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第 6 章 実験 2 :ポインティングによる選択を用いた QWERTY キーボードとの比較 31

6.6 結果および考察

6.6.5 主観評価

本節では,参加者の主観評価について述べる.

キーボードの大きさ

実験で使ったキーボードの大きさについて,CrossBoardについて「小さすぎた」を選択した 1名(P3)を除く7名が大きさが適切であったことを報告している.小さすぎたと報告した参 加者にフリーハンドにて適切な大きさを描いてもらったところ,70.5cmを適切な大きさとし て報告した.この大きさは実験1におけるLarge条件におけるキーボードよりも少し大きな ものである.P3は,「‘L’を入力したかったのに‘P’に触れてしまうのが連続したため」キー ボードの大きさを大きくして欲しいと報告している.また,キーボードの大きさについて,適 切であったと回答したユーザについて「キーがもう少し大きくてもいいと思った」(P2「文 字間の間隔がもっと欲しい」(P7)といった意見があった.2D Keyboardについては全員が大 きさについて適切であったと報告している.

コメント

CrossBoardを慎重にタイプしようとした参加者において,手の震えによってカーソルがキー

ボード境界付近を複数跨いでしまうことによるミスタイプが確認された(P7.この際,ミス

作業負荷

図6.7:参加者ごとの作業負荷.

タイプが発生したことに対してより慎重にタイプしようとすることによって,ますますタイ プミスが誘発される様子が確認された.このような問題については,クロッシングの判定に ついてフィルタ[CRV12]をかけた値を用いることでミスタイプを防止できると考えている.

また,P7は同時に手首が痛くなったことを報告している.このような現象が,P7における

CrossBoardの作業負荷が高かった原因の1つとして考えられる.

単語予測機能に関するコメントとして最も多かったのは,入力した文字数と一致しない文字 数が表示されるため,入力中にどこまで入力したかを忘れるというコメントである(P1P4 P7.このことから,第一候補の単語は入力した文字数と同一の文字数の単語にすべきだと考 えられる.その他にも,キー入力が少しでも外れると適切に単語予測が効かないため,ずっと キーを見て入力する必要があったことから,よりずれたキーを選択した場合でもうまく動くよ うにして欲しいというコメントがあった(P2.このような理由から候補単語を見る余裕がな く,既に候補単語として表示されているのに入力し続けていることがあると感じたという報 告も存在する(P2P4.これに関しては今回使用した空間モデルが,単語予測機能を実装し

ていないWizard of Ozによる文章入力によって収集したものであり,単語予測の結果を見な

がら入力することがなかったためだと考えられる.このことから,空間モデルの収集タスク を見直す必要性があると考えられる.これらの単語予測に関するコメントは,CrossBoardの SUSの得点が比較的低い参加者によるものであり,これらを改善することでユーザビリティ の改善が行えると考えている.

また,類似するコメントとしてトリガボタンを離すと候補単語の選択のみしかできなくな るため,意図した単語が候補単語にない場合に単語を消して入力し直す必要があったことが 報告されている(P6).このような振る舞いは,他の実験参加者にも多く見られたため,候補 単語についてより多くの候補単語表示機能を実装すべきだと考えている.

その他のCrossBoardに関するコメントとしては,「消去する際に思っていないところが消

されてしまう(多分こする箇所が他の単語にまでかぶっていた)ことがあった」(P1「キー 配列になれることが最後までできなかった」(P2「トレーニングによって高速な入力が可能 になりそう」(P3)などが報告された.

2D Keyboardについては,誤入力に関するコメントが頻繁に報告された(P1–2,P4,P6–8). 改善策としてキー間に間隔を開けることで誤入力が減るのではないかという意見(P2P4 や,単語予測機能を求める意見(P2)があった.この誤入力の原因は,トリガボタンを引い た際に生じるコントローラのブレだと報告されており(P8,この誤入力が発生したときにす ぐに気づくことが難しいという報告もあった(P7.また,片方のカーソルのみが有効となる 実装が操作しづらいということについても報告されている(P7).

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