第5章 教育行財政
5.2 教育財政
5.2.7 中期的教員需要・経費予測
初等教育の学齢人口は、2007年から2015年の間に約120万人増加すると予測されており、
教室施設建設のニーズはますます高まる(表 5-6)(教育省、2007b)。同時に教員に対する ニーズも高まり、2007 年には年間 2,449 人の新卒教員を提供することが必要とされたが、
2015年には年間4,000人の教員養成が必要となる。
表5-6 現在の初等教員数及び離職者数に基づく教員数予測(2006年~2015年)
2006
(実績) 2007 2008 2009 2010 2015
初等教育学齢人口予測128 2,693,009 2,849,498 3,013,948 3,187,064 3,368,420 4,046,572 研修修了新任教員数合計 2,576 2,614 2,665 3,165 3,165 4,165
TTC卒業生数 2,411 2,449 2,500 3,000 3,000 4,000
民間教員養成機関卒業
生数 165 165 165 165 165 165
遠隔教育コース卒業生
数 0 0 0 0 0 0
教員離職者数 (4.79%) 2,069 2,093 2,118 2,145 2,193 2,720 全体教員数 43,197 43,704 44,224 44,771 45,792 56,791
(出所:教育省、2007b)
ただし、2007 年に作成された国家教員教育開発戦略によると、毎年の新規雇用数を増加 させても、現在の離職率を考慮すると、教員数は2006年の43,197人から、2015年には56,000 人程度にしか増加しないと予測される(表5-6)。実際には、表4-2に示すとおり2011年の
128 本報告書の「4.1.1学齢人口統計」では、2008年の人口センサスに基づいて推計された教育省 教育統計2011の数値(2011年の初等教育学齢人口予測値は3,201千人)を用いた。表5-7の学 齢人口予測は1998年人口センサスに基づいて推計された数値であるため、上記4.1.1記載の予測 値と異なっている。
初等教育教員数は 53,031 人(教育省、2011)であったことから、表 5-7の予測値よりも速 いペースで教員数が増加している。
同開発戦略は2つのシナリオを示す。シナリオAは、今後も総就学者数と教員一人当た り児童数が 2006 年と同じ状態であるとするケースで、2015 年に必要とされる教員数は 65,000人とする。シナリオBは、2015年までに総就学率は107%に低下し、教員一人当た り児童数が60人に改善するとするケースで2015年の必要教員数は72,000人とする。2011 年の教員数(実績)に基づくと、シナリオAでは12,000人の不足で2015年までに達成する には毎年3,000人(離職者数も反映させると毎年5,000人以上)の増加が必要となる。シナ リオBでは2011年で約20,000人の不足であり、今後毎年5,000人(同7,000人以上)の増 加が必要となる(教育省、2007b)。
2012年の新卒教員の給与は20,000MK/月(240,000MK/年、うち農村部勤務手当5,000MK)
である(基礎教育局長へのヒアリング)。したがって、既存の教員の昇給分に加えて、新 規雇用教員の給与として、シナリオ Aでは720 百万MK、シナリオBでは1,200百万MK の予算を毎年増加していくことが必要となる。
一方、中等教育の学齢人口は、2007年から2015年の間に約50万人増加すると予測され た(表5-7)。一方、現行では、毎年の離職者数(全体の9.78%)の3分の1に相当する数 の教員しか養成できる体制にないことから、現状のままでは、全体教員数は2006年の10,368 人から2015年には6,144人に減少すると予測された(以上、教育省、2007b)。
表5-7 現在の中等教員数及び離職者数に基づく教員数予測(2006年~2015年)
2006
(実績) 2007 2008 2009 2010 2015
中 等 教 育 学 齢 人 口
予測 1,099,595 1,126,633 1,149,120 1,167,099 1,182,399 1,608,686 新卒教員合計 330 330 330 330 330 330
ドマシ・カレッジ
卒業生数 130 130 130 130 130 130 その他新卒教員 200 200 200 200 200 200 教 員 離 職 者 数
(9.78%) 1,014 947 887 832 783 601
全体教員数 10,368 9,684 9,067 8,510 8,008 6,144
(出所:教育省、2007b)
表5-7の学齢人口と新卒教員数の予測に基づいて、i)総就学率20%で教員一人当たりの 生徒数は現状のままとするケース(シナリオA)、及びii)総就学率30%で教員一人当たり の生徒数を30とするケース(シナリオB)の2つのシナリオを想定して、教員必要数と不 足数を計算すると表 5-8の通りとなり、どちらのシナリオでも2015 年までに9,000人の教 員が不足する計算となり(教育省、2007b)、中等教育のアクセス及び質の向上ともに非常 に厳しい状況である。
表5-8 2つのシナリオに基づく中等教員ニーズ及び不足数(2007年~2015年)
シナリオA
2006
(実績) 2007 2008 2009 2010 2015
中等教育GER(%) 20 20 20 20 20 20
中等教育就学者数 219,919 225,327 229,824 233,420 236,480 321,737
中等教育PTR 21 21 21 21 21 21
教員必要数 10,368 10,730 10,944 11,115 11,261 15,321 教員不足人数 - (1,046) (1,877) (2,605) (3,253) (9,177)
シナリオB
中等教育GER(%) 20 20 21 22 23 30
中等教育就学者数 219,919 225,327 241,315 256,762 271,952 482,606
中等教育PTR 21 21 22 24 25 30
教員必要数 10,368 10,730 10,969 10,698 10,878 16,087 教員不足人数 - (1,046) (1,902) (2,188) (2,870) (9,943)
(出所:教育省、2007b)