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第4章 日本

第2節 仮説に対する結論

〈保守主義レジーム〉における想定家族モデルが、分業型から転換するための条件

〈保守主義レジーム〉における分業型想定家族モデルの転換には、〈生産領域の活性化〉を目指す使用者 団体の同意が重要となることが明らかになった。

1980年代、社会経済的変化や男女平等圧力に対応する形で分業型想定家族モデルからの転換アイデアが 示されたものの、ドイツでは社会民主主義勢力、日本では大企業労使からの反対により、分業体制の相対 化は行われなかった。むしろ反対派アクターの利益を反映して、分業の維持を前提に、それを金銭的に支

70 える〈ケア提供者等価モデル〉の方向性が強化された。

しかし2000年代、日独ともに使用者団体が労働力確保の観点から、〈普遍的稼ぎ手モデル〉への転換を 容認し、使用者側の見解を政権が尊重する形での再編が進んだ。ただし、〈普遍的ケア提供者モデル〉への 転換は、使用者団体が経済的な悪影響を懸念して否定的な姿勢を示し、両国とも実質的な転換は起こらな かった。

〈保守主義レジーム〉における〈普遍的ケア提供者モデル〉転換の条件

〈普遍的ケア提供者モデル〉への転換に重要な①正規雇用の労働時間の短縮と弾力化、②男性の育休取 得に対する十分なインセンティブの付与には、ともに労使の協調が重要になることが明らかになった。

両国とも2000年代以降、目標設定局面においては①〈雇用制度〉②〈両立支援制度〉とも、男性の家事・

育児参加に親和的なアイデアが出されていた。しかし支持調達局面において、日独の労使の支持・協調に 差が見られた。ドイツでは、職域別労使協約の場で、労働時間口座制の導入が進んだ。また、男性の家事・

育児参加と一時的な職場離脱を認める「時間政策」のアイデアに対し、使用者団体が肯定的な姿勢を見せ た。一方の日本では、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指して提案されたホワイトカラー・エグゼン プション導入や労働時間の短縮について労使の合意に至らず、労働時間の短縮、弾力化ともに実現が停滞 した。また、男性の育休取得に対するインセンティブの付与に対しては、労働者代表が単独での取得期間 延長を求めた一方、使用者団体が人手不足への警戒感から男性の取得促進に否定的で、結果的に男性の取 得に十分なインセンティブを与えられない制度設計となった。

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