第1章 省エネチューニング事例
冷水出口温度 6. 6℃程度で変化はありませんが
3) 二次ポンプの効率運転による省エネチューニング要領
① 省エネ対策
2 次冷水ポンプ・ 2 次温水ポンプは揚程一定として、小流量時にはインバータでポ ンプ回転数を下げて省エネルギーをはかっている。
揚程一定(小流量時の配管抵抗減少を見込んでいない)であるため流量が 減少するほど過大な揚程となり電力を無駄に消費している。
今回、制御方式を流量低下時の配管の抵抗減少分も加味した変圧力制御 に変更し、インバータポンプの特性を活用し 40 %の省エネルギー化をはかります。
3-1 ポンプ変流量方式の改善
実施例
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② 冷水配管システムフロー図
1~18F 空調機、ファンコイル
冷凍機 冷凍機 冷水2次サプライヘッダ
P‐1
P‐3 P‐4
P‐2
冷水2次レタンヘッダ
流量計
膨張タンク
冷水1次レタンヘッダ 冷水1次サプライヘッダ
2次ポンプ
3-1 ポンプ変流量方式の改善
実施例
③ 定圧力方式と変圧力方式の圧力変化計測
定圧力方式のポンプ揚程は255kPa一定となっている。そのため、60kPaで十分な18階末端差圧は530
㎥/h送水時で130kPa、小水量時では250kPaで、何れも過大圧力となっています。
変圧力方式での計測中は負荷が少なかったが、300㎥/h(定格の47%)時のポンプ揚程は110kPaでし た。
18階末端差圧は安定しており、小水量時にも60kPaを満足しており、18階末端での水量不足はありま せん。
流量~送水圧力
-50 100 150 200 250 300
- 100 200 300 400 500 600
送水差圧 18階差圧
変圧力 2台運転 変圧力 台数制御
圧力 kPa
負荷流量 m3/h
変圧力計算式 変圧力制御
定圧力制御
3-1 ポンプ変流量方式の改善
実施例
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④ 定圧力方式と変圧力方式のインバータ周波数変化
定圧力制御の場合負荷流量の変化に対し、商用周波数50Hzとあま り変わらない45Hzまでの低下に留まりました。
変圧力制御の場合23Hzまで周波数を下げることができています。
流量~インバータ周波数
-5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60
- 100 200 300 400 500 600
定圧力 変圧力 2台運転 変圧力 台数制御
周波数 Hz
負荷流量 m3/h
定圧力制御 変圧力制御
3-1 ポンプ変流量方式の改善
実施例
3-1 ポンプ変流量方式の改善
実施例
⑤ 定圧力運転と変圧力運転での消費電力量の差
定圧力方式と変圧力方式では、消費電力は定格流量運転を除けば15kW~20kWの差となります。
変圧力方式での省エネ効果
設計点での運転が少ないことを考慮すれば、定圧力方式運転から変圧力運転 に変更することで、年間で概ね50%以上の消費電力量削減となります。
下図の定圧力・変圧力動力計算式に年間の負荷流量を代入し年間消費電力量 を計算します。(計算結果次頁参照)
流量~電力量
y = 0.00000022 x3+ 0.02127266 x + 5.00000000 y = 0.0916x + 11.017
-10 20 30 40 50 60 70 80
- 100 200 300 400 500 600
定圧力 変圧力 2台運転
変圧力 台数制御 変圧力動力
電力量 kW
負荷流量 m3/h 定圧力動力計算式
変圧力動力計算式
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3-1 ポンプ変流量方式の改善
実施例
バイパス弁 1台INV 定圧力 変圧力
比率 100.0 70.3 61.5 38.4
合計 395,259 277,674 243,226 151,972 1月 25,327 7,349 7,349 4,286 2月 24,180 7,640 7,640 4,254 3月 27,417 9,512 9,512 5,082 4月 27,183 12,291 11,724 5,877 5月 35,403 29,364 24,686 13,065 6月 38,844 37,322 32,154 20,306 7月 42,920 42,133 35,968 25,660 8月 46,897 46,232 38,259 30,292 9月 38,831 37,153 32,002 20,553 10月 33,997 26,804 22,774 11,657 11月 26,942 13,483 12,767 6,196 12月 27,318 8,391 8,391 4,744
二次ポンプ消費電力量
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
バイパス弁 1台INV 定圧力 変圧力
kWh
消費電力量の比較
現状定圧力運転を変圧力運転 に改善すると 38 %の省エネとな りました。
3-1 ポンプ変流量方式の改善
実施例
4) 二次ポンプの動力計算例
素データ
流量 圧力
0 328
116 322
231 298
350 255
416 227
318 337
ORG_Q-H
y = 0.000000 x3- 0.000866 x2+ 0.046783 x + 327.922148
100 150 200 250 300 350 400
- 100 200 300 400 500
圧力 kPa
負荷流量 m3/h
ポンプ仕様 318CMH×255kPa×2台INV
①特性曲線の数値化
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3-1 ポンプ変流量方式の改善
実施例
②基礎データ
二次 ポンプ 能力
流量 CMH 318
揚程 kPa 255
曲線係数 x3 0.0000 曲線係数 x2 -0.0008660 曲線係数 x 0.004678 曲線係数 b 327.922 装置特性
定格流量 CMH 636
最大 ポンプ 台数 2
抵抗係数 0.000506804 P=RQ2
制御圧力 255 =(255-50)/636 2
最小圧力 50
動力 kW 37
最小動力 kW 5
動力係数 0.015935094 (動力 ×2-最小動力 )× 6.12
Pa→ m変換係数 0.102 流量 ×2/ 60× 制御圧 / 0 .102
3-1 ポンプ変流量方式の改善
実施例
③ 試算動力のグラフ化
ポンプ複数並列特性
0 50 100 150 200 250 300 350 400 450
0 100 200 300 400 500 600 700 800
1台 2台
装置抵抗 定圧
圧力 kPa
負荷流量 m3/h 定圧力制御圧
力
装置抵抗=変圧力制御圧
流量 圧力 1台 2台 装置抵抗定圧 INV1台動力 変圧力動力定圧力
0 328 0 0 50 255 5.0 5.0 5.0
10 328 10 20 50 255 6.1 5.2 6.1
20 328 20 40 50 255 7.2 5.4 7.2
30 327 30 60 50 255 8.3 5.6 8.3
40 327 40 80 51 255 9.3 5.9 9.3
50 326 50 100 51 255 10.4 6.1 10.4
60 325 60 120 52 255 11.5 6.3 11.5
70 324 70 140 52 255 12.6 6.6 12.6
80 323 80 160 53 255 13.7 6.8 13.7
90 322 90 180 54 255 14.8 7.1 14.8
100 320 100 200 55 255 15.8 7.3 15.8
110 318 110 220 56 255 16.9 7.6 16.9
120 317 120 240 57 255 18.0 7.9 18.0
130 315 130 260 59 255 19.1 8.2 19.1
140 313 140 280 60 255 20.2 8.6 20.2
150 310 150 300 61 255 21.3 8.9 21.3
160 308 160 320 63 255 22.4 9.3 22.4
170 306 170 340 65 255 23.4 9.7 23.4
180 303 180 360 66 255 24.5 10.1 24.5
190 300 190 380 68 255 25.6 10.5 25.6
200 297 200 400 70 255 26.7 11.0 26.7
210 294 210 420 72 255 27.8 11.5 27.8
220 291 220 440 75 255 28.9 12.0 28.9
230 288 230 460 77 255 30.0 12.5 30.0
240 285 240 480 79 255 31.0 13.1 31.0
250 281 250 500 82 255 32.1 13.7 32.1
260 278 260 520 84 255 33.2 14.3 33.2
270 274 270 540 87 255 34.3 15.0 34.3
280 270 280 560 90 255 35.4 15.7 35.4
290 266 290 580 93 255 36.5 16.4 36.5
300 262 300 600 96 255 37.5 17.2 37.5
310 258 310 620 99 255 38.6 18.0 38.6
320 254 320 640 102 255 74.0 18.9 39.7
330 250 330 660 105 255 74.0 19.8 40.8
340 245 340 680 109 255 74.0 20.7 41.9
350 241 350 700 112 255 74.0 21.7 43.0
360 236 720 116 255 74.0 22.7 44.1
370 231 370 740 119 255 74.0 23.8 45.1
380 227 380 760 123 255 74.0 24.9 46.2
390 222 390 780 127 255 74.0 26.1 47.3
400 217 400 800 131 255 74.0 27.3 48.4
410 212 410 820 135 255 74.0 28.6 49.5
420 207 420 840 139 255 74.0 29.9 50.6
430 202 430 860 144 255 74.0 31.3 51.7
440 196 440 880 148 255 74.0 32.7 52.7
450 191 450 900 153 255 74.0 34.2 53.8
460 186 460 920 157 255 74.0 35.8 54.9
470 180 470 940 162 255 74.0 37.4 56.0
480 175 480 960 167 255 74.0 39.1 57.1
490 169 490 980 172 255 74.0 40.8 58.2
500 164 500 1,000 177 255 74.0 42.6 59.2 510 158 510 1,020 182 255 74.0 44.5 60.3 520 152 520 1,040 187 255 74.0 46.4 61.4 530 147 530 1,060 192 255 74.0 48.4 62.5
540 198 255 74.0 50.4 63.6
550 203 255 74.0 52.6 64.7
560 209 255 74.0 54.8 65.8
570 215 255 74.0 57.1 66.8
580 220 255 74.0 59.4 67.9
590 226 255 74.0 61.8 69.0
600 232 255 74.0 64.3 70.1
610 239 255 74.0 66.9 71.2
620 245 255 74.0 69.6 72.3
630 251 255 74.0 72.3 73.3
640 258 255 111.0 75.1 74.4
650 264 255 111.0 78.0 75.5
流 量
流量~動力関係図
y = 0.00000022 x3+ 0.02127266 x + 5.00000000 y = 0.1085x + 5
-20 40 60 80 100
0 100 200 300 400 500 600 700 800
定圧力 変圧力動力 動力 kW
負荷流量 m3/h 変圧力制御動力 定圧力制御動力
INV1台定圧力
計測での近似式とほぼ同じになる
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3-1 ポンプ変流量方式の改善
実施例
圧力=P=0.000000x3-0.000866x2+0.046783x2+27.922148 装置抵抗=P1=RQ2=抵抗係数×Q2=0.0005068Q2+最小圧力
INV1台動力=IF(Q<318,k×Q/60×255/0.102/6.12+最小動力,IF(Q<Q×2,37×2))
変圧力動力= k×Q/60×装置抵抗/0.102/6.12+最小動力 定圧力動力= k×Q/60×255/0.102/6.12+最小動力
K=動力係数
例題 Q=100CMHのとき
装置抵抗=0.0005068×1002+50=55
INV1台動力=0.015935094×100/60×255/0.102/6.12+5=15.8 変圧力動力=0.015935094×100/60×55/0.102/6.12+5=7.3 定圧力動力= 0.015935094×100/60×255/0.102/6.12+5=15.8
④ 試算動力計算式
第1章 省エネチューニング事例
4.運用
©2010 ECCJ All Rights Reserved 85 冷暖房適温(設定温度、管理温度)立ち上がりまでに要する時間は、季節、ピーク時期、軽負荷時期や 冷温水温度によって変化します。冷暖房負荷状況により空調機起動(運転)時間を調整することで省エ ネルギーが図れます。
室温、空調機、熱源の運転状況を的確に判断し現状の起動設定や運用方法を調整し、供給熱量の削 減や搬送動力の低減が図れます。
時間
温度[℃]
空調運転 契約時刻
T3 就業開始 時刻 T1
空調運転 開始時刻 調整 前運転 開始時刻
空調運転短縮
室内設定 温度
室内温度変動 目標制御点
時間
空調運転無駄時間
T1 空調運転 開始時刻
温度[℃]
室内設定 温度
T3 就業開始 時刻
空調運転 契約時刻
室内温度変動 目標制御点
4-1 空調機起動時刻の改善
概要
空調起動時間が年間一定で運用している場合に有効となります。
ただし、運転時間が契約上固定化されている場合などは対象外とします。
Go! この手法は、以下のような場合、実施が容易
Stop!
で、よい結果が得られ、お勧めできます。
以下のような場合、この手法は不適切、また は慎重な検討、専門家への依頼が必要です。
4-1 空調機起動時刻の改善
この方法は私のビルでも使えますか?
1) 24時間運転の場合
2) 空調対象での室温状況(管理温度)に関 係なく、空調運転開始時刻が一定とされ ている場合
1) 年間を通して、冷暖房負荷に関なく同じ 起動時間のままとしている場合
2) ビル管理規則や貸方基準が冷暖房温度 時間(※)で設定されている場合
※冷暖房管理温度
冷凍機や冷温水ポンプも、本手法による 省エネルギー効果が期待できます
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適用時期 この調整は、主に冷暖房軽負荷期や中間期に行います。
居室の用途変更、入居者変更などにより、冷暖房負荷が大きく変化した場合などにも検討の可能性があります。
適応対象の確認 調整が適切でない場合は、トラブルになる可能性があるので注意が必要です。
(立ち上がり時間を短縮させ過ぎて、管理設定時間までに適温にならない、同じ空調系統で多様な冷暖房負荷、
ニーズがあるなどの場合)
冷暖房クレームを防ぐためには、予め各部屋の特性やユーザー要求の把握・分析を行っておく必要があります。
継続的な室温の分析 気候や冷暖房負荷、ニーズは季節や日によって大きく変化します。
「空調・熱源機器の起動時間」と「室温立ち上がりの適正」のバランスを定期的にチェックしていくことが、省エネ ルギー効果の向上に結びついていきます。
冷房と暖房では、「外気要因」や「空調機起動時の室内温度要因(前日からの変動)」などが異なります。そのた めシーズン別に継続的なトレースをしていくことが大事です。
熱源の立ち上げも重要 空調機と同様に、熱源設備の起動時間設定についても適否、過不足をチェックし、必要な調整をしていくことが 前提です。
基本的には、
①熱源設備の起動 ⇒ ②冷温水温度の確立 ⇒ ③空調設備の運転 ⇒
④居室適温設定時間までに室温立ち上げが、最短時間、最少エネルギーになるよう調整(チューニング)して いきます。
「学習機能」が附置 されている
最適起動ソフトが附置されている場合は、空調運転開始時の室温変動特性を自動的に学習・予測し、起動時間 の最適制御がされています。
しかし、経年による制御機器の劣化などにより無駄が生じてくる可能性もあるので、定期的に制御の適正さ、不 具合の有無をチェックしていくことが必要です。
4-1 空調機起動時刻の改善
実施上の注意点
4-1 空調機起動時刻の改善
実施手順
1)冷暖房立ち上がり(適温確立)時間の確認
ビルの管理規則や貸方基準などで決められている時間と実際の立ち上がり時間を比較します。
自動制御によって起動時間を自動調整している場合は、制御による適温時の状況適正を確認し ます。不適な場合は、各種パラメータ(要素、条件)設定の適否、過不足をチェックすること が必要です。
2)空調・熱源機器の起動時間の調整
室温立ち上がりに関わる設定調整を行います。
単純に設定スケジュールの変更だけで調整する場合は、現状設定と実際の立ち上がり時間の差 を判断して行います。
3)調整後の判断
目標と実際の室温差、適温確立時間などから、起動時間調整の適否、過不足を判断します。
室内負荷や外気温度は日によっても変化するので、多少の時間的余裕を考慮した判断とする ことが必要です。
4)効果の確認
調整前後のエネルギー消費量を比較確認します。
短期間で比較困難な場合は、一定期間でのエネルギー使用量を比較してみるのも有効です。
冷暖房軽負荷期や中間期の空調運転開始時状況(室温変化、熱源や空 調機の起動時刻、外気温等)を把握・分析することが必要です。