となり,中立線は各断面の幾何学的な重心を通る中心線となる。
xにおける断面に働く中立線のまわり曲げのモーメントをM,2次の慣性モーメントをIとすると
M =
∫ η2
η1
2g(η)Eη/R×ηdη =2E
R
∫ η2
η1
g(η)η2dη= EI
R (7.6)
I = 2
∫ η2 η1
g(η)η2dη (7.7)
したがって,式(7.2)を適用すると
EId2y
dx2 =M, (0< x < l) (7.8)
が成立する。 つぎに,xでの力ののモーメントM(x)はxより先にかかる荷重のモーメントの和より
M(x) =
∫ l x
(ξ−x)f(ξ)dξ (7.9)
したがって
d2M(x)
dx2 =f(x), (0< x < l) (7.10)
が成り立つ。よって,たわみの方程式は EId4y
dx4 =f(x), (0< x < l) (7.11)
となる。 解はたわみ曲線または弾性曲線と呼ばれる。
境界条件には,梁の支え方によって次の種類が考えられる。
1.固定端:y=y′ = 0 2.半固定端:y=y′′= 0 3.自由端:y′′=y′′′= 0
以下ではこれらを含むいくつかの例を検討する。
7.2 梁のたわみの例
1 両端固定の例
両端(x= 0, x=l)で固定されている梁が,単位長さあたりW0の一様な荷重を受けているとする。
d4y dx4 =W0
EI, (0< x < l) (7.12)
境界条件: y(0) = 0, y′(0) = 0, y(l) = 0, y′(l) = 0. (7.13)
Y(s) =L[y(x)]として,方程式の両辺のラプラス変換をとると,
s4Y −s3y(0)−s2y′(0)−sy′′(0)−y′′′(0) = W0
EIs
y′′(0) =c2, y′′′(0) =c3とおくき,境界条件y(0) = 0, y′(0) = 0を適用すると
Y = c2
s3+c3
s4 + W0
EIs5, よって y(x) =c2
2x2+c3
6x3+ W0
24EIx4 境界条件y(l) = 0, y′(l) = 0よりc2= W0l2
12EI, c3=−W0 2EI よって求めるたわみは
y(x) = W0
24EIx2(l−x)2 (7.14)
2 両端半固定の例
両端(x= 0, x=l)で半固定されている梁が,単位長さあたりW0の一様な荷重を受けているとす
る。方程式は前題と同じ
d4y dx4 =W0
EI, (0< x < l) (7.15)
境界条件: y(0) = 0, y′′(0) = 0, y(l) = 0, y′′(l) = 0. (7.16) となる。Y(s) =L[y(x)]として,方程式の両辺のラプラス変換をとるり,y′(0) =c1, y′′′(0) =c3と おくき,境界条件y(0) = 0, y′′(0) = 0を適用すると
Y = c1
s2+c3
s4 + W0
EIs5, よって y(x) =c1x+c3
6x3+ W0
24EIx4 境界条件y(l) = 0, y′′(l) = 0よりc1= W0l3
24EI, c3=−W0l 2EI よって求めるたわみは
y(x) = W0
24EI(l3x−2lx3+x4) = W0
24EIx(l−x)(l2+lx−x2) (7.17)
また梁の中央に集中荷重W δ(x−l/2)がかかるときは,方程式が d4y
dx4 = W
EIδ(x−l/2), (0< x < l) (7.18) となり,解の像は
Y = c1
s2 +c3
s4 + W EI
e−ls/2
s4 , よって y(x) =c1x+c3
6 x3+ W
6EI(x−l/2)3U(x−l/2) 境界条件y(l) = 0, y′′(l) = 0よりc1= 3W l2
16EI, c3=−W l 2EI 従って
y(x) = W
48EI{3l2x−4x3+ 8(x−l/2)3U(x−l/2)} (7.19)
当然これはx=l/2に関して対称な関数になっている。
3 片持ち梁(片方固定,片方自由端)の例
一端x= 0では固定され,他端(x=l)では自由端とする。x=aで集中荷重W δ(x−a)がかかっ ているとする。方程式は
d4y
dx4 = W
EIδ(x−a), (0< x < l) (7.20) 境界条件: y(0) = 0, y′(0) = 0, y′′(l) = 0, y′′′(l) = 0 (7.21) となる。解の像は
Y = c2
s3 +c3
s4 + W EI
e−as s4 となる。よって
y(x) =c2x2+c3
6 x3+ W
6EI(x−a)3U(x−a) 境界条件y′′(l) = 0, y′′′(l) = 0より
c2= W a
EI , c3=−W EI
従って
y(x) = W
6EI{3lx2−x3+ (x−a)3U(x−a)} (7.22)
となる。梁の右端a=lの集中荷重の場合はa→lより y(x) = W
6EI(3lx2−x3) (7.23)
となる。
4 集中荷重での最大変形
前問の片持ち梁の自由端でのたわみ(最大変形)は式(7.23)でx=lより H= 1
3 W l3
EI となる。
両端半固定で中央で集中荷重W が作用しているときは,片持ち梁をy軸を反転し,つなぎ合わせ ると得られる。荷重を1/2,長さ2lを改めてlとすれば,中央でのたわみ(最大変形)は
H = 1 48
W l3 EI となる。
両端固定の場合は,同様に片持ち貼りを4つ結合すればよい。荷重を1/2,長さ4lを改めてlとす れば,中央でのたわみ(最大変形)は
H = 1 192
W l3 EI となる。
梁の断面形状は2次の慣性モーメントIに現れる。
縦a,横bの長方形のときは,式(7.7)より
I= a3b 12
となる。断面積が同じなら,縦が横幅に比べて大きいときほど慣性能率は大きくなる。極端にこの割 合を大きくすると,ねじれ変形に弱くなる。そのためH型などの工夫がされる。
半径aの丸棒のときは
I= πa4 4 となる。
変形を決めるもう一つの要素は梁の材料のヤング率である。因みに,鋼の場合E = 21.0×
1010N/m2である。