第 4 章 実験 19
4.6 一覧表示
被験者2名の結果を一覧表示したものを図4.3,図4.4,図4.5,図4.6に示す.なお,
フォルダと楽曲の関連は筆者が設定した.これらの図は,4.3節で行った比較実験の一 つである,感性語を用いない関連付けによる実験結果を一覧表示したものである.なお 画像の特徴量は6変数を,楽曲は音場感に基づく特徴量を用いて実験を行った.使用し
Figure 4.5: 被験者Eによる実験結果
Figure 4.6: 被験者Iによる実験結果 た楽曲,画像は同じものである.
4枚の図から,実験で付与された結果は被験者によって大きく異なることがわかる.
また,使用する画像に偏りが出ているが,偏り具合も被験者によって異なる.
一覧表示を被験者に見せ,その中から任意に10曲を被験者が選び,楽曲を再生し,満 足できるかどうかを回答させた.楽曲の印象に合っている画像であると回答した曲数を 表4.6に示す.この表示方法で被験者に提示しなおした結果,この画像でも組み合わせ
Table 4.6: 一覧表示を被験者に見せた実験結果 被験者 満足できた楽曲数 向上度
A 8 1.87
C 3 2.67
E 6 3.56
I 6 2.96
結果に満足できる,との回答がいくつか得られた.以上により,本手法によって楽曲の 印象を,被験者に新しく提案することができることがわかる.
また,一覧表示を被験者に提示したときに得られたフリーコメントを以下に紹介する.
• 被験者の持っている楽曲で実験をしてみたい.
• 被験者の好みの画像を用いて実験したかった.
• かっこいい楽曲があるのに,かっこいい画像がなく選択に満足できない.
• 画像の枚数が少ない.
• 9種類の画像をまんべんなく選択されるような結果がほしかった.
• 被験者自身の中で印象と画像の結びつきの法則ができあがった.
フリーコメントから,本論文で使用した画像および楽曲が筆者の趣味に偏りすぎてい たため,被験者にとってなじみのない画像や楽曲だったと考えられる.そのため,満足 度の向上が乏しい結果であった可能性がある.画像群の枚数や分布については,筆者は 本研究において,楽曲と画像を最大マッチングや1対1マッチングの適応を考えていな いことを,あらかじめ被験者には伝えずに実験をしたため得られたコメントだと考えら れる.また,印象と画像の結びつきができあがったというコメントは,MISTを使い続 けるうちに,徐々にどのアイコンがどのような印象の楽曲を再生するか,という推測が 立てられるようになり,MISTがユーザにとって徐々に使いやすくなることを示すと考 えられる.