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交流回路の複素計算法

ドキュメント内 MAIN : 2004/4/26(0:24) (ページ 40-50)

5. 交流回路の複素計算法

L i(t)

v(t) C R

e(t)

5.1 RLC回路

E=Eee (5.19)

とする。このとき、電流i(t)のフェーザ表示をIとすると、図5-1の回路の回 路方程式

Ldi

dt+Ri+ 1 C

Z

idt=e (5.20)

から、

(jωLI+R+ 1

jωC)I=E (5.21)

が成立するのがわかる。

Z=jωLI+R+ 1

jωC =R+j(ωL− 1

ωC) (5.22)

と置けば、

I= E

Z (5.23)

を得る。これから

|I|= |E|

|Z|, argI= argE−argZ (5.24) を得る。時間波形では

i(t) =√

2Iesin (ωt+φ−θ) (5.25)

とすると Ie= Ee

|Z|, θ= argZ (5.26)

5. 交流回路の複素計算法

となる。ここに、

|Z|= r

R2+ (ωL 1 ωC)2 argZ= arctan



ωL− 1 ωC R

 (5.27)

である。

5 . 2 インピーダンスとアドミタンス

インピーダンス (5.22)のZ

Z =E

I (5.28)

で定義されている。このように、フェーザ電圧Eとフェーザ電流Iの比E/I として定義されるZは抵抗の拡張のようにみることができる。これをインピー ダンス(impedance)という。

E=ZI (5.29)

が成り立つ。この式は

I=Y V (5.30)

とも書ける。ただし、Y = 1/Zである。Y をアドミタンス(admittance)と いう。

注 Zは複素数でフェーザであるが正弦波関数が対応はしていない。

5 . 2 . 1 歴史的背景

(1)(参考書から) 交流回路にフェーザを用いるのは1877以降、レイリー とヘビサイドによって始められた。しかし、実際に電気の分野で普及させたの はケネリーとシュタンインンメッツで1893年以降である。 

(2)(リンク) John William Strutt Lord Rayleigh(Born: 12 Nov 1842

in Langford Grove (near Maldon), Essex, England, Died: 30 June 1919 in Terling Place, Witham, Essex, England)

(3) (リンク) Oliver Heaviside (Born: 18 May 1850 in Camden Town, London, England Died: 3 Feb 1925 in Torquay, Devon, England)

(a)ベクトル解析を作り上げ、Maxwellの方程式を現在の形に定式化した。

(b) 1880から1887の間に演算子法(pdf)を開発した。

(c) 1887に大洋間通信にinduction coilsを加えるべきとの提言をした。

(d) 1902 Kennelly-Heaviside Layerが存在することを予想した。

(e) Heaviside step functionでも有名。

(4) ( リ ン ク ) Arthur Edwin Kennelly  (「 ケ ネ リ ー は1893 年 に the American Institute of Electrical Engineers (AIEE)の 発 行 す る 雑 誌

に、”Impedance”に関する論文を書いた。これにより複素解析の手法を用

いてdc解析と同様な解析がac解析で行えるようになった。」との記述が ある。)

(5) Charles Proteus Steinmetz (1865-1923) 1865年4月9日に Bres-lau, Prussiaに生まれる。1889にアメリカに移り、General Electric in Sch-enectadyに勤める。1902年からNew York city’s Union Collegeの教授とな る。(1) マグネチックヒステリシス (2) 交流電流(Wechselstrom) を計算す るためにの複素数を用いた簡便な方法の発展などに貢献があった。著書に

C.P.Steinmetz, Theory and Calculation of Alternating Current Phenom-ena, McGraw-Hill Book Co., Inc., New York, 1916

5 . 3 リアクタンスとサセプタンス

インピーダンスは複素数であるから

Z=R+jX (5.31)

と書ける。ただし、RXは実数とする。Rを抵抗部、Xをリアクタンス部 という。同様に、Y = 1/Zも

5. 交流回路の複素計算法

Y =G+jB (5.32)

と書ける。ただし、GBは実数とする。Gをコンダクタンス、Bをサセプ タンスという。

5 . 4 イミタンスとフェーザ図(ベクトル図)

(1)インピーダンスとアドミタンスを総称してイミタンスという。

(2)フェーザ図(ベクトル図ともいう)

単一角周波数の独立電源を含む回路のあるフェーザ電圧とフェーザ電流を同 一複素平面に図示した図(diagram)をフェーザ図という。2つの複素数の振幅 の違いと位相差がみたいので、基準となるほうのフェーザの位相を0として他 方のフェーザの位相が丁度位相差になるように表示すると見やすい。

5 . 4 . 1 例 題

(1) RC直列回路

5.2のRC直列回路を考える。図5-2 RC直列回路 i(t)

C= 100µF R= 5Ω

e(t) = 10V60Hz

5.2 RC直列回路

E= 10[V]でω= 2πf = 120πである。Z=R+ 1/(jωC) = 10−j/(120∗ 104) = 1026.5258j[Ω]となる。

|Z|argZをMATLABで計算すると次のようになる:

>> k=1/(120*pi*0.0001) k =

26.5258

>> az=sqrt(5^2+k^2) az =

26.9929

>> s=-atan(1/(120*pi*0.0001*5)) s =

-1.3845

>> s*180/pi ans = -79.3253

よって、Zのフェーザ形式は

Z = 26.993∠79.3253 (5.33)

となる。また、フェーザ電流Iは

I=E/Z (5.34)

で与えられるから I= 10∠0

26.993∠79.3253 = 370.5mA∠79.3253 (5.35) を得る。

θ E I

5.3 RC直列回路のフェーザ図

時間関数は e(t) =√

210 sin 120πt (5.36)

に対して

5. 交流回路の複素計算法 i(t) =√

20.3705 sin (120πt+ 1.3845) = 0.5240 sin (120πt+ 1.3845)(5.37) となる。

Spiceでの解析

図5-2をネットリストとして表すと ac r-c circuit

v1 1 0 AC 10V r1 1 2 5 c1 2 0 100u

.AC lin 1 60Hz 60Hz .END

となる。このファイルがc:\SpiceOpus\ex\ac10.cirであるとして、Spice で解析した結果を以下に示す。

SpiceOpus (c) 1 -> c:\SpiceOpus\ex\ac10.cir Circuit: ac r-c circuit

SpiceOpus (c) 2 -> run

Warning: v1: has no value, DC 0 assumed SpiceOpus (c) 3 -> print i(v1)

i(v1) = -6.86229e-002,-3.64056e-001 SpiceOpus (c) 4 -> print mag(i(v1)) mag(i(v1)) = 3.704671e-001

SpiceOpus (c) 5-> print atan(imag(i(v1))/real(i(v1)))*180/pi atan(imag(i(v1))/real(i(v1)))*180/pi = 7.932525e+001

これは先の解析と一致することがわかる。

(2) RC並列回路

5.4のRC並列回路を考える。

ネットリストは

ac r-c parallel circuit v1 1 0 AC 10V

i(t)

C= 100µF R= 5Ω

e(t) = 10V60Hz

5.4 RC並列回路

r1 1 0 5 c1 1 0 100u

.AC lin 1 60Hz 60Hz .END

このファイルがc:\SpiceOpus\ex\ac11.cirであるとして、Spiceで解析し た結果を以下に示す。

SpiceOpus (c) 10 -> c:\SpiceOpus\ex\ac11.cir Circuit: ac r-c parallel circuit

SpiceOpus (c) 11 -> run

Warning: v1: has no value, DC 0 assumed SpiceOpus (c) 12 -> print i(v1)

i(v1) = -2.00000e+000,-3.76991e-001 SpiceOpus (c) 13 -> print mag(i(v1)) mag(i(v1)) = 2.035220e+000

SpiceOpus (c) 14 -> print atan(imag(i(v1))/real(i(v1)))*180/pi atan(imag(i(v1))/real(i(v1)))*180/pi = 1.067475e+001

これからフェーザ電流Iは

I= 2.035∠10.67 deg (5.38)

で与えられる。

問 手計算で以上の結果を確認せよ。

5. 交流回路の複素計算法

略解 Y = 1/R+jωC= 0.2 + 0.0377jより

I=Y E= (0.2 + 0.0377j)10 = 2 + 0.377j (5.39) (3) RL直列回路

i(t) R= 5Ω

e(t) = 10V60Hz L= 10mH

5.5 RL直列回路

5.5の回路において、Z =R+jωL= 5 + 120π0.01 = 5 +j3.7699 [Ω] MATLABにより

>> abs(z) ans = 6.2620

>> a=angle(z) a =

0.6460

>> a*180/pi ans = 37.0156

と計算できるので、

Z = 6.262e0.646j (5.40)

よって、

I=E/Z= 10/Z= 1.5969e0.646j (5.41)

Spiceによる解析 ネットリストは ac r-l circuit v1 1 0 ac 10 r1 1 2 5 l1 2 0 10m .ac lin 1 60 60 .end

となる。この内容のファイルがc:\SpiceOpus\ex\ac12.cirであるとして

Spiceで解析を行うと次のようになる。

SpiceOpus (c) 15 -> c:\SpiceOpus\ex\ac12.cir Circuit: ac r-l circuit

SpiceOpus (c) 16 -> run

Warning: v1: has no value, DC 0 assumed SpiceOpus (c) 17 -> print i(v1)

i(v1) = -1.27511e+000,9.614121e-001 SpiceOpus (c) 18 -> print mag(i(v1)) mag(i(v1)) = 1.596942e+000

SpiceOpus (c) 19 -> print atan(imag(i(v1))/real(i(v1)))*180/pi atan(imag(i(v1))/real(i(v1)))*180/pi = -3.70156e+001

(4) RL並列回路

5.6の回路を考える。

Y = 1 R+ 1

jωL = 0.20.2653j (5.42)

より

I=Y E= 22.653j (5.43)

Spiceによる解析 ac r-l circuit

ドキュメント内 MAIN : 2004/4/26(0:24) (ページ 40-50)

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