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4.7 実験

4.7.2 下位概念

以上の結果から,上位カテゴリ数を30,物体,動き,場所,人物のカテゴリ数 はそれぞれ32,19,6,4として,mMLDAと近似モデルによって概念形成を行い,

各概念の評価を行った.

Object index

(a) (b) (c)

Category index

5 10 15 20 25 30

20 40 60 80 100 120

Object index

Category index

Object index

Category index

5 10 15 20 25 30

20 40 60 80 100 120

5 10 15 20 25 30

20 40 60 80 100 120

図 4.5: 物体の分類結果:(a)正解,(b)mMLDA,(c)近似モデル

Motion index

(a) Category index

Motion index

(b) Category index

Motion index

(c) Category index

5 10 15

20 40 60 80 100 120

20 40 60 80 100 120

20 40 60 80 100 120

5 10 15 5 10 15

図 4.6: 動きの分類結果:(a)正解,(b)mMLDA,(c)近似モデル

番号である.図4.6(a)が人手による分類であり,物体と同様,この分類を正解 として,各種法の分類を評価した.図4.6(b)がmMLDAによる分類結果,図4.6

(c)が近似モデルによる分類結果である.正解の分類(図4.6(a))と比較すると,

mMLDA(図4.6(b))の分類精度は81.06%となり,近似モデル(図4.6(c))の 分類精度は75.00%となった.mMLDAと近似モデルによる動き概念の形成結果の 差異は,「中身をかける(14)」の分類結果で見ることができる.mMLDAの分類結 果では,この動きを一つに分類することができた.一方,近似モデルではこの動 きを二つのカテゴリに分類してしまい,一部は「中身を注ぐ(15)」と同一のカテ ゴリとなった.これらの分類結果に対する要因として,物体概念の例と同じよう

Place index

(a) (b) (c)

Category index

1 2 3 4

20 40 60 80 100 120

Place index

Category index

Place index

Category index

20 40 60 80 100 120

20 40 60 80 100 120

5 6 1 2 3 4 5 6

図 4.7: 場所の分類結果:(a)正解,(b)mMLDA,(c)近似モデル

に似通った知覚情報のみによる分類が困難なことが挙げられる.この場合,似た 動き情報だけを手がかりとして分類する近似モデルでは動き概念を細かくしてし まった.これに対して,動き概念と関係する物体や場所なども手がかりとして概念 を形成するmMLDAでは,正しく一つのカテゴリに分類することができている.

物体と同様,図4.7が人手による場所概念の分類であり,この分類を正解として,

mMLDAと近似モデルの分類を評価した.図4.7(b)がmMLDAによる分類であ

り,図4.7(c)が近似モデルによる分類結果である.正解の分類(図4.7(a))と 比較すると,mMLDA(図4.7(b))と近似モデル(図4.7(c))の分類精度は共

に96.97%であった.本実験で用いた場所に関するデータにはノイズや曖昧性がほ

とんどないため,提案手法と近似モデルの結果に差がなかったと言える.

次に,mMLDAと近似モデルによって形成された人物概念を評価した.図4.8

(a),図4.8(b),及び図4.8(c)がそれぞれ,人手による分類,mMLDAの分類結 果と近似モデルの分類結果を示している.他の概念と同様,図4.8(a)を正解の分 類として,両モデルによる分類結果を比較すると,それぞれ75.75%及び71.21%と なった.このようにmMLDAの学習では,知覚情報と概念間の関係を手がかりと して学習するため,下位層に生じる誤分類を概念間の関係によって修正すること が可能である.

以上のように,下位概念の形成結果において,どの概念に対しても近似モデル

に比べmMLDAの方が,より正解に近い概念が形成された.これは,上位層を介

Person index

(a) (b) (c)

Category index

1 2 3 4

20 40 60 80 100 120

Person index

Category index

Person index

Category index

20 40 60 80 100 120

20 40 60 80 100 120

1 2 3 4 1 2 3 4

図 4.8: 人物の分類結果:(a)正解,(b)mMLDA,(c)近似モデル

して概念間の関係を手がかりとして用いた分類を行うmMLDAの方が,下位層の 各概念に入力される知覚情報のみを用いる近似モデルに比べ,より人の感覚に近 い分類が可能であることを意味する.