第 1 章 事業計画の概要
3.2 予測結果
(1) 重要な動植物の生息・生育地など自然環境の改変 1) 動物
事業計画地は雑種地であり、現在はクズ、セイタカアワダチソウ等が生育する草地であ る。このため、直接的な改変による影響を受ける環境は草地のみである。
文献調査により確認された重要な動物のうち、草地にのみ生息する可能性のある重要な 種は、陸域を主な生息域とする分類群(哺乳類、鳥類、爬虫類、昆虫類)のものである。
これらの分類群の重要な種のうち、草地のみに依存する重要な種は確認されなかった。ま た、事業計画地(南九州市頴娃町別府)で確認されている重要な種も認められなかった。
したがって、いずれの分類群の重要な種についても、それらの生息域の直接的な改変はな いものと考えられ、事業計画による改変は、これらの重要な種の生息への大きな影響は生 じないと予測される。
その他の分類群(両生類、魚類、貝類、甲殻類)の重要な種については、いずれも直接 的な改変による生息への影響は生じないと予測される。
2) 植物
事業計画地は雑種地であり、現在はクズ、セイタカアワダチソウ等が生育する草地であ る。このため、直接的な改変による影響を受ける環境は草地のみである。
文献調査により確認された重要な植物のうち、草地にのみ依存する重要な種は確認され なかった。このため、直接的な改変による生育への大きな影響は生じないと予測される。
一方、湿地環境や河川域に生育する藻類の重要な種については、事業計画地は雑種地で あり、湿地環境や河川域ではないことから、いずれも直接的な改変による生育への影響は 生じないと予測される。
3.2.2 施設の存在及び供用
(1) 重要な動植物の生息・生育地など自然環境への影響
本事業は、雑種地を造成し、太陽光パネルを設置するものである。太陽光パネルを設置 する基礎は、大規模なコンクリート基礎等を避けて鋼製杭の基礎を採用することから、施 設の供用後には太陽光パネルの周辺は低茎草地となる。また、草地の管理には、除草剤等 の薬剤は使用しない計画である。さらに、施設の供用に伴う大気汚染物質の排出や振動、
悪臭、水質汚濁の発生はなく、騒音もパワーコンディショナーから発生するごく僅かなも ののみである。
このように、構造物は小規模なものであり、施設の供用に伴う騒音等の発生もごく僅か であること、除草剤等の薬剤も使用しない計画であることから、重要な動物の生息への大 きな影響は生じないと考えられる。また、重要な植物については、施設の供用に伴う生育 への影響は生じないと予測される。
(2) 地域景観への影響
事業計画地の周辺には、主要な眺望点として釜蓋神社、番所鼻自然公園、戸柱自然公園 があるが、図 2‑5 に示したようにいずれも事業計画地から離れていることから、主要な眺 望点及び景観に変化は生じないと予測される。
また、事業計画地は山間の平地に位置し、四方は樹林で囲まれており、主要な眺望点か ら施設を視認することはできないことから、主要な眺望景観に変化は生じないと予測され る。
(3) 人と自然との触れ合いの活動の場への影響
事業計画地の周辺には、人と自然との触れ合いの活動の場として番所鼻自然公園、戸柱 自然公園があるが、図 2‑6 に示したよう事業計画地から離れていることから、利用状況及 び快適性に変化は生じないと予測される。
3.2.3 工事
(1) 建設機械の稼働による影響
事業計画地の周辺には住居、養鶏場があり、建設機械の稼働により、大気質(粉じん等)、
騒音・振動による影響が生じる恐れがある。
大気質(粉じん等)、騒音・振動による影響は、土地の造成及び鋼製の基礎杭設置時に生 じる恐れがあるが、短期間の造成工事であること、大規模なコンクリート基礎等を避けて 鋼製杭の基礎を採用することから、大きな影響は生じないと予測される。
また、67 ページに示す環境配慮を行うことにより、環境影響はさらに小さくなると考え られる。
(2) 工事用車両の走行による影響
事業計画地の周辺には住居等があり、工事用車両の走行により、大気質(粉じん等)、騒 音・振動による影響が生じる恐れがある。
土地の造成では、建設発生土をすべて施設内で処理することにより土砂運搬車両は必要 なく、基礎の工事では、コンクリート基礎等を採用しないことによりコンクリート運搬車 両は必要ない。工事用車両は資材の運搬に用いる車両等のみで、最小限に留める計画であ ることから、大きな影響は生じないと予測される。
また、3.4 に示す環境配慮を行うことにより、環境影響はさらに小さくなると考えられ る。
(3) 工事排水や工事裸地からの降雨時濁水の発生
事業計画地の周辺には農業用水路があり、降雨時に裸地から濁水が流下する恐れがある。
土地の造成をする面積は約 14,873m2あり、造成中や造成後草本が生育する前に豪雨が発 生した場合には、裸地から下流の農業用水路に濁水が流下する可能性があると予測される。
しかし、3.4 に示す環境配慮を行うことにより、流下する水の濁りを除去することが出 来ることから、大きな影響は生じないと考えられる。
(4) 降雨時濁水の発生による重要な動植物の生息・生育地など自然環境への影響
事業計画地の周辺の用水路や河川、ため池に、動物の重要な種及び植物の重要な種が生 息・生育する可能性があり、土地の造成中や造成後草本が生育する前に豪雨が発生した場 合には裸地から流下する濁水により生息・生育への影響が生じる可能性があると予測され る。
しかし、「(3) 工事排水や工事裸地からの降雨時濁水の発生」に示したとおり、3.4 に示 す環境配慮を行うことにより、流下する水の濁りを除去することが出来ることから、重要 な動植物の生息・生育への大きな影響は生じないと考えられる。