④肥満、やせ傾向と食生活態度との関係
肥満、やせ傾向と食生活態度との関係を検討した。
図2・34は肥満、やせ傾向別の「ダイエット行動」因子の得点を示している。得点は 0〜5点に換算している。
その結果、男子より女子の方に、やせ傾向より肥満傾向の方に、ダイエット行動傾 向がみられた。
点
一
5 ,一幽L一一幽 4
3 2
1
0
P〈O.001
図2・35はBMI別の「やせ志向に対する社会的圧迫感」因子の得点平均である。得 点は0〜5点に換算している。
その結果、性別の要因、BMIの要因に有意な差がみられた。女子より男子の方が、
肥満傾向よりやせ傾向の方が、やせ志向に対する社会的圧迫傾向が強いといえる。
図2・36は肥満、やせ傾向別の「過食傾向」因子の得点平均である。得点は0〜5点 に換算している。
その結果、性別の要因のみに有意な差がみられた。
点
5 4 3 2
1
0
to±1」
0・8±1.0 0.7±0.9 tO±0・9 1・3±1・1 t2±1.0
男子 女子
皿肥満傾向□正常値圃やせ傾向
図2・36 肥満、やせ傾向別「過食傾向」因子の得点
一
n.S.2−4。まとめ
生徒の食行動を把握するため、Garner&Garfinkel(1979)によるEating
Attitudes Test(EAT)を利用して、高校生男女を対象に、ダイエットの現状、食行 動に関する実態、さらに、それらの関連性を明らかにすることを目的に研究を行った。
その結果、次のことが明らかになった。
1.BMIの平均からみて、男女ともやせの傾向を表している。しかし、現在体重と 理想体重の差から女子は今よりやせたいと考えている。また、ダイエットの経験は、
有意に女子に多く、ダイエット経験のある者は、やせ傾向と正常値を示していた。
健康上やせる必要のない者でさえやせ願望を強く持ち、ダイエットを実行している という傾向がある。
2.ダイエット方法の入手経路のほとんどが、テレビ、雑誌であることから、入っ てくる情報をどう選ぶかが重要な問題となると考えられる。
3.中学2年、中学3年、高校1年の思春期といわれる時期に、ダイエットを考え る割合が急激に増えている。しかし、男子の多くはダイエヅトについて考えたこ とがないと答えている。
4.ダイエット方法では、「消費エネルギーを高める」方法のほうが、「摂取エネルギ 一を抑える」方法より効果が大きいといえる。また、食事抜き(絶食)を行うこと については栄養摂取量の不足が危惧される。
5.EATテストを因子分析した結果、「ダイエット行動」「やせ志向に対する社会的 圧迫感」「過食傾向」の3因子が抽出された。
6.「ダイエット行動」「やせ志向に対する社会的圧迫感」「過食傾向」の3因子とも 性別により因子得点に差がみられた。男子より女子の方が、やせ傾向より肥満傾 向の方が、ダイエヅト行動傾向がみられた。また、やせ志向に対する社会的圧迫 感は男子の方に強く、肥満傾向よりやせ傾向の方に強く感じるとわかった。過食 傾向は男子より女子に多くみられた。
このような結果から、高校生において健康上の理由ではないダイエット実行者が目 立ち、実際の体型はやせ傾向にある者まで、ダイエットをしている。さらに、性別が ダイエットに対して影響を及ぼすことが示唆された。従って、健康を考えた食行動を 実践させるためにはダイエットについての正しい指導を行う必要性があると思われる。