4.6 探索を行う単位の切替えによる高速化手法
5.1.1 予備実験 1
総ノード数を変化させた場合の, 制約cP ossibleT oReachの数 , 変数1つ辺りの制約 の数 , 制約1つにかかわる変数の数 を調べた.予備実験1は以下の環境で行った.
実験環境
使用するIPネットワークのトポロジは以下の条件を満たすものとする.
• IPネットワークのトポロジ:Transit-Stub型
• Transitドメイン数:1
• Stubドメイン数:1(Transitノード当り)
• Stubドメイン数:1(Stubドメイン当り)
攻撃元の数が全ノードの10%以下となるように攻撃元数を10にした.IPトーレスバッ クでは,攻撃パケット数を,経路の再構築に必要なパケット数の1/4である10パケット にした.
結果と考察
制約の評価を図5–1に示す.図5–1は,横軸が 総ノードの数(台) ,縦軸が 制約
の数(図中 Num of Const.縦左軸.以下同様) , 変数1つ辺りの制約の数(図中
Num of Const(per One Var).縦右軸.以下同様) , 制約1つにかかわる変数の数(図 中 Num of Var(per One Const).縦左軸.以下同様) となっている.
実験に使用した,IPネットワークのトポロジのパラメータを図5–2に示す.図5–2 は,横軸が トポロジ中に存在する全ノードの数(台) ,縦左軸が トポロジ中に存在 する全リンク数(図中 Num of Links) , 各Stubノードから被害者までの全経路数 (図中.Num of Routes) ,縦右軸が”各Stubノードから被害者までの平均hop数(図中 Num of Average Hops)”となっている.
また,ノード数200の時に100回の試行で生成されたXP ossibleT oReachの要素数別に生 成数を計測したものを図5–3に示す.図5–3は,横軸がXP ossibleT oReachの要素数,縦軸 が100回の実験における生成数となっている.
図5–1:Num of Constより,制約の数はノード数が変化しても変化していない.また,
図5–2:Num of Average Hopsより,今回生成した,ノード数100〜500のトポロジは各 Stubノードから被害者までの平均hop数がほぼ一定であることがわかる.攻撃元をラ ンダムで選択しているので,攻撃元から被害者までの平均hop数も一定であったと考え られる.このため,どのノード数のトポロジでも制約の数が同じになったと考えらる.
Transit-Stub型のトポロジでは,各Stubノードからの平均hop数がノード数を増加し て大きく変化しないのが特徴である.今回実験に用いたトポロジはTransitドメイン数 が1であることも影響し,この特徴が顕著に現れたものだと考えられる.
0 5 10 15 20 25 30 35 40
100 150 200 250 300 350 400 450 500 0
1 2 3 4 5 6 7 8
Node_num
図 5–1 ノード数と 制約の数 , 変数1つ辺りの制約の数 , 制約1つにかかわる 変数の数 の関係図
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000
100 150 200 250 300 350 400 450 500
0 1 2 3 4 5 6 7 8
Node_num
Num_of_Averages_Hops Num_of_Links Num_of_Routes
図 5–2 ノード数と平均ホップ数・リンク数・経路数の関係図
図5–1:Num of Const(per One Var)より,変数1つ辺りの制約の数はノード数が増え れば増えるほど線形に減少している.この結果から,各Stubノードから被害者までの 平均hop数が一定のトポロジならノード数が小さい方が密な制約網が生成されることが わかる.これは,図5–1:Num of Var(per One Const)で制約1つにかかわる変数の数は ノード数が増えれば増えるほど線形に増加している事からも同様の事が言える.
0 20 40 60 80 100 120
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
図 5–3 制約の要素数の分布図
図5–3より,ノード数200の場合では,要素数が1〜10までに多く分布している.ま た,要素数が99の値で100回となっている.これは,被害者からの距離が1ホップの
Transitノードでは攻撃パケットが集中し,今回の100回の試行中すべてにおいて,こ
のTransitノードでIPトレースバックのパケットが通過したという判定が起こったため
である.