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第 1 章 本調査研究事業の成果

第 2 節 今後の課題

本調査研究事業では、「脳血管疾患と大腿骨頸部骨折の検討案の完成に向けた実践現場における活用 効果の検証」と、「新たな疾患群として心不全の検討案の作成」を行い、前述のとおり、検討案につい てはその内容の妥当性と、ケアマネジャーにとっての活用効果が検証された。また、心不全について も検討案の作成が完了した。

本調査研究事業で実施してきた取り組みの効果を普及していくためには、今後、引き続き以下のよ うな検討が必要である。

(長期的な効果を検証するための評価設計及びデータ蓄積のしくみづくり)

本年度の検証では、ケアマネジャーにとっての理解度・納得度を中心に、本項目を活用することに よるプロセスの視点での効果検証を行った。今後、アウトカムやインパクトの評価を行うため、必要 な評価項目の設計や、評価に必要なデータを蓄積するしくみづくりを検討する必要がある。

具体的には、本項目を適用することによって、その事例における利用者・家族のQOL、あるいは 健康状態、ADL/IADL等がどのように変化したか等を時系列で分析できるようなデータセット の整備に向けた検討が必要である。

(他の疾患群等に着目した項目一覧の充実)

本年度までの検討において、3つの疾患群に着目した項目案の作成、及び検証を進めてきた。この ような手法によって項目一覧を作成していくことの妥当性・有効性が確認されたことから、今後、引 き続き他の疾患群等に着目した項目一覧の充実を進めていく必要がある。

また、要介護高齢者の多くは、単一の疾患のみではなく、複数の疾患を有している。したがって、

項目一覧の種類が増えるに伴い、複数の項目を重ね合わせて活用する場面が増える。こうした場合に、

確認すべき項目の総数が多くなることから、それら重複の整理や、あるいは項目によってはどちらの 項目を優先するかの判断が求められるため、複数の項目一覧を併せて活用する場合の実務的な課題や 工夫についても併せて検討・検証する必要がある。

(普及に向けたわかりやすいツールや展開方法の検討)

現在の案は項目が体系的に整理されており、専門的見地からはこのくらいの項目数が必要というこ とが検証を通じて確認されたが、今後、さらに多くのケアマネジャーが活用できるよう普及していく ためには、普及に向けたわかりやすいツールやその展開方法を検討する必要がある。

具体的には、支援の可能性が考えられる項目だけをわかりやすく一覧化し、ポイントを説明した簡 易テキストやアセスメントの結果を入力することでチェックすべき点をハイライトする簡易なアプリ ケーションのようなツールが考えられる。また、展開方法としては、法定研修の中で本項目を副教材 として活用したり、事業所内あるいは地域における事例検討等の法定外研修で取り上げたりすること が考えられる。

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巻末資料・別冊資料

本事業の成果物及び検討経過に使用した資料・文献等は以下のとおりである。

 巻末資料1 検討案

 巻末資料2 項目一覧

 巻末資料3 ケアマネジメントの標準化に関する概念図

 巻末資料4 実証データ分析結果

 巻末資料5 文献リスト

 別冊資料1 検討案・項目一覧 修正版(脳血管疾患・大腿骨頸部骨)

巻末資料1 検討案

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ケアマネジメントにおける

アセスメント/モニタリング標準化

「心不全」がある方のケア

【検討案】

平成 30 年 3 月 31 日 株式会社 日本総合研究所

平成29年度厚生労働省老人保健健康増進事業

「適切なケアマネジメント手法の策定に向けた調査研究」(実施主体:株式会社 日本総合研究所)

※本資料の内容は継続検討中であり、完成版ではありません。

ii

※本書は継続検討中であり、完成物ではありません。

第 1 章 本検討案作成の目的と活用方法 ... 1

1. 本検討案作成の目的と適用範囲 ... 1 (1)背景 ... 1 (2)目的 ... 1 (3)標準化の考え方 ... 1 (4)適用範囲 ... 2 2. 本検討案及び添付様式の活用方法と留意点 ... 2 (1)活用方法 ... 2

(介護支援専門員による活用) ... 2

(指導担当者による活用) ... 3

(地域包括支援センターにおける活用) ... 3

(保険者(自治体)における活用) ... 3 (2)留意点 ... 3

(本人の生活を総合的に捉え、個別化することが必要)... 3

(多職種間で情報共有し、各職種の意見を把握する) ... 4

(入退院・入退所を経ても切れ目のないケアを実現する) ... 4 3. 疾患別ケアマネジメントの構成に関する説明と活用方法 ... 5

第 2 章 基本ケア ... 6

1.病状・病態予測と予防の重要性 ... 6 1-1食事と栄養 ... 6 1-1-1健康を維持するための栄養の確保と指導 ... 6 1-1-2食事の状態の確認 ... 8 1-2嚥下 ... 9 1-2-1食事するための環境の確保 ... 9 1-2-2食形態の工夫 ... 10 1-2-3生活リズムを整える ... 12 1-3口腔ケア ... 13 1-3-1口腔内の異常の早期発見と歯科受診機会の確保 ... 13 1-3-2口腔ケアの援助 ... 14 1-3-3口腔乾燥の防止 ... 14 1-4服薬管理の支援 ... 15 1-4-1服薬支援... 15 2.家庭や地域での役割を見出す ... 17 2-1身体機能の維持・向上 ... 17 2-1-1自宅での活動の確保... 17 2-1-2外出の機会の確保 ... 18

iii

2-2排泄 ... 20 2-2-1排泄に関わる本人の状態を確認する ... 20 2-2-2排泄環境を確保する ... 22 2-3コミュニケーション ... 24 2-3-1コミュニケーションを難しくしている要因の特定 ... 24 2-3-2コミュニケーション方法の再構築 ... 25 3.生活の場における安全管理 ... 27 3-1身体機能の低下を防ぐ ... 27 3-1-1転倒・骨折予防 ... 27 3-1-2廃用予防... 27 3-2嚥下 ... 29 3-2-1食事するための環境の確保 ... 29 3-2-1食形態の工夫 ... 30 3-3口腔ケア ... 32 3-3-1口腔内の異常の早期発見と歯科受診機会の確保 ... 32 3-3-2口腔ケアの援助 ... 33 3-3-3口腔乾燥の防止 ... 33 3-4感染予防 ... 34 3-4-1清潔ケア ... 34 3-4-2感染症の予防 ... 36 3-4-3感染症の早期発見と治療 ... 38 4.家族支援 ... 40 4-1家族の受容に対する支援 ... 40 4-1-1家族の知識、技術の習得の支援 ... 40 4-1-2家族の生活ペースの再設計 ... 41 4-1-3精神的サポート ... 42 4-2摂食動作・認知障害 ... 44 4-2-1理解 ... 44 4-2-2支援 ... 44 4-3排泄 ... 45 4-3-1状態の把握 ... 45 4-3-2支援 ... 45 4-4コミュニケーション ... 46 4-4-1コミュニケーションを難しくしている要因の特定 ... 46 4-4-2コミュニケーション方法の再構築 ... 48

第3章 心不全 ... 50

1.心不全の基本的理解 ... 50 (1)心不全の特徴 ... 50 (2)心不全のある要介護者のマネジメントにおいて留意すべきこと ... 50 心不全 共通 ... 51 1. 再入院の予防 ... 51

iv

1-1疾病の理解と確実な服薬 ... 51 1-1-1基本的な疾病管理の支援 ... 51 1-1-2服薬支援... 53 1-1-3併発疾患の把握と管理 ... 55 1-2自己管理能力の向上とリスクの管理 ... 57 1-2-1体重の管理 ... 57 1-2-2塩分量・水分量のコントロール ... 58 1-2-3血圧の管理 ... 62 1-2-4活動制限が守られることの支援 ... 64 1-2-5感染症の予防 ... 65 1-2-6排泄にともなるリスクの管理 ... 67 1-2-7非日常的な活動のリスクの管理 ... 67 1-3療養を続けるための環境・体制の整備 ... 68 1-3-1負荷のかかる環境の改善 ... 68 1-3-2チームケア体制の整備 ... 70 1-3-3急変時の対応体制の整備 ... 71 心不全 Ⅰ期 ... 72 2. 生活機能の維持・向上 ... 72 1-1心不全のステージに応じた生活・暮らしの把握 ... 72 1-1-1ステージに応じた生活・暮らしの現状の把握 ... 72 1-2ステージに応じた生活・暮らしの改善 ... 75 1-2-1ステージに応じた生活・暮らし方の改善 ... 75 1-3ステージに応じた生活・暮らしの支援 ... 77 1-3-1ステージに応じた生活・暮らし方の支援 ... 77 1-3-2活動と参加に関わる能力の維持・改善 ... 78 1-3-3入浴習慣の支援 ... 80 1-3-4休養・睡眠の支援 ... 82 1-3-5栄養バランスの支援 ... 83 1-3-6飲酒量のコントロール ... 85 1-3-7禁煙の支援 ... 86 1-3-8本人・家族への生活習慣を変えることの支援 ... 87 1-4心理的な支援 ... 88 1-4-1本人・家族の不安の軽減 ... 88 1-4-2専門的支援の提供 ... 89 心不全 Ⅱ期 ... 90 3. 生活機能の維持 ... 90 1-1ステージに応じた生活・暮らしの把握 ... 90 1-1-1望む生活・暮らしの意向の把握 ... 90 1-2ステージに応じた生活・暮らしの改善 ... 91 1-2-1継続的なリハビリテーションの実施 ... 91 1-3ステージに応じた生活・暮らしの支援 ... 92

v

1-3-1ステージに応じた活動と参加に関わる能力の維持・改善 ... 92 1-3-2入浴習慣の支援 ... 94 1-3-3休養・睡眠の支援 ... 95 1-3-4栄養バランスの支援 ... 96 1-3-5飲酒量のコントロール ... 97 1-3-6禁煙の支援 ... 98 1-3-7本人・家族への生活習慣を変えることの支援 ... 99 1-4心理的な支援 ... 100 1-4-1本人・家族の不安の軽減 ... 100 1-4-2専門的支援の提供 ... 101 1-5EOL(エンドオブライフ)に向けた準備 ... 101 1-5-1本人・家族の不安の軽減 ... 101

第4章 多職種連携の重要性 ... 103

1.多職種連携の重要性 ... 103 (1)入院・入所時の多職種連携 ... 103 (2)かかりつけ歯科医との連携 ... 103 (3)かかりつけ薬剤師・かかりつけ薬局との連携 ... 104 2.かかりつけ医との連携の重要性 ... 105

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第 1 章 本検討案作成の目的と活用方法

1. 本検討案作成の目的と適用範囲

(1)背景

 全国の各地域において、2025 年を目標に地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みが進んでいる。ケアマ ネジメントは地域包括ケアシステムを構成する様々な要素を繋ぎ、高齢者ができる限り住み慣れた地域において 暮らし続けられるよう支援するための重要な機能である。

 一方で、地域における高齢者の生活のありようが多様化し、ケアマネジメントにおいて取り扱うべき社会資源の範 囲も広がっている。その結果、介護支援専門員はこれまで以上に多くの情報を収集・分析し、ケアマネジメントを 推進していく必要に迫られている。

 こうした状況において、今後は、介護支援専門員が一人ですべての情報の収集・分析を担うのではなく、これま で以上に多職種間での連携を進め、高齢者一人ひとりの生活や意欲を汲んだ、本人の状態の維持・改善に向 けた支援が求められている。

 具体的には、各地域における包括的・継続的ケアマネジメント支援として、保険者(自治体)や地域包括支援 センターによる介護支援専門員向けの相談対応や研修の実施、地域ケア会議の開催等の取り組みが行われ ている。

 加えて、政府においても、「ニッポン一億総活躍プラン」(平成 28年6月 2日閣議決定)において、自立支援と 介護の重度化防止を推進するため「ケアマネジメントの標準化に向けた分析手法の検討」を行うこととされた。

(2)目的

 本検討案は、自立支援に資する適切なケアマネジメントの推進、具体的には介護支援専門員個々が作成す るのケアプランの内容やケアマネジメントに関するばらつきの縮小を目的として、一定の条件下において想定される 支援内容の整理と共有化を試みたものである。

 こうした整理により、介護支援専門員に対し必要な知識を付与することで、既に実施しているケアマネジメントプ ロセスにおいて、かかりつけ医等多職種の助言、情報を有効に活用でき、効果的なアセスメントを可能にし、サー ビス担当者会議の機能を高め、結果として、現在の生活課題の把握及び生活の将来予測が可能となり、 多 職種との役割分担や協働の推進、ひいてはケアマネジメントの質の向上を図ろうとするものである。

 なお、行われるべき支援として想定される支援内容の中には、基礎疾患の種類にもよるが、必然的に医療によ るケアを必要とするものが多く含まれる。療養に係る判断や利用者の状態が悪化したときの対応等は、当然、ま ず「医療につなぐこと」が重要であることは言うまでもない。ただし、そうした連携を円滑に行うことができるようにする ためにも、ケアマネジャーが医療によるケアが必要な場面について基礎的な知識を持っておくことが求められる。ケ アマネジメントの標準化により、ケアマネジャーが医療との関わりについて理解しやすくなることを企図する。

(3)標準化の考え方

 前項(2)に挙げたとおりとおり、本検討案は、介護支援専門員が作成するケアプランの内容やケアマネジメントに 関するばらつきを縮小させることを目的としている。この目的のために要介護状態となった原因疾患と状態(退院

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