• 検索結果がありません。

2-3. クール/ヒートピット内温湿度の実測概要

表2.12.に実測スケジュールを、表2.13.に各校クール/ヒートピット内空気温湿度および躯体表面温度測定

点を示す。外気導入経路に沿って各校4点ずつメモリー付温湿度計と表面温度計により測定した。測定位置は それぞれ、ピット断面の中央およびその直下の土壌と接する床面とした。測定間隔はいずれも10分間、解析 期間は2012年7月2日から9月21日(夏期)、2012年11月26日から2013年2月15日(冬期)とした。なお、

A校のみクール/ヒートピット使用頻度が低いことから、一部に2009年の実測データを使用している。外気 温湿度はA校の北側緑地帯にある百葉箱下で測定した。また、全天日射量と、欠測のあった2012年9月3日 から5日の外気温湿度は気象庁(東京)のデータを使用した。

表2.12.実測スケジュール

表2.13.クール/ヒートピット内温湿度と床表面温度測定点

A校 B校

C校 D校

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4

D校

2013 2009

A校 B校 C校

…実測期間

…竣工

2010 2011 2012

入口 中間部1

表2.14. A校実測点項目 表2.15. B校実測点項目

表2.16. C校実測点項目 表2.17. D校実測点項目

以下に、本研究で使用した測定機器を示す。本研究では、メモリー付温湿度計とメモリー付表面温度計(㈱

TANDD製)およびクランプ式電力計(日置電機株式会社製)を用いた。

表2.18. 測定機器

温湿度・表面温度測定 消費電力測定(B 校と D 校のみ)

メモリー付温湿度計,

メモリー付表面温度計

クランプ式電力計 クランプセンサ

TandD RTR-53,

TandD RTR-52

HIOKI クランプオンパワーハ イテスタ 3618

HIOKI クランプオンセンサ 9298

学校名 グループ 種類 名前 設置場所 学校名 グループ 種類 名前 設置場所

gaiki RTR-53 air-1→yobi2 百葉箱(外気温) RTR-53(大) a-air-1 ピット入口

RTR-53 air-2 ピット入口 RTR-53(大) a-air-2 ピット中間部1

RTR-53 air-3 ピット中間部1 RTR-53(大) a-air-3 ピット中間部2

RTR-53 air-4 ピット中間部2 RTR-53(大) a-air-5 ピット出口

空気温湿度 RTR-53 air-6 ピット出口 RTR-53(大) a-air-7 ピット出口(最深部)

計5点RTR-53 air-7 ピット出口(最深部) RTR-53(大) a-air-8 ピット出口(体育館側)

表面温度 RTR-52 the-3 ピット入口 RTR-52 a-sur-1 ピット入口

計4点RTR-52 the-4 ピット中間部1 空気温湿度 RTR-52 a-sur-2 ピット中間部1

RTR-52 the-5→air113 ピット中間部2 計6点RTR-52 a-sur-3 ピット中間部2

RTR-52 the-10 ピット出口 表面温度 RTR-52 a-sur-5 ピット出口

room RTR-53 2F-E-2 東棟2階普通教室黒板裏 計5点RTR-52 a-sur-7 ピット出口(最深部)

空気温湿度 RTR-53(大) 2F-E-D2 東棟1階ブースター前(ダクト内) RTR-53 a-2F-c3 2階室内機手前

計4ヵ所RTR-53(大) 3F-E-D22 東棟3階ブースター前(ダクト内) RTR-53 a-3F-c1 3階教員用机付近(代表室温)

RTR-53(大) 1F-E-D1 東棟2階ブースター前(ダクト内) 空気温湿度 RTR-53 a-3F-c3 3階室内機手前 計4点RTR-53 a-4F-c3 4階室内機手前 空気温度計1点RTR-52 a-gym 体育館吹出し口 A校

trench

B校 ama-tre

ama-room

学校名 グループ 種類 名前 設置場所 学校名 グループ 種類 名前 設置場所

RTR-53(大) s-air-9 ピット入口 RTR-53 i-air-1 ピット入口

RTR-53 yobi-4 ピット中間部1 RTR-53 i-air-2 ピット中間部1(OAダクト入口)

空気温湿度 RTR-53(大) s-air-10 ピット中間部2(ダクト入口) 空気温湿度 RTR-53 i-air-3 ピット中間部2(OAダクト入口)

計4点RTR-53(大) s-air-11 ピット出口 計4点RTR-53 i-air-4 ピット出口(OAダクト入口)

表面温度 RTR-52 s-sur-9 ピット入口 表面温度 RTR-52 i-sur-1 ピット入口

計4点RTR-52 s-2F-d2 ピット中間部1 計4点RTR-52 i-sur-2 ピット中間部1

RTR-52 s-sur-10 ピット中間部2(ダクト入口) RTR-52 i-sur-3 ピット中間部2

RTR-52 s-sur-11 ピット出口 RTR-52 i-sur-4 ピット出口

shou-room RTR-53 s-2F-d1 2階教員用机付近(代表室温) RTR-53 i-1F-e-a1 1階教室代表室温

空気温湿度 RTR-53 s-2F-d3 2階外調機手前 RTR-53 i-1F-e-a2 1階給気ファンの前

計3点RTR-53 s-3F-d3 3階外調機手前 空気温湿度 RTR-53 i-2F-e-a1 2階a教室代表室温

計5点RTR-53 i-2F-e-a2 2階a給気ファンの前 RTR-53 i-3F-e-a2 3階給気ファンの前 外気 RTR-53 yobi-2 3階外気取込口 C校

shou-tre

D校 igu-tre

igu-room

2-3.1. A

A校における実測は2009年に行われた2.1)。A校は最長の距離をもつが、末端部までは直径600[mm]の人通 口を15か所くぐりぬける必要がある。流路の断面中央に設置するため、中間部では人通口の中心部に温湿度 センサーを配置するようにおんどとりを取り付けた。ピット出口は縦ダクトの径の中心部分に取り付けた。

写真2.6. A校クール/ヒートピット内温湿度実測の様子(左:入口,中:中間部,右:出口)

B校における実測機器の設置は2011年6月に行われた2.2)。B校は無梁断面であり人が歩行するのに十分な 天井高さを持つ。なるべく曲がり角や分岐点の近くを避け、気流が安定すると考えられる直進部分にセンサー を配置した。

また、室内機消費電力を、2~4階の普通教室部EPS内で測定した。

写真2.7. B校クール/ヒートピット内温湿度実測の様子(左:入口,中:中間部,右:出口)

写真2.8. B校温湿度実測の様子(左:中間部1床表面温度,中:室内機手前,右:体育館吹出し口)

2-3.3. C

C校における実測機器の設置はB校と同時期の2011年6月に行われた2.3)。ピット中間部2とピット出口は、

断熱ダクトの入口と出口にそれぞれ取り付けた。

写真2.10. C校クール/ヒートピット内温湿度実測の様子(左:入口,中:中間部2(断熱ダクト入口),右:出口)

写真2.9. B校消費電力測定の様子(左・中:3階室内機消費電力測定,右:操作盤の様子)

D校における実測機器の設置は2012年に行われた2.4)。D校は距離が最短のため、中間部1・2の空気温湿 度センサーはOA縦ダクトの入口にとりつけた。また、床表面温度センサーは各梁間の中心にとりつけた。

写真2.11. D校クール/ヒートピット内温湿度実測の様子(左:入口,中:中間部2,右:出口)

写真2.12. D校消費電力測定の様子(左・中:換気ファン電力測定,右:全熱交換器電力測定)

--- ---

■第2章 - 参考・引用文献等

2.1)武藤大樹『学校建築におけるクールヒートトレンチに関する実測研究―夏季の室内温熱環境改善効果―』

2009年度首都大学東京都市環境学部建築都市コース卒業論文

2.2)木下雅広『都内の小学校における無梁断面クール/ヒートピットの夏期の性能に関する実測研究』

2011年度首都大学東京都市環境学部建築都市コース卒業論文 2.3)武藤大樹『学校建築におけるクール/ヒートピットの性能に関する研究』

2011年度首都大学東京都市環境科学研究科建築学域修士論文

2.4)増井周平『従来の問題点改善を図ったクール/ヒートピットの冷却効果に関する研究』

2012年度首都大学東京都市環境学部建築都市コース卒業論文

第3章. 各校におけるクール/ヒートピットの実測結果と考察

第3章では、東京都杉並区立の4校におけるクール/ヒートピットの熱性能および空気質について、解析全 時間での時系列変動や全時刻における熱交換量などの視点で、1校ずつ考察した実測結果を示す。第3章で考 察した内容をまとめて、並べて比較したものを、第4章で示す構成としている。なお、外気負荷削減率等の計 算方法詳細は第4章にて示す。

以下に、3-1~4において考察した項目を示す。

■熱性能

①クール/ヒートピット内空気温度の長期変動

②クール/ヒートピット使用時の空気温度変動

③クール/ヒートピットの床表面温度変動

④クール/ヒートピットによる外気負荷削減率

⑤クール/ヒートピットによる外気負荷削減量の顕熱および潜熱分

⑥外気導入経路の各点における空気温度変動幅

⑦外気導入経路の各点間における顕熱および潜熱の冷却・加熱量

■空気質

⑧夏期におけるクール/ヒートピットの床表面結露

⑨夏期におけるクール/ヒートピット内のカビ指数

⑩多湿期除湿量の年変化(2年間実測を行い、両年とも十分にクール/ヒートピットが使用されたB・C校)

■その他

⑪各校の観察から得られたクール/ヒートピットを含む空調システム設計に関する知見

3-1. A

3-1.1. クール/ヒートピット内空気温度の長期変動

図3-1.1a・bにA校クール/ヒートピットにおける空気温度(夏期のみ相対湿度を含む)の長期変動を示す。

A校はクール/ヒートピットの使用日が夏期と冬期ともに4日ほどしかなく、外気が流入することが少ない ため、外気の日較差に比べて非常に安定した温度変動を示している。

夏期において、ピット中間部の温度がはじめ20[℃]であるのが、7月終わりには23[℃]になるなど、緩やか にピット内温度が上昇している様子が分かる。9月23日など外気温が約20[℃]になると、ピット入口温度と出 口温度が逆転している。

また、7月は相対湿度が90[%RH]を超える日が多く、結露の発生が懸念されるが、9月になると平均80[%RH]

程度まで下がることが分かる。

図3-1.1a. A校におけるクール/ヒートピット空気温度変動(7月・2012)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60

2012/7/2 0:00 2012/7/9 0:00 2012/7/16 0:00 2012/7/23 0:00 2012/7/30 0:00

相対湿度[%RH]

温度[℃]

外気温度 入口 中間部1 中間部2 出口 外気湿度 中間部2 出口

図3-1.1b. A校におけるクール/ヒートピット空気温度変動(9月・2012)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60

2012/9/3 0:00 2012/9/10 0:00 2012/9/17 0:00 2012/9/24 0:00 2012/10/1 0:00

相対湿度[%RH]

温度[℃]

外気温度 入口 中間部1 中間部2 出口 外気湿度 中間部2 出口

冬期は、11月初めに中間部温度が18[℃]であるのが12月には15[℃]となるなど、緩やかに温度が低下して いくことがわかる。中間部1・2および出口よりも入口が5[℃]程度低く、外気の影響を受けていると考えられ る。

図3-1.1c. A校におけるクール/ヒートピット空気温度変動(11~12月・2012)

-5 0 5 10 15 20 25

2012/11/19 0:00 2012/11/26 0:00 2012/12/3 0:00 2012/12/10 0:00 2012/12/17 0:00

温度[℃]

外気温度 入口 中間部1 中間部2 出口

図3-1.1d. A校におけるクール/ヒートピット空気温度変動(1~2月・2013)

-5 0 5 10 15 20 25

2013/1/21 0:00 2013/1/28 0:00 2013/2/4 0:00 2013/2/11 0:00 2013/2/18 0:00

温度[℃]

外気温度 入口 中間部1 中間部2 出口

3-1.2. クール/ヒートピット使用時の空気温度変動

図3-1.2a・bに夏期、図3-1.2c・d に冬期1週間分のA校クール/ヒートピット内空気温度変動を示す。主

に平日にクール/ヒートピットが使用されるため、外気が流入することで特徴的な変動を示すことがわかる。

夏期は、ファンが稼働すると入口温度が上昇し、出口温度が下降する。教室内側に近くその温度の影響を受 けながら停滞していた出口付近の空気が、ピット内を通過しながら冷却された外気と入れ替わったためと考え られる。ファン稼働時にはピット出口にて安定的に低温の空気が得られ、外気との温度差はグラフ中で最大

9.5[K]である。ピット出口と外気との温度差が最も大きいのは、外気温が最高となる14時ごろである。

図3-1.2a. A校におけるクール/ヒートピット空気温度変動(7月・2009)

0 2 4 6 8

15 20 25 30 35

2009/7/13 0:00 2009/7/14 0:00 2009/7/15 0:00 2009/7/16 0:00 2009/7/17 0:00 2009/7/18 0:00 2009/7/19 0:00 2009/7/20 0:00

全天日射量[MJ/m2]

温度[℃]

外気温度 入口 中間部1 中間部2 出口 全天日射量 MJ/m2

稼働 稼働 稼働 稼働 稼働

図3-1.2b. A校におけるクール/ヒートピット空気温度変動(9月・2009)

0 2 4 6 8

15 20 25 30 35

2009/9/7 0:00 2009/9/8 0:00 2009/9/9 0:00 2009/9/10 0:00 2009/9/11 0:00 2009/9/12 0:00 2009/9/13 0:00 2009/9/14 0:00

全天日射量[MJ/m2]

温度[℃]

外気温度 入口 中間部1 中間部2 出口 全天日射量 MJ/m2

稼働 稼働 稼働

関連したドキュメント