2002
年度の 新規融資承認総額IBRD
:4
億5,180
万ドルIDA
:1
億270
万ドル2002
年度の 融資実行総額IBRD
:5
億1,460
万ドルIDA
:1
億1,700
万ドル2002
年6
月30
日現在において実施中のプロジェクトのポートフォリオ:
54
億ドル間で従来から行われている技術支援パートナーシ ップの一環としてのこの非融資サービスには、多 角化戦略、人的資源開発、民間セクター開発、及 び公共セクター改革などがあります。技術支援と しては、技術・政策助言、キャパシティ・ビルデ ィング、プロジェクトの設計・実施、及びコンセ ンサスの形成などが行われました。ほとんどの場 合、この技術支援は必要に応じて行われました が、援助受入国が責任を負う包括的技術支援フレ ームワークの色彩が強まりました。サウジアラビ アは、従来から一貫して世銀の技術支援を受けて います。クウェートも、毎年実施される「技術協 力プログラム」を開始しました。クウェートに対 しては、世銀は、投資環境、雇用創出、民間セク ターの参加、及びインフラ・セクターの改革など について助言サービスを行っています。
投資環境の構築
投資環境と雇用の改善、及び持続可能な開発の 可能性の強化については引き続き重点が置かれて います。中東・北アフリカ地域のほとんどの国々 は、投資環境を改善するマクロ経済政策の実施面 でかなり進展しました。しかし、過度の規制と官 僚的形式主義の改善、税金・関税・投資制度の改 善、金融・労働市場の効率的な機能の確保、及び 質の高いインフラを特に中小企業(SME)などが 安価な料金で利用できる機会の拡大などは、依然 として大きな課題として残されています。
モロッコでは「投資環境調査」に基づいて新規 企業の参入と成長を促進するための施策が決定さ れました。チュニジアでは、世銀と同国政府の合 同プログラムである
“Fonds d’Accés aux Marchés d’Exportation (FAMEX)”
が、民間企業に輸出マ ーケティングなどの分野で支援を行っています。2001 年に限っても、同プログラムは 100 を超える 新たな輸出企業に支援を行いました。(モロッコ とチュニジアの他)アルジェリアのSME による市 場と情報の利用機会を拡大するために、世銀は最 近、SME 交流プログラムを開始しました。このプ ログラムは、地中海の両岸の商工会議所を結び付 けるものです。現在、ヨルダンは民営化プログラ ムを実施していますが、これは域内で最大の成果 を上げています。この民営化プログラムに基づい て民営化された企業は、GDP の約 12%の売上を記 録し、6,000 人を超える雇用を創出し、通信料金の 引き下げという形で消費者に便益を提供し、かつ 電話の設置までの待ち時間を短縮しています。さ らに運輸セクターでは、利用できるバスの台数が 増加して、利用者数も増加しました。この民営化 プログラムは、世銀グループが「ヨルダン民営化 プログラム」を支援する米国国際開発庁の信託基 金を管理するパートナーシップに基づいて行われ ています。
貧しい人々のエンパワーメント
2002 年度には、世銀援助を受けた多くのイニシ アティブは、貧しい人々と脆弱な人々のエンパワ ーメントに貢献しました。中でも最も顕著なのは
「社会基金プログラム」です。アルジェリアでは、
劣悪な環境にある多くの「スラム」(社会サービ スの提供がなく、治安の悪いバラック地区)を対 象として28 の社会事業センターを建設するプログ ラムによって、これらのスラム地区に、テロの犠 牲者のための心理的、精神医学的及び肉体的なリ ハビリ、学校を退学した子供達に対する支援、保 囲み
5.8
環境パートナーシップと研修―普通の人々による活動
「乾燥地帯の管理に関する地域イニシアティブ」に基づ いて、世銀は、パートナー(エジプト、イスラエル、ヨ ルダン、パレスチナ自治政府及びチュニジア)が、生産 性の向上と辺境地の生活水準の改善を目的として、天然 資源の持続可能な管理に関して、技術協力関係を構築し、
かつノウハウを共有するのを支援しています。チュニジ アのガベス地域では、同イニシアティブは、若い農民に 対して、辺地のディッサに定住し、ガベス・プラントで 処理された排水を使用して灌漑農業を始めることを奨励 しています。同イニシアティブは、この活動を通じて雇 用を創出すると同時に、天然資源を保全することを目指 しています。ヨルダン(ワディ・ムジブ地域)では、新 たな貯水施設は
3
年続いた深刻な旱魃を乗り切ることがで きました。その結果、この技術を他の地域に適用する計 画が進められています。貯水を作るための土手は、サボ テンを植えることにより強化されました。この技法はチ ュニジアから学んだものです。農家は、このサボテンを 採取し、家畜の飼料や収入源として利用します。エジプ ト北東部のワディ・ウム・アシュタン集水地では、現地 のベドウィン(遊牧民)の協力を得て、改良型飼料を得 るための種子収集プログラムが広い範囲で行われた他、簡素な貯水技法が活用されました。その結果、年間平均 降雨量が
150mm
に過ぎない不毛地であったこの地域は、生産性の高い農地に生まれ変わりました。
健・医療と教育に対する両親の意識を高めるため のプログラム、社会的権利に関する情報、予防注 射、若者を対象としたスポーツ活動、文化プログ ラム、などの様々なサービスが提供されました。
イエメンとエジプトでは、社会基金は、地域社 会、政府の省庁及びNGO の間で効果的なパートナ ーシップを構築し、かつこれら関係者に対するキ ャパシティ・ビルディングを通じて、「地域社会が 参加するという文化」を創造しています。エンパ ワーメントは、父兄協議会、保健協議会及び給水 利用者協議会などの地域組織に対しても行われて います。サブプロジェクトの対象分野は、教育・
保健サービス、革新的な貯水プロジェクト、環境 対策、小口融資、雇用創出及び観光に直接影響を 与え、地域社会に所得をもたらす文化遺産保全対 策に及んでいます。イエメンでは、これらの活動 から直接便益を受けた人が 460 万人、間接的に便 益を受けた人が約 100 万人となっています。エジ プトでは、女児の小学校就学率を引き上げること も、世銀援助を受けた教育・社会基金プログラム の主目標の1つになっています。「エジプト教育強 化プロジェクト(EEP)」に基づいて、孤立した貧 しい地域社会に学校が新設され、就学率が上昇し、
過密教育が緩和されました。この EEP に基づい て、200 を超える地域意識向上キャンペーンが行 われ、かつ不利な状況に置かれている 22,000 人を 超える子供達に支援が行われた結果、女子に対す る教育を要求する両親が増加しました。NGO、地 域社会の指導者(女性を含む)及び宗教指導者は、
両親に対し、子供達、特に女児を学校に通わせる
よう説得する上で重要な役割を果たしています。
イエメンで最近実施された「保健支援プロジェク ト」は、中東・北アフリカ地域における保健セク ターの問題に対する世銀の多面的アプローチの好 例です。このイエメンのプロジェクトは、8 つの地 域(総人口: 150 万人弱)の母親と子供に対して 高水準の様々な保健サービスを提供することで、
サービス改善を図るものです。また、同プロジェ クトは、マラリアなどの風土病を撲滅するための 公衆衛生プログラムも推進し、さらに、限られた 資金を効果的に配分し、効率的に使用するために、
保健システムの管理も改善することが見込まれま す。
グローバル・レベルの優先事項 伝染病
エジプトでは、世銀は、「全国住血吸虫病抑制プ ログラム(NSCP)」の拡大を支援すると共に、科 学研究能力と公衆衛生プログラムの強化のための 技術支援を行いました。現在、NSCP は、エジプ トの農村部の全人口(約3,500 万人)を対象として います。モロッコでは、世銀は、「基礎的保健プロ ジェクト」に基づいて、「TB 抑制・予防注射拡大 プログラム」を支援しました。その結果、設備能 力が増強され、権限委譲も行われました。TB に関 しては、患者発見率と治療率は共に 90%に達して おり、治療失敗率は 1%未満となっています。1 歳 未満の幼児に対する DPT3(ジフテリア、百日咳 及び破傷風の混合ワクチン)と麻疹ワクチンの接 種率は、それぞれ 92%と 90%となっています。都 市部と農村部では、それほど大きな差異はありま せん。同プロジェクトに基づいて、世銀はモロッ コの全国エイズ対策プランの策定を支援しました。
このプランは、2001 年秋に開かれた全国ワークシ ョップの際に同国政府から承認されました。
中東・北アフリカ地域の各国は、GDP の 5%を 超える資金を保健システムに投入しています。し かし、保健に関する成果は、あまり芳しくない場 合が多くみられます。その理由は、保健システム が、組織、質及び効率性に関する深刻な問題を抱 えているためです。エジプト、イラン、ヨルダン、
モロッコ及びチュニジアでは、世銀は、プロジェ クト及びシステム全体の改革を中心とした助言サ ービスを通じて、これらの国々を支援しています。
貿易と統合
中東・北アフリカ地域の世界経済との統合のペ ースが遅いことを踏まえ、世銀は、融資・非融資 サービスを通じて、同地域の世界経済との統合を
イエメンでは、地域社会との契約で伝統的な貯水施設が建造されてい ます。