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代表的なオペレーティングシステムの発展

ドキュメント内 新潟大学学術リポジトリ (ページ 37-41)

• マルチメディア化 (音声,静止画, 動画, ...)

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OSも大規模なネットワークを想定したものにする必要がある。例えば、

• セキュリティ対策が必要。

4.7 代表的なオペレーティングシステムの発展

{吉沢1.4.7節} (1) OS/360とその発展:

•1964年 IBM System/360 · · · OS/360

(a) 多重プログラミング (b) 統一したファイル管理

SAM (Sequential Access Method) DAM (Direct Access Method)

•1970年 IBM System/370 · · · OS/VS1, OS/VS2-Rel.1 (c) 仮想記憶

(d) 大規模なOLTP (On-Line Transaction Processing) (e) VTAM (Virtual Telecommunication Access method)

•1974年 · · · MVS (OS/VS/2 Rel.2.1) (f) TSSの標準装備

(g) 多重仮想記憶(各ジョブに独立な16MBの仮想記憶 空間)

(h) 2種類の多重プロセッサをサポート

TCMP (Tightly Coupled Multi-Processor) LCMP (Loosely Coupled Multi-Processor)

•198?年 · · · MVS/ES

(i) 多重仮想記憶空間の拡張 31ビットのアドレス空間

=⇒ 各ユーザの仮想記憶空間が2GBに拡張

(j) 拡張サブチャネルにより入出力スループットの大 幅な改善を図る。

(2) UNIXの発展: · · · MIT, GE, ベル研が共同で開発を進めたMulticsがあまりにも 大規模な汎用TSSになった反省から生まれた、柔軟性が高くて使い勝手の良いTSS用の (小型)OS。

•1969年 UNIXの開発に着手 (AT&T ベル研 K.L.Thompson & D.M.Ritchie) 設計目標:

(a) TSSを前提にした対話型システム

(b) 木構造のファイルシステム (c) 柔軟なコマンドインタープリタ

(d) プログラマ向きの機能豊富なテキスト編集

(e) C言語によるシステム記述

=⇒ どんなコンピュータにも移植可能

(f) C言語ソースコードの公開

=⇒ 大学・研究者などにより様々な拡張が為された

•1969年 初版をミニコン PDP-7上に開発

•1971年 ミニコン PDP-11に移植(Ver.2)

•1972年 C言語とそのコンパイラを開発

•1973年 C言語を用いてUNIXのソースを全面的に書き換え(Ver.5)

=⇒ どんなコンピュータにも移植が簡単に行えるようになった

•1974年 UNIXを発表

•1975年 (Ver.6の)ソースコードが外部の大学や研究所にも配布されるようになった。

=⇒ 大学・研究者などにより様々な拡張が為された。

•1977年 BSD (California大学Berkley校; K.L.Thompsonの指導, Bill Joy)

•1980年 4.1BSD がスーパーミニコンVAX用に開発される。

•1982年 ワークステーションSun /4.2BSD (Sun Microsystems社)

•1983年 4.2BSD

UNIX Ver.6からの拡張点:

(a) 仮想記憶 (b) Cシェル

(c) viエディタ (d) メールシステム

(e) TCP/IPネットワーク,ソケット(トランスポート層のサービスを

利用してアプリケーションを書こうとする時のインターフェース)

•1983年 UNIX System V (AT&T)

•1985年 NFS(Network File System) (Sun Microsystems社)

•1986年 X-Windowシステム (MIT)

•1980年代 高性能RISCプロセッサをベースにしたUNIXワークステーション

分散環境下での利用













WS群の統括管理 プリンタサーバ ファイルサーバ

電子メールのサービス

(後にWWWサーバ)

•1989年8月 WWWのプロジェクト(スイス欧州素粒子物理研究所Tim.Berners-Lee)

•1991年8月 無償提供のMINIXクローン(Linus Torvalds フィンランド)

•1992年1月 Linux 0.12 (これ以降様々な人達が開発に参加)

•1993年12月 FreeBSD 1.0

•1994年 WWWブラウザMosaic

4.7. 代表的なオペレーティングシステムの発展 33

(イリノイ大NCSA, National Center for Supercomputing Applications) (3) パソコン用OSの発展:

•1977年 Apple II (Apple社 Steve Jobs; BASIC)

•1979年 表計算ソフトVisicalc (Apple II用)

•1979年 8ビットパソコンPC-8001 (日本電気)

•1981年 MS-DOS (Microsoft社)

•1981年 IBM PC / MS-DOS

•1982年 16ビットパソコンPC-9800 (日本電気)

•1983年 表計算ソフト Lotus 1-2-3

•1984年 Macintosh (Apple社)

GUIによって使い易さを追求

ディスプレイ画面をデスクトップ(机の上の仕事場)と見なす レーザプリンタと組み合わせてDeskTopPublishing

•1992年 Windows 3.1 (Microsoft社)

•1994年 WWWブラウザ Mosaic

•1995年 Windows95 (Microsoft社)

•1998年 Windows98 (Microsoft社)

演習問題

□演習 4.1 分散処理の利点を述べよ。

<第3〜7回> 概説部(基礎編)

5 割込み

割込みと例外(吉沢2.1.1節,谷口2.2節),

割込みの種別(吉沢2.1.2節),

割込み処理呼び出しの機構(吉沢2.1.3節,谷口 2.2.1節),

割込み処理の中身(吉沢2.1.2節,谷口2.2.2〜3 節),

多重プログラミングを容易にする割込み機構(吉 2.1.4節),

OSの機能呼び出し(吉沢2.1.5節)

5.1 割込みとは何か ? — 割込みと例外 —

{吉沢2.1.1節, 谷口2.2節} 通常は、一般プロセス群とOSが代わる代わるCPUを使っている。しかし、計算機を 稼働している際には、ハードウェアの誤動作, 電源異常,ユーザプログラムのエラー,並行 して独立に動作させている入出力機器からのメッセージ到着、といった事象(event)が起 こり得る。 これらの事象は緊急の処置を要するものが多いので、通常はこれらの事象に 対して、CPUの使用主体をOS(の然るべきルーチン)に切替えて、OSが

(1) 計算機がその時点で実行している処理を一旦中断(interrupt)し、

(2) 起こった事象に対する処置を完了した上で、

(3) 元々実行していた処理を再開する、

といったことを行う。 これらの切替え機能を一般に割込み(interrupt)と言う。また、割込 みを引き起こす原因を割込み要因(causes of interrupts)、個々の割込み要因に対して行わ れる処置を割込み処理(interrupt handling)と言う。従って、割込みは プロセス等→OS(割 込み処理ルーチン) への切替えの1つの手段を与えていることになる。

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% 補足:

吉沢(2000)や岩波情報科学辞典では0による除算なども割込み事象の一種(内

部割込み)と見ているが、谷口(2000)は対処の仕方/目的の違いを理由に割込み と区別し、0による除算を始めとしたソフトウェア異常に対処する機能を例外 (exception)と呼んでいる。

同様の見方の違いは実際のコンピュータシステムにおいても見受けられる。

割込みが必要な理由: 計算機の生産性の低下を防ぎ、またシステムを安全に保つため に、いつ起こるか分からない割込み要因に対して即座にCPUの使用主体をOS(の然るべ きルーチン)に切替えて、OSが緊急の処置を施す必要があるから。

割込みレベル: 割込み処理中に別の割込みが発生する可能性もある。 そのため、各々の 割込みには割込みレベルが設定され、割込み処理の間の実行の優先度が決められている。

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