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ドキュメント内 FOR ARTISTS AND PRODUCTIONS (ページ 51-56)

著作権法上の映画とは

著作権法では、映画の著作物につい て次のように定義しています。

このように、著作権法では、普通の映 画、つまりフィルムによる劇場用映画だ けが映画ではなく、ビデオテープやDVD などの録画物に収められている連続した 影像も映画に含めています。また、ゲー ムソフトの影像も映画の著作物に該当 するとの裁判所の判例があります。

この条文でポイントになるのは、「物に 固定されている」という点です。テレビ

番組の場合、生放送は、物に固定され ず放送されてそのまま消えてしまうので、

映画には該当しませんが、事前収録した 番組は、理論的には映画に該当します

(ただし、劇場用映画と放送用・有線放 送用映画では権利関係が異なる)。

また、「物に固定されている著作物」と いういい方をしているので、著作物とし て扱われるためには、固定されている影 像に創作性が認められなければなりませ ん。つまり、録画物がすべて映画の著作 物に該当するわけではなく、店舗に設置 されている防犯用カメラが自動的に撮影 した影像など創作性のないものは、映 画の著作物にはなりません。

映画における実演家の 権利とワンチャンス主義

映画の出演者は著作権法上の実演家

「 アーティストの権利 」 実用ガイド

今回は、アーティストの出演時における実演とその権利の解説の最後として、

映画・CM・演劇・ミュージカル等での実演を取り上げます。

text:秀間修一(リアルライツ)

実演と権利その4

(映画・演劇等での実演)

プロダクションが知っておくべき

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(定義)

第2条第3項 この法律にいう「映画 の著作物」には、映画の効果 に類似する視覚的又は視聴覚 的効果を生じさせる方法で表 現され、かつ、物に固定されて いる著作物を含むものとする。

ると、映画のその後の利用、つまり映画 をビデオ化することなどについて、原則 として権利が働かなくなってしまうからで す(92条の2第2項の規定により送信可 能化権も失う)。

最初にOKするとその後の利用につい て権利が働かなくなるこのような考え方 を「ワンチャンス主義」といいます。ワン チャンス主義によって実演家の権利は 大きく制限されているのです。

映画の出演契約

このように、映画の二次利用に関する

「許諾権」はなくなってしまいますが、契 約によって「報酬請求権」を確保するこ とは可能です。つまり、映画製作者側と 交わす出演契約において、最初のギャ ラの他、ビデオ化、インタラクティブ配 信、テレビ放映など二次的な利用に関 するギャラを設定することや、映画収入 が製作費や宣伝費などの経費を上回っ て利益が発生した場合、そのなかから一 定割合の分配を受ける条文を加えるこ とにより、追加報酬を請求する権利を確 保するのです。

しかし、現実には、その映画の主役ク ラスとして出演する場合はともかく、そう にあたります。アニメ映画や外国映画に

声優として出演する場合も同様です。

実演家には、著作権法91条1項によ り録音権や録画権が認められています が、これらの権利は、同条2項の規定に より、録音権・録画権を有する者(アー ティスト自身または所属プロダクション)

の許諾を得て映画の著作物に録音・録 画された実演については、それを録音物 に録音する場合(サントラ盤など音だけ を収録したもの)を除いて適用されなく なります(以下の条文参照)。

91条2項の規定の存在を知ることは、

実演家にとってもプロダクションにとっ ても非常に重要です。この規定により、

実演家は、映画に出演することをOKす

プロダクションが知っておくべき

アーティストの権利」実用ガイド

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(録音権及び録画権)

第91条 実演家は、その実演を録 音し、又は録画する権利を専有 する。

2 前項の規定は、同項に規定す る権利を有する者の許諾を得 て映画の著作物において録音 され、又は録画された実演につ いては、これを録音物(音を専 ら影像とともに再生することを 目的とするものを除く。)に録音 する場合を除き、適用しない。

はいえないので(そのレコードが廃盤に なっていることもある)、原盤制作者やア ーティストは対価を請求すべきでしょう。

CMへの出演

テレビCMも、生CMでないかぎり、

映画の著作物です(短くても創作性があ ると思うので)。したがって、出演者(実 演家)の権利関係も映画の著作物のそ れと同じです。ただ、CMの場合は、出 演契約によって利用条件(媒体や期間な ど)や出演料を細かく決めるので、CM が無制限に利用されるということはあり ません。

CMで注意することは、ある企業のCM に出演している期間中に、その企業と同 種・類似の商品やサービスを扱う、いわ ゆる同業他社のCMに出演しないという ことです。これは、CM出演契約書に必 ずといっていいほど盛り込まれている条 項です。

また、CM音楽に、CMに出演するア ーティストがレコーディングした楽曲を利 用する場合は、プロダクションとしては 以下の段取りをつける必要があると思い ます。

1. その原盤に関する著作隣接権者が所 でない場合に追加報酬を要求するのは

難しいようです。そのときは、せめて最 初の出演ギャラを多メディア時代に見合 ったものに設定したいものです。

いずれにしても、このへんの契約交渉 は、プロダクションの担当マネージャー の腕の見せどころといえるでしょう。

プロモーションビデオへの出演 プロモーションビデオ(PV)は、レコー ドの宣伝用に制作されるもので、通常 はレコード会社が影像部分を制作しま す。したがって、PVに関する映画の著作 物としての著作権はレコード会社に帰属 します。また、PVに収録される音は当然 レコードの音ですので、その権利関係は レコード会社と原盤制作者との原盤提 供契約に基づきます。

PVをレコードの宣伝目的で利用する かぎり、原盤制作者やアーティストへの 対価は支払われませんが、DVDなどの 商品として発売する場合は、別途契約を 取り交わして対価を発生させるのが一般 的です。

また、最近では、過去のPVを携帯電 話やインターネットで有料配信することも ありますが、これはレコードの宣伝目的と

任で行うべきあり、プロダクションが間 に入って調整する必要はないと思いま す。

演劇・ミュージカル等への出演 演劇、バレエ、ミュージカル等への出 演時に行う実演については、基本的に はコンサートでの実演と同じ権利関係で す。すなわち、実演をそのまま観客に見 せることについては著作権法上の権利 は発生せず、放送や有線放送する場合 には放送権・有線放送権が、放送目的以 外の目的で収録する場合には録音権・

録画権が、インタラクティブ配信する場 合には送信可能化権が発生します。そし て、いったん、映画の著作物に収録する ことをOKすると、映画への出演と同様

「ワンチャンス主義」が適用されます。し たがって、演劇、バレエ、ミュージカル等 に出演するときの注意点は、『音楽主義 22号』で解説したことと同様です。

しかし、音楽アーティストにとって、コ ンサートでの実演は、いわば「本業」で あるのに対し、演劇等への出演は「副業」

のようなものなので、出演料や収録され た実演の利用(DVD化など)の対価の決 め方については、違いがあると思います。

属プロダクションでないときは、原盤 の著作隣接権者のOKを取り付け、ス ポンサー側に原盤の利用許諾を与え てもらう。

2. 楽曲のCM利用について音楽出版社 のOKを取り付け、スポンサー側に利 用許諾を与えてもらう。

3. 上記の場合で著作権使用料を免除す るときは、音楽出版社のOKを取り付 け、JASRACなどの著作権管理事業 者に対するしかるべき手続きをしても らう。

CM用の音楽を、そのCMに出演する アーティストのレコーディングにより新た に制作する場合があります。このとき、

CM音楽制作会社が原盤制作費を負担 して原盤制作者の立場になるケースもあ りますが、そのような場合であっても、そ の原盤をレコード化などにより商品化す るときは、通常はそのアーティストの所 属レコード会社から発売しなければなら ないので、この点も注意が必要です。

なお、スポンサー側の意向により、出 演アーティストと関係のない音楽をCM に利用する場合は、音楽に関する著作 権や原盤の処理はスポンサー側の全責

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