• 検索結果がありません。

4. 炉心損傷後の格納容器熱流動の調査

4.3. 今後の計画

炉心損傷後の格納容器等での熱水力に関する研究に関して、今年度実施した大型格納容 器実験装置 CIGMA の特性実験の結果、並びに、熱流動が強く影響するエアロゾルの移行 挙動に係る従来研究の調査結果を踏まえ、来年度以降の計画を以下にまとめる。

大型格納容器実験

格納容器水素移行と格納容器過温破損に関する熱水力的な現象に対し、実際の事故条件 やアクシデントマネジメントの条件における実験を実施し、データを整備する。現状で計 画している主な実験内容を図4.3.1-1のイラストにまとめた。このうち、直近の来年度の実 験を表したのが図の最上段で、以下の2種類の実験を行う予定である。

 密度成層浸食実験

 過熱蒸気を使った格納容器過熱実験

前者の密度成層浸食については、今年度の非凝縮ガスを用いて実施した実験手順と結果を 踏まえ、雰囲気及び衝突ジェットに蒸気を用いた実験を行い、蒸気-ヘリウム体系において PIV による可視化とガス濃度計測システムによるヘリウムの移行を計測する。格納容器過 熱実験では、今年度整備した蒸気過熱器を用い、装置仕様の限界の蒸気温度での試験容器 過熱や冷却システムの相互作用を観察する。

さらにその後の展開としては、図の 2段目と 3段目に示したように、水素移行と格納容 器冷却の条件を対象として、両者を複合させた条件での実験、バルクヘッドを模擬したオ ブスタクルの影響、ヒートシンクやヒートソースがもたらす凝縮の影響、さらに、長期冷 却や窒素置換などのアクシデントマネジメント有効性に関する実験を行う計画である。

192

図4.3.1-1 平成28年度以降のCIGMA実験の概念図

193 エアロゾル関連実験

液相によるエアロゾルの除染に関する研究は、現在でも欧州を中心に精力的に展開され ており、なかでも、プール水にエアロゾルを伴うガス流を吹き込んでエアロゾルを除去す るプールスクラビングと液滴によってエアロゾルを除去するものの重要性は高い。各項目 の背景と研究課題は、「平成 25 年度の原子力発電施設等安全調査研究委託費に関する報告

書」の4.3.6節と本報告書の4.2.3節でそれぞれ述べられている。これらを受け、来年度以

降は、以下の実験を予定している。

プールスクラビング実験

既設の内径0.2m、高さ約4.5mのポリカー試験部を有する円管試験装置(図4.2.4-2)に おいて、プールスクラビング実験を行う予定である。プール水前後のエアロゾルの粒子径 分布を計測することによって、エアロゾル粒子径ごとの除染係数を評価し、従来研究で不 足であった二相流データを4センサープローブや高速ビデオ計測により取得し、エアロゾ ルと二相流データ両方を合わせてプールスクラビングモデルの検討を行う予定である。ま た、水―空気実験から開始し、将来的に水―蒸気実験を行えるよう、蒸気条件下における エアロゾル計測手法を整備する予定である。

液滴によるエアロゾル除去実験

液滴によるエアロゾル除去実験装置を平成28年度中に整備する予定である。本装置では、

従来実験のように空間中に充満するエアロゾルに対するスプレイのみでなく、横流れや上 昇流に伴うエアロゾルに対するスプレイ実験も行うことを想定している。また、従来より ほとんど検討されなかったスプレイ領域へのエアロゾルの流出入を計測するための二相流 計測機器も整備する予定である。

194

図4.3.2-1 プールスクラビング実験装置概略図

195

関連したドキュメント