• 検索結果がありません。

12 参考文献

1.2 代替法を用いる EFD 試験戦略の例

この項では、EFD に対する有害作用の評価のために代替法を組み入れた総合的試験戦略の例を 示す。

1.2.1 総合的試験戦略の一環としてin vivo試験を延期することが可能なアプローチ

本ガイドラインの4.2.3項を参照。

1.2.2 胚・胎児に対して毒性物質であると考えられる医薬品

作用機序、薬理学的クラス又は標的分子の生物学的側面から胚・胎児発生に有害作用を及ぼす と考えられる医薬品の場合は、適格性を確認した代替法によりその作用を確認することが適切 な場合がある(附属書2の図1を参照)。

適格性を確認した代替法により、臨床曝露量に相当する曝露量での MEFL が明確に予測される のであれば、その化合物を EFD リスクがあるものと判断する上で十分であり、通常、追加の試 験は不要である。代替法によってMEFLが予測されない場合は、2種の動物種を用いたin vivoで の EFD 本試験で確認すべきである。附属書2の図1に示すような流れで試験を実施すると、最初

in vivo試験で陽性であれば、2つ目のin vivo試験は不要となることから、使用動物数を削減す

ることができる。このシナリオでは、その医薬品は胚・胎児発生に有害作用を及ぼすと考えら れるため、代替法での陽性反応を否定するためにin vivo EFD試験を用いる利点はない。

図1:EFD毒性物質であると考えられる医薬品に対する代替法の使用

① 不確かなMEFLの兆候が臨床曝露量に相当する曝露量で認められた場合には、追加の評 価は不要である。

② pEFD 試験も利用可能であるが、陰性結果を確認する上では適切な動物種を用いた本試 験でなければならない。

③ このような流れでin vivo EFD試験を実施すると、最初のin vivo試験で陽性であれば2つ

目のin vivo試験は不要となることから、使用動物数を削減することができる。

1.2.3 身体機能を著しく損なう又は生命を脅かす疾患の治療を目的とした医薬品

身体機能を著しく損なう又は生命を脅かす疾患の治療を目的とした医薬品では、(重篤度の低 い慢性疾患を対象としたものと比較して)妊娠の可能性が低く、そのリスク/ベネフィットを 考慮すると、適格性が確認された代替法を使用することは、EFD リスク評価の一環として適切 と考えられる(附属書2の図2参照)。

適格性が確認された代替法を用いて、第一の動物種(例えばラット)において臨床曝露量に相 当する曝露量で が明確に予測される場合は、ケースバイケースで、EFD リスクが十分に

られる場合は、ヒトでのリスク評価の補助として、1種又は2種の動物種を用いた in vivo 本試験 を実施すべきである。2つのin vivo本試験において、適切な曝露マージン下でEFDのシグナルが 認められない場合、代替法の結果については、ヒトのリスクに対する懸念が極めて小さいと考 えることができる。しかしながら、(動物の MEFL のみを予測するのではなく)ヒトの MEFL を予測するものとして適格性が確認された代替法の場合は、代替法の結果が偽陽性であるとい う結論の裏付けとして、追加のデータ(メカニズムや遺伝学的データなど)を提示すべきであ る。in vivo試験のいずれか又は両方がEFD毒性について陽性の場合、当該化合物はEFDリスク 陽性であると考えられる。附属書2の図2に示すような流れで試験を実施すると、最初の in vivo 試験で陽性であれば2つ目の試験は不要となることから、使用動物数を削減することができる。

代替法の結果により最初の動物種で陰性結果(MEFLなし)が予測される場合は、第二の動物種

in vivo EFD 本試験を実施して当該評価を確認すべきである。その結果が陽性の場合、その化

合物はEFDリスク陽性と考えられる。その結果が陰性の場合、その化合物はEFDリスク陰性と 考えられ、追加の試験によってリスク評価が大きく変化すると判断されない限り、通常、追加 の試験は必要とされない。

1.2.4 高齢期発症疾患の治療を目的とした医薬品

一部の疾患は、一般に高齢でのみ診断(水疱性類天疱瘡などは、一般に60歳を超える年齢から 診断)されるが、発生率は低いながらも生殖能力のある女性で診断されることがある。このよ うな高齢期発症疾患を有する女性集団では一般に受胎率が低いことを考えると、当該集団のみ を対象として用いられる医薬品により、先天異常の発生率が上昇する可能性は低い。このシナ リオにおいて、EFD 評価が必要かどうかは、ケースバイケースで判断すべきである。このシナ リオは、EFD 評価が一般に不要とされるような、治療対象集団に受胎能がないと推定される状 況(閉経後骨粗鬆症など)を意図したものではない。

このシナリオでの試験戦略は、身体機能を著しく損なう又は生命を脅かす疾患で記述した試験 戦略と同様であるが、第二の動物種での最初のin vivo評価をpEFD試験として実施できる点が異 なる。

図2:身体機能を著しく損なう又は生命を脅かす疾患あるいは高齢期発症疾患の場合の代替法の 使用

① 臨床曝露量に相当する曝露量でMEFLが明確に予測される場合は、ケースバイケースで、

EFDリスクがあるものと判断する上で十分であり、追加の評価は不要である。

② pEFD試験も利用可能であるが、代替法の結果が偽陽性であることを確定させるには、2 種の動物種でin vivo EFD本試験を実施し、その両方で陰性結果を得る必要がある。

③ 高齢期発症疾患の場合、この患者集団では一般に妊娠の可能性が低いことを考えると、

第二の動物種でpEFD試験を実施することで十分である。

④ このような流れでin vivo EFD試験を実施すると、最初のin vivo試験で陽性であれば2つ 目の試験は不要となることから、使用動物数を削減することができる。

⑤ 代替法で結果を予測する同じ動物種を用いる。

関連したドキュメント