(露)弥生時代の遺構と遺物
弥生時代の遺構は溝39本、畦畔状遺構1本、土坑2基、ピット88個である(図15)。
溝は中世層を除去した時点で検出したものと、それらの調査後、さらに掘り下げて検出した ものがある。後者は流路が安定しないものもあり、出土遺物もほとんどないことなどから、自 然流路を含んでいる可能性がある。ここでは、中世層直下で検出した溝とさらに掘り下げた時 点で検出したものに分け、さらに前者を微高地との関係から、微高地上に掘られた溝と微高地 の周縁に掘られた溝に分ける。溝の多くは北東〜南西方向に走っている。ピットの多くは微高 地頂部付近に分布しているが、黒色土が残っている部分では、黒色土上面での検出が困難であ ったため、黒色土除去後に検出した。埋土の違いにより前期のものと中期以降のものに分ける ことができる。また、これらの他に溝D6〜10、 Dl1の底で検出したものがあり、溝に伴うと 考えられる。土坑は中世層直下10a層上面と黒色土9a層上面で1基ずつ検出した。畦畔状遺 構は黒色土上面の盛り上がりとして検出した。
全体的に遺構包含層ともに出土遺物が少なく、各遺構の詳細な時期決定は困難だが、中期 から後期前半の土器が多く、遺構の主要な時期を表していると考えられる。
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図15 弥生時代遺構全体図(1/300)
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① 溝
i 微高地上検出溝
中世層直下で検出した溝のうち、微高地上に掘られたものはD6〜D12の7本である。いず れも上部を削平されている。当初はD6〜10は幅の広い1本の溝と理解して調査していたが、
調査中に断面を詳細に検討したところ、同方向に走る複数の溝が切り合っていることを確認し た。なお、D7〜10の平面図(図16,17)は断面図(図18)から復元したものである。
溝D6(図16,18)D6〜10の溝群の中で一番西側にあり、最も新しい溝である。検出レベル は標高2.62m、深さ17.5mで底面レベルは標高は2.37〜2.51m。幅は47〜34cm、平均40.2cm。
埋土は場所によって上下2層に分けることができる程度で、単純な土層である。弥生時代中期 の土器が少量出土しているが、他の溝との関係から、弥生時代後期前半の可能性が高い。
溝D7(図16,18)溝群の中で一番東側に掘られており、2番目に新しい溝である。検出レベ ルは標高2.63m、深さは45〜27cmで平均35cm、底面レベルは標高2.18〜2.36mである。幅は83 cm〜130cm、平均112.2cmである。埋土は黄灰色、褐灰色の砂質土を主体とする。最終埋土の1 層はすべての断面でみられることから、最後は急速に埋まったと考えられる。
溝D8a(図16,18) 検出レベルは標高2.6m、深さは34.8cmで底面レベルは標高2.25mであ る。D6とD7に切られてい1るため、幅は不明である。黄灰色、灰色の砂質土を埋土とする。
最終埋土の1層は全ての断面でみられることから、最後は急速に埋まったと考えられる。
溝D8b(図17,18) D8aの下で確認した。 D 8 aに切られているため、規模は不明である。
底面レベルは2.20〜2.08mである。黄灰色、褐灰色の砂質土を埋土とする。この溝は常にD8 aの下にあり、切り合い関係からも両者は連続して掘られていることから、まずD8bが掘ら れ、D8bが土で埋没した直後にそれを掘り直す形でD 8 aが掘られたと考えられる。
溝D9(図17,18)D7とD8aに切られているため、底面の一部しか確認できない。規模は 不明である。底面レベルは2.21〜2.05mである。黄灰色、褐灰色の砂質土を埋土とする。
溝D10(図17,18) 溝群の中で最も古い溝である。他の溝に切られているため、規模は不明。
底面レベルは2.22〜2.11m。埋土は下にいくに従って砂質が強くなる。
写真2 溝D6〜D10平面(左),断面A−B(右)
A地点の調査
2・±m
2・重m
2・旦」m
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B A
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図18 溝D6〜D10断面図(1/30)