6. 評価
7.2. 今後の課題
今後の課題としては以下の点が挙げられる.
1.1.43. セキュリティに対する考慮
どのような挙動をするか分からないエージェントを自らのホスト上で実行させること は,リスクを伴う行為である.このリスクを少しでも軽減するために,エージェントの 実行に先立って認証を行ったり,計算機資源への不正なアクセスあるいは過剰な消費を制 限する機構が必要となる.
また逆に,不正な (例: エージェントをすべて強制終了する,データを改竄する,なり すましを行う等) ホストからエージェントを保護する機構も必要とされる.この問題に関 してはエージェントが,何らかの認証機関によって信用度が高いとされるホストを選択 して処理を実行する方法も考えられているが,抜本的な解決方法はいまだに見つかって いない.
1.1.44. 耐故障性の向上
移動しようとしていたホストが到達不能になってしまった場合,あるいはエージェン トの存在しているエージェントプラットフォームが異常終了してしまった場合,エージ ェントは別のエージェントプラットフォームへと退避する必要がある.しかしこの時,
ユーザがエージェントの存在位置を把握できなくなるという問題点が発生する.
この問題に対するアプローチとしては,特定のサーバに全エージェントの存在位置を 登録する方法,特定のサーバが全エージェントプラットフォームに定期的に問い合わせ る方法,または移動元のホストに移動先のホスト名を記録しておく方法などが現在考え られている.また,エージェントの状態を随時バックアップしておくことも有効な選択 肢として考えられる.
1.1.45. モジュール指定方法の改善
エージェントの機能向上,特にモジュールを指定する方法を改善しなければならない.
現在の実装では,モジュールの指定はすべて文字列としてユーザ自身が入力しなければ ならない.この方式は非常に不便であるので,ボタンやリストなどによって容易に選択 が可能な方式へと早急に変更することが必要である.
しかし新たな問題点として,利用可能なモジュールのリストをどのようにして手に入 れるのかという問題が発生する.この問題に対しては,あらかじめエージェントを移動 させてリストを手に入れておく,モジュールの位置などをすべて管理するサーバを設け
る,等の対策が考えられている.
謝辞
お忙しい中にもかかわらず研究・論文の指導をしてくださった徳田英幸教授に深く感 謝いたします.また,暖かいアドバイスと励ましをくださった大越匡,中澤仁両氏をは じめとするKeio Media Space Familyプロジェクトの皆様に感謝いたします.
AgentSpaceというすばらしいエージェントシステムをオープンソースで公開された
お茶の水女子大学の佐藤一郎助教授,実装に行き詰まったときにいつも貴重な情報源とな
ったJavaHouseメーリングリストとその参加者の皆様にもこの場を借りてお礼申し上げ
ます.ありがとうございました.
参考文献
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