示 され るが,運 動 の関わ り方 と しては 「積極的」 は少数で あ り,圧倒 的 なのが 「出来 る範 囲で」
「会費 の カ ンパ程 度」
「代表 に任せ てい る」 とい う消極的 な参加 であ った。 (図Ⅲ‑2)
県 内に在籍 してい る会員 の 内,集 まれ る人 が中心 にな っての活動 は, 少人数 で もやれ るわ けであ り,運 動上 の方針 が しっ か りして いれ ば大 きな成果 を上 げ ること も可能 であ った。 しか し, それ は成果 が大 きけれ ば大 きい ほ ど, 「オ ンブズ マ ンお任 せ 民主主義 」 になる可能性 が高 い もので あ る。 県民の会 が活動 を始 めてか ら,数多 くの 「内部 告発」や 「依 頼」が電話 や手 紙 で寄せ られた。それ らの多 くが,
「追求 して欲 しい」 とい う内容 であ り,一緒 に検討 をす る こと が出来 たの は少数 であ った。 中 には行政 とい うよ りも, 自分 の 所属す る団体 (農協 や 中小企業 団体 な ど) で の情報 公開 を進 め て欲 しい とい った ような もの も い くつ か見 られ た。 県民の会 は それ らの要望 に対 して,相談 に 乗 った りア ドバ イス した りとい う協 力 は惜 しみ ないが,実 際 の 運動 を担 う請 負団体 で は ない。
それ らの事柄 は, 当事者 と 「一 緒 に」運動 す る事 で あ って, そ のため には当事者本人の 「決意」
図
Ⅲ‑3
今後の重点 目標 ( 単位一人)
l■条例改正 nIu]教育活動 日 議会 民主化 国 オ ンブ組稜 化 E】不正追及 田 行政法律
[ コその他
ー 7 6‑
や努力 を必要 とす るのであったoそ うではな くて,「何 とかや って もらえる団体
」
というイメージ がで きあがると, 「お任せ民主主義」
を脱却す ることにはならないのである。情報公開運動 とオ ン ブズマン運動 を分けることによって,地域での運動 を 目的に していたのだが,組織的には難 しい課 題で もあった。会の活動 の方針 と して組織化 に関 しては, 「オ ンブズマンになるべ き」
とい う意見 は少数で,各地での運動 は各地域でオ ンブズマンを作 って活動するという 「そのままでよい」 とい う意見が多数 を占めている。重点 目標 も 「条例改正」
や 「不正追及」
が多 く, 「オ ンブズマン組織 化」
や 「教育活動」
は比重 を下げている。 (図Ⅲ‑3)
青森県におけるこの種の運動の課題 は,実は核燃反対運動 にも言えることであった。「危険
」
「環 境破壊」
という誰 にで もわか りやすい反対運動か ら 「住民 自治」 という地域での課題 と して展開 し てい く上で,それ らの結びつきや展望 を指 し示 してい く上では一段 と高い学習内容が要求 され るの であ って.それが住民の中に正確 に認識 されない間は, 「専門家」
が リー ドす る必要があ ったから である。 「文化人 ・科学者の会」
や 「母親の会」
とい った ような階層 ごとの組織ではな く, 「核燃 サイクル阻止 1万人訴訟団」
や 「青森県の将来 を憂える会」など一般を対象 と した運動組織は,そ れぞれの 「専門家」 (弁護士や研究者 など)が活躍 してい るが,その分だけ担い手が偏 る傾向があ る。従来の 「社会的権力 (政治家,有力者 など) 一大衆」
という関係 ‑中間団体か らの個人の解放 という課題 を解決するための運動にまで成長 していない ことの証であろう。県民の会やオ ンブズマ ンは自主的な参加 による運動団体であって,教育集団ではない。得意分野 における 「専門家」が加わ って,民主的な討議の内に方針 を決定 し実行 してい った団体である。行 政の対応 に対 しては 「スピー ド」が要求 され,小回 りの利 く集団が 目指 されたOその意味では,従 来の住民運動団体 とは違 った 「新 しい」側面 を持 ち,新 しい運動参加者 を獲得 して きた。 (組合の 活動家 よりも普通の市民,企業経営者,保守的 といわれていた地域の有力者 などの参加が 目立 って い る。) しか し, こと住民 自治や住民 自治 に対す る力量 を養 う上では,「学習
」
が一層求め られて いると言えよう。 事態の性急 さに比べて,会員相互の教育 ‑学習は団体 としては中心的な課題 にな らず,参加者 もそれを容認 (お任せ型)す る事 によって,住民 自治運動 と しての脱皮がなかなか図 られ ないというのが実状であろう。その意味では,核燃反対運動の中か ら必然的に展開されてきた地域づ くり研究会の位置は大 きい と思える。地域づ くりセ ミナーや共同の集い,そ して地域 自治体政策セ ミナーから青森県地域 自治 体問題研究所への歩みは,着実に地域 自治体問題の学習運動 として発展 しているからである。運動 と学習が一体になることによって,そ して,学習活動 に様 々な立場の人 々が参加す ることによって, お任せ民主主義の課題は前進 してい くと考えるか らである。 (資料
Ⅲ‑8,Ⅲ‑9
参照)資料
Ⅲ‑7
県民の会会員アンケー ト( 9 9 . 3 )
郵送法による調査 回収率3 5 . 9 %
◆①性別 男
7 1
女1 4
◆②職業
会社員 3 教員 7 公務員 3 無職 21 団体職員 2 農業 7 主 婦 6 医師 3 会社役員 8 弁護士 1 自営業 8 その他 9
③年齢
2 0
代1 3 0
代1 4 0
代1 4 5 0
代2 2 6 0
代2 5 7 0
代 以上2 4
④加入団体 ① 情報公開を求める青森県民の会
41
② 青森市民オンブズマン 32
③ 弘前市民オンブズパーソン
1 6
‑ 77 ‑
⑤◆上記の団体 に加入 した理 由は何ですか (当てはまるもの全てに○ をつけて下 さい) (丑 役所の不正追及 50 ② 県民の会の支援 33
③ オンブズマン活動に興味があった 36
④ 自分のや っている活動に役に立つと思 った
1 7
⑤ 住民自治活動 を進めるため 33 ⑥ 知 りたい情報 を得 るため
1 9
⑦ 役所のあ り方に不満を持 っていたから
4 0
⑧ 議会のあ り方 に不満を持 っていたから33
⑨ 加入 しているという自覚はない
4
⑬ その他 (具体的に)9
⑥◆上記団体に対す るあなた 自身の関わ り方はどうなっていますか (丑 会議や行動 に参加 し積極的に関わっている8
(参 できる範囲で参加 している25
③ 会費のカンパをする程度でほとんど代表の人たちに任せている52
④ その他 2
⑦◆上記団体以外 に,あなたが参加 している市民運動はあ りますか。当てはまるもの全てに○ をつけて ください。
① 環境運動 22 ② 医療 ・福祉運動 16 ③ 教育運動 10
④ 消費者 (生協)運動 10 ⑤ 農業運動 8 ⑥ 中小業者運動 2
⑦ 労働運動 7 ⑧ 原子九 核燃運動 30 ⑨ 文化運動 15
⑩ 婦人運動
4
⑪ 平和運動2 2
⑫ コミュニティづ くり運動2
⑬ ほかには何 もや っていない 20 ⑭ その他 (具体的に) 9
⑧◆県民の会結成
( 9 5
年5
月)以前に,「オンブズマン運動」 ということをよくご存 じで したか。① よく知 っていた
4 7
② 聞いたことはあった2 9
③ よく知 らなかった 10 ④ 全 く知 らなかった 1
⑨◆県民の会は県民を代表 して県庁 と対応 し,情報公開を進める運動を中心に行 っています。そのため, 各地域でのオ ンブズマン運動は,各地にオ ンブズマン組織を作 って活動するという方向を目指 して います。 この組織化のあ り方についてどうお考えですか。
(丑 その方向でよいと思う 65
② 県民の会 自身がオンブズマン組織 になるべきだ
1 7
③ 各地のオンブズマン組織 と県民の会は無関係でよいと思う
3
④ その他 1
⑬◆ 「県民の会はもっと各地のオンブズマン組織を育てる努力を してほ しい」 という声があ りますが.
具体的にどういう活動をするべきだとお考えですか。
マスコミ,実務指導,参加呼びかけ,各地の問題点を,特定の人以外にも公開範囲の拡大,各市町 村にオンブを,参加呼びかけ,全てを明かす
非会員にも公開,弁護士大学教員へ働 きかけ,話 し合いを重ねる
プライバシー保護の指導,専門分野別グループ分け組織役割の明確化と作業分担.できることか ら こつこつと学習活動の組織化,運営方法知識の伝授,各市に支部を政治に中立に,一般市民にも広 が りを,学習会
⑪◆県民の会は当面何を重点 目標 とすべきだと思いますか。1つ選んで下さい。
① 情報公開条例の改正運動
3 2
② 市民の教育活動 10‑ 78 ‑
③ 議会民主化の運動 15
⑤ 不正追及の運動 31
④ オンブズマン組織化の運動
2 4
⑥ 行政 ・法律相談の運動
1 0
⑦ その他 (具体的に)
5
⑫◆ あなたが今一番や ってみたい活動 は何ですか。 (ア レコ問題の追求 とか,新幹線陳情費の追求 など 具体的にお書 き下 さい。)
(D 不正支出
3
(参 議員7
③ 天下 り2
⑤ 環境
4
⑥ 入札2
(丑 ア レコ1 7
1
育教
6
校察学警
④⑧
⑨ 新幹線 8 ⑬ 3セク 9 ⑪ その他
2 2
⑬◆県民の会の活動に関 して要望があ りま した らお書 き下 さい
大学 と市民との関係の位置づけ,むつ小川原開発,幅広 く県民参加 会合へのノータイ参加,広 く宣伝 を,会合数増加.
NPO
の申請 核燃事業について,Efl体 と交流 して各問題 を把握,県の諸施策についてマスコミに
PR,
組織率 を上げる働 き,全人間を尊重 した良識ある行動 と情報 を議会の全面公開.オ ンブの各地組織化 と県政の情報開示
金権政治の打破.世襲政治家の制限,会の活動 自体の内容開示 医療関係
子どもにも考えさせ る,住民投票条例制定 し,真の民主主義 を公務員の不正について,意見交換で きる場 を.様 々な情報が欲 しい
下部組織の整備.呼びかけて,尾上町情報公開条例取 り組みへの援助 活動 に広が りを,議員 ・公務員の大幅削減,公共工事の問題
一般市民 (金融機関等)のあ り方 にも.オ ンブの活動 についてのア ドバイスを若い層 に運動 を広げ る.県の税金の使途
資料Ⅲ‑8 青森県地域 自治体問題研究所結成までの歩み
●地域づ くりセ ミナー
研究会
( 8 8 .1 2 .2 6 /2 7 )
地域づ くり研究会,第1
回1 泊2
日集会 (浅虫堤泉) 第1
回 目( 8 9 ,1 .2 8 )
第2回 目
( 8 9 .2 .1 8 )
第3
回 目( 8 9 .3 .1 8 )
第4回 目( 8 9 . 4 .2 2 )
第5回 目( 8 9 . 5 .2 7 )
第6
回 目( 8 9 .
6.2 4 )
第
7
回 目( 8 9 .8 .2 7 )
第8回 目
( 8 9 .
ll.25) 特別例会( 8 9 .1 2 .1 6 )
畑中浩美 「青森県の労働行政」
八童樫盟 「核燃問題 と六ケ戸元斤村の民主的開発を考える」
仁平将
「
『昔森県保健医療計画』の問題点 と課題」上野景三 「臨教審 (生涯学習体系) と青森倶社会敷育行政」
福士吉之助 「青森県における労働者協 同組合 (‑事業団)運動の現状 と課題」
山内修 「青森県の福祉行政 について」
末永洋一 「核燃建設をめ ぐる経適 と現罪皆」
神田健策 「核燃 をめ ぐる県内情勢について」
平野良一
「
『核燃 をとめよう浪岡会』の実践か ら」松原邦 明 「青森県の リゾー ト開発を考える」
研究会協賛 「核燃阻止の展望 を語る会」宮城 ・倉坪 ・神田 研究会
( 9 0 .
1.2 7 /2 8 )
地域づ くり研究会 第2
回1
泊2
日集会 (浅虫堤泉) 第9回 目( 9 0 .
4.2
1) 新山民雄「 1 9 9 0
年代 と生活協 同組合の社会的役割」第
1 0
回 目( 9 0 .9 .1 )
千田忠 「地域づ くりと教育 ・文化運動全国交流集会か ら学ぶ」神田健策 「第