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例えばホワイトカラーとブルーカラーによる差別は企業の共同体志向に相反 する。実際の施策としては,福利厚生的事項が多いので,第10条の労使協議 会関連規則として規定したらどうか。食堂や便所のホワイトカラー及びブル ーカラーの差別撤廃,寮社宅設備,レクリエーション施設,冠婚葬祭の慶弔 金,従業員を日本に派遣しての教育等である。懇談会や協議会を通して行わ れる経営者と従業員のコミュニケーションは,第11条の複雑な苦情処理規定 の必要性を著しく軽減するであろう。然し従業員の流動は激しいから,或る 程度の有償制度は必要であろう。平等主義で注意すべき点は,悪平等で,能 力差の認識を怠ると,有能従業員を失う結果となる。

 (b)経営参加

 欧米のトップダウン方式を改め,従業員の経営参加を捉す事は労使双方の 望むところである。労使両方の利益となるので,第10条に属する項目と思わ れるが,福利厚生ではなく経営施策であるから,経営協議会の条項を第10条 の次に別途規定し挿入れたらよいかも知れない。協議内容としては,小集団 活動,QC活動,提案制度,コストダウン等の問題である。特に重要なのは Q C活動で,日本の海外進出企業成功の鍵となっている。労働組合も労使対 立の場でなく,経営参加によって実績向上の推進力としての企業内組合であ るならば大いに歓迎するところであろう。

 (c)職務意識,組織の改善

 本協約第21条に示される如く,外国では職務が細かく判然と分類されてい て給料もその規定に従って決定される。女性秘書はお茶のサービスをせず,

作業員は機械の掃除はもとより,故障修理については全く無関心である。事 務所内でも Sit tight and wait for work (しっかり座って仕事を待て)で,

やる事が無ければ,上司が仕事を持ってくる迄,何もせずに待っていて,決 して自発的に仕事を探す事をしない。専門職の養成は重要であるが,掃除や お茶サービス等の誰でも出来る雑務は,職務再設計や流動的な職務再編成に よって解決すべきであろう。然し乍ら反面,個人職務意識のうすい事と,組 織の流動性弾力性のために,責任と権限の境界が曖昧で兎角問題を起すのは

日本的職務組織の欠点とされるところであるから充分な注意が必要である。

本協約については,第14条の職場移動が本人の希望による場合に限定されて いる点,第21条の職務分類等は,経営側の人事権行使による職場移動及び弾 力的職務分類の方向に改善されるべきであろう。

 (d)雇用保障

 長期雇用は経営者に取っては,企業内に蓄積された技能や経験の維持増進 の見地から,被用者は仕事と生活の安定という立場から,両者にとって望ま しい事である。実際,米国の優良企業であるI B M,Hewlett Paccard社,P

&G社等ではレイオフは皆無に近い。米国の労組も賃上げより,職業の安定 に重点を置いている。本協約第24条には,長期雇用に対する意図が,先任権

の問題と関連づけて,可成り強く表現されている。 雇用保障 を第24条に判

然と表明する事も出来るが,それには従業員の所属企業に対する協力も明示 されなければならない。況,不況時のレイオフによる従業員数の弾力性の代 償として,職務の融通性,残業,ワークシェアリング,職場移動等の点で,

労組や各従業員の協力態勢が条文中に明記されなければならない。又経営の 立場からは,社内人事の徹底,年功を考慮した人事と定期昇給,新卒の企業 内訓練教育等が要求される。本協約では,第13条,第14条,第20,21,22,24条 が改訂されなければならない条項である。

 (e)職場規律,作業時間,有給休暇,休祭日

 海外進出企業にとって最も重大な間題の一つは,従業員の欠勤であり,協 約締結に際しても細心の注意を要する。特に無断欠席には厳しい態度で望む 事が必要で,メキシコでは無断欠勤4日以上は解雇の条件となっている。こ の協約でも,第17条第1項は事後承諾を許可しているが,問題である。又第 17条第3項の病欠,第4項の家事休暇等は,証明出提出等によって規制する 必要がある。但し,Vacationは病欠や家事休暇とは別に与えねばならず,I

L Oでは最低3労働週問となっている。

 残業については,(d)項の雇用保障と関連するが,その交換条件として,残 業給付率1.5倍を低くする等考慮したらどうであろうか。本協約第22条第2項

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ドキュメント内 Collective Agreement in North America An Example and Study (ページ 35-38)

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