※第一東京弁護士会刑事弁護委員会編「国選弁護活動の手引き 上訴審編」(以下「手引き」という。)の紹介を兼ねて※
1 はじめに
1)上訴審弁護の充実の必要性
2)スキルアップの必要性と手引き作成の経緯等 ア スキルアップの必要性
イ 手引き作成の経緯
ウ 手引き活用の勧め(上訴審弁護について不安になったら、手引きの「上 訴審弁護の 10 箇条」を読もう。手続の流れを確認しよう《手引き 1 頁、
44 頁》)。
2 控訴審弁護
1)事後審の弁護だとの意識を持とう(手引き 6 頁)。
ア 意識改革の必要性→①基本は、原審での主張・立証を前提として、被告 人の意向を踏まえて、原審の審理・判決を争うこと。←中心的視点として、
原審・原判決にある論理則違反・経験則違反に着目すること(事実誤認の 意義とその判示方法を説示した最決平成 24 年 2 月 13 日刑集 66 巻 4 号 482 頁、手引き 40 頁等参照)、②当事者追行主義への対処
イ 1 審との訴訟構造の違いを理解しておく←訴訟のプロの活躍段階の手続
←被告人は、出頭義務を負わず(法 390 条)、弁論能力がなく(法 388 条)、
最終意見陳述もできない(手引き 11 頁)。
控訴審弁護人としての最大の課題は、控訴趣意書等を作ることにある。
* 第一東京弁護士会刑事弁護委員会編「国選弁護活動の手引き 上訴審編」(以下「手引 き」という。)の紹介を兼ねて
ウ 控訴審の実情を理解しておく←被告人側の控訴事件の破棄率が 10%を 切っていること(手引き 17 ~ 18 頁)、1 回結審が原則で(手引き 12 頁)
審理予定時間も通常 30 分であること等。
2)事前の作業
ア 記録の早期把握←1審弁護人からの記録の引き継ぎの実行(手引き4頁)。
控訴審における証拠開示(手引き 12 頁、40 頁)も?
イ 事実取調べ請求←①法 382 条の 2 による「やむを得ない事由」の疎明の 厳格な実行、②被告人質問もその請求が必要なこと、③請求証拠の番号は、
控訴審での新たな番号であって、1 審からの連続番号ではないこと、④ 30 分の審理枠の 1 回結審を前提として、人証の範囲や所要時間を絞り込むこ と、⑤事実取調べが行われないと、弁論をする機会もないこと(法 393 条 4 項、手引き 11 頁)等に留意。
3)控訴趣意書
ア 控訴趣意書の作成(手引き 21 頁、見本は手引き 57 頁)
控訴趣意書の作成には、被告人との意思疎通(手引き 15 頁、記録の差 し入れ・手引き 20 頁* 8、弁護人の適正管理・罰則等・法 281 条の 3 ~ 281 条の 5)が重要で、被告人の 1 審の審理や判決に対する不満を的確に 把握し(手引き 15 頁)、その内容を控訴趣意書へ反映させることが肝要で ある。
提出期限厳守(提出期限徒過と決定による控訴棄却《法 386 条 1 項 1 号》)、
控訴趣意補充書の活用(手引き 22 頁)、裁判所による職権判断を求める余 地(手引き 23 頁* 9)。
イ 被告人作成の控訴趣意書の取扱(手引き 23 頁)
ウ 控訴趣意書作成の着眼点(手引き 25 頁)と主張の仕方
控訴趣意の中心は、事実誤認(法 382 条)、量刑不当(法 381 条、手引 き 27 頁)、訴訟手続の法令違反(法 379 条)、法令解釈適用の誤り(法 380 条、手引き 29 頁)。
理由不備・理由齟齬(手引き 28 頁)の主張内容は、絶対的控訴理由(法 378 条 4 号)に相応するものであるべき(手引き 25 頁)。
主張の仕方は、①総花的でなくポイントに即して主張、②法 397 条 1 項、
2 項の違いを意識し(手引き 25 頁)、主張の根拠を明示。新たな証拠に基 づく主張(手引き 29 頁)。
エ 量刑不当(法 381 条、手引き 27 頁)
①破棄を求める類型を意識して主張を整理 ② 2 項破棄を求める控訴趣 意(手引き 33 頁)
オ 事実誤認(法 382 条)
カ 訴訟手続の法令違反(法 379 条)
キ 法令適用の誤り(法 380 条、手引き 29 頁)
4)控訴審弁護の三種の神器
ア 原判決(原判決の問題発見の 3 類型)
イ 原審記録
①第 1 分類の重要性 ②証拠等関係カードの活用 ③証拠検討のポイント ウ 被告人
①被告人は控訴趣意決定の情報源 ②被告人との応接 5)控訴審におけるその他の事項
ア 控訴審における未決算入(手引き 16 頁)、保釈について イ 控訴の取下げ(法 359 条)による訴訟の終了(手引き 19 頁)
6)裁判員裁判事件の控訴審手続(手引き 36 頁)
ア 受任に当たっての留意事項
①通常の事件より難易度は高く(手引き 37 頁)、②原審での未提出記録 が圧倒的に多いこと(手引き 36 頁* 13)
イ 控訴趣意書作成に当たっての留意事項
控訴審が事実認定、量刑共に原審尊重の視点が強いから、論理則・経験 則違反の有無の視点からの検討が肝要(手引き 41 頁)
ウ 新証拠の請求(手引き 43 頁)
7)検察官控訴事件の弁護
答弁書(規則 243 条 1 項)を必ず提出すること 8)双方控訴事件の弁護