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洪水に関する避難勧告等の要否を検討すべき情報としては、一般的に、大雨注意報・警報(浸水害)、 大雨特別警報(浸水害)、洪水注意報・警報、指定河川洪水予報、水位到達情報があり、この他に府県気 象情報、記録的短時間大雨情報がある。阿武隈川及び荒川については、氾濫警戒情報が発表された場合 に浸水想定区域に対して「避難準備・高齢者等避難開始」を、氾濫危険情報が発表されたら「避難勧告」

の発令を検討することが基本となる。

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(一般)第2章 災害応急対策計画 第5節 避 難

その他の河川については、氾濫注意水位を超え(水位周知河川のみ)かつ、流域雨量指数の予測値が 警報基準を大きく超える場合に、洪水警報の危険度分布により赤色となった河川を対象に「避難準備・

高齢者等避難開始」を、紫色となった河川を対象に「避難勧告」の発令を検討することが基本となる。

② 土砂災害

土砂災害に関する避難勧告等の要否を検討すべき情報としては、大雨注意報・警報(土砂災害)、土砂 災害警戒情報、大雨特別警報(土砂災害)、土砂災害に関するメッシュ情報 がある。これらの情報が発 表された場合に、土砂災害警戒判定メッシュ情報により赤色となった領域内の土砂災害警戒区域等に対 して「避難準備・高齢者等避難開始」を、紫色となった領域内の土砂災害警戒区域等に対して「避難勧 告」の発令を検討することが基本となる。

(3) 指定行政機関等による助言

避難の勧告、指示又は屋内での待避等の安全確保措置を指示しようとする場合、指定行政機関、指定地 方行政機関又は県(河川港湾班、建設事務所)に対し助言を求める体制を構築する。

各災害に関する避難勧告等を発令する場合に、主に助言を求める機関は以下のとおり。

・水 害 福島地方気象台、河川管理者(県河川港湾総室、建設事務所等)、福島河川国道事務所

・土砂災害 福島地方気象台、砂防施設等の管理者(県河川港湾総室、建設事務所等)、 福島河川国道事務所

2 避難の勧告、指示の伝達方法

(1) 伝 達 の 方 法

避難の勧告又は指示を発令した場合は、直ちに次の方法により伝達するものとする。

① 市・消防・警察等の行政、又は消防団による伝達 ア 広報車による広報伝達

イ 携帯電話への緊急配信メール ウ 消防自動車のサイレンによる伝達 エ 警鐘又はサイレンによる伝達 オ ラジオ、テレビによる伝達

カ インターネットやソーシャルネットワークサービスによる伝達

キ 職員又は団員による口頭伝達(自主防災組織又は町内会等の防災担当者へ伝達)

② 住民組織による伝達

自主防災組織又は町内会等の連絡網による伝達(地域各世帯へ伝達)

(2) 伝達事項

① 避難対象地域

② 避難先及びその場所

③ 避難経路

④ 避難の勧告又は指示の理由

⑤ 避難に際しての注意事項 (3) 関係機関への連絡

市長が避難の勧告又は指示を発令したとき、また、警察官等から勧告又は指示を行った旨の通報を受け たときは、次の要領により必要に応じて関係機関等に対し連絡する。

① 県の関係出先機関、警察署又は交番等に連絡し、協力を求める。

② 指定避難所として利用する学校、学習センター、集会所、公共機関の施設等、その施設の管理者等に 対し連絡し協力を求める。

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③ 他市町村への連絡

避難のため他市町村の施設を利用する必要がある場合、又は避難の誘導、経過等によって協力を求め る必要がある場合は、当該他市町村に対し必要な事項を連絡し協力を求める。

(4) 県への報告

避難のための立退きの勧告及び指示、立退き先の指示又は屋内での待避等の安全確保措置を指示したと きは、次の事項について速やかにその旨を知事に報告しなければならない。

また住民が自主的に避難した場合も同様とする。

① 避難勧告・指示、屋内での待避等の安全確保措置の指示の有無

② 避難勧告・指示、屋内での待避等の安全確保措置の指示の発令時刻

③ 避難対象地域

④ 指定緊急避難場所及び避難経路

⑤ 避難責任者

⑥ 避難世帯数、人員

⑦ 経緯、状況、避難解除帰宅時刻等

避難及び屋内での待避等の安全確保措置の必要がなくなったときは、直ちにその旨を公示するとともに、

速やかにその旨を知事に報告しなければならない。

(5) 住民への周知

市は、自らの避難の勧告、指示及び屋内での待避等の安全確保措置の指示を行った場合、あるいは他機 関からその旨の通知を受けた場合は、地域防災計画に基づき迅速に住民へ周知する。

なお、避難の必要がなくなったときも同様とする。

第2 警戒区域の設定

1 警戒区域の設定権者

(1) 市長(災害対策基本法第 63 条)

(2) 警察官(災害対策基本法第63 条、警察官職務執行法第4条、消防法第 28条及び第 36 条)

(3) 消防吏員又は消防団員(消防法第28 条)

(4) 災害派遣を命じられた部隊の自衛官(災害対策基本法第 63 条、⑴~⑶の者が現場にいない場合に限る。) (5) 知事(災害対策基本法第 73条、市町村が、その全部又は大部分の事務を行うことができなくなった場

合。)

2 指定行政機関等による助言

警戒区域を設定しようとする場合、指定行政機関、指定地方公共機関又は県(河川港湾班、建設事務所)に 対し助言を求めることができる。

3 警戒区域設定の時期及び内容

災害が発生し又は発生しようとしている場合において、生命又は身体に対する危険を防止するために特に 必要があると認めたときに、警戒区域を設定することとして、必要な区域を定めてロープ等によりこれを明 示し、その区域への立入りの制限、禁止等の措置をとるものとする。

4 警戒区域設定の周知

警戒区域の設定を行った者は、避難の勧告又は指示と同様、関係機関及び住民にその内容を周知し、避難 等に支障のないように措置するものとする。

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(一般)第2章 災害応急対策計画 第5節 避 難

第3 避難の誘導

1 実施機関

避難は、災害のため生命、身体の危険が予想され、また危険が迫ったとき行うもので、住民が自主的に避難 するほか、災害応急対策の第1次的責任者である市長及び避難等を発令した者が、その措置に当たるものと する。

2 避難誘導 (1) 避難誘導者

避難の誘導は、消防吏員又は消防団員及び本部長(市長)が命じた本部班長、班員、現地本部員が、警 察等関係機関と協力して行うものとする。

(2) 避難の誘導

指定避難所に誘導するときは、避難経路の広報を行うなど混乱しないよう、かつ、迅速に誘導するものとす る。

(3) 携帯品の制限

携帯品は、円滑な避難行動に支障をおこさない最小限度のものとするが、平常時より、おおよそ次のような ものを目途とする非常用袋を用意しておくよう啓発に努める。

① 家族の名札(住所、氏名、生年月日、血液型等を記載したもの)

② 非常食、水、タオル、救急医薬品、懐中電灯、携帯ラジオ等

③ 服装は軽装として素足を避け、帽子、頭巾、雨具類及び必要に応じ防寒具

④ 貴重品以外の荷物は携行しないこと (4) 避難の誘導及び移送時に留意する事項

① 避難の誘導は、傷病者、高齢者、幼児、障がい者その他単独で避難することが困難な者を優先すると ともに、できるかぎり早めに事前避難させるよう努める。また、一般輸送業者の協力を求めるなど、あ らゆる手段を講じ移送するものとする。

② 選定した避難路に重大な障害があり容易に取り除くことができない時は、建設部に対して、障害物の 除去等により避難道路を確保することについて要請する。

3 避難に関する報告

避難が行われたときは、避難勧告指示の有無、避難勧告・指示の発令時刻、避難地区名、指定緊急避難場 所、避難責任者、世帯数、人員、経緯、状況、避難解除時刻等を県知事あて報告するものとする。

第4 指定避難所の開設

1 指定避難所となる施設

指定避難所は、各地域の至近の小学校、中学校、幼稚園、高等学校、学習センター、その他の市の施設、ま た必要があれば、あらかじめ指定された施設以外の施設についても災害に対する安全性を確認の上、管理者 の同意を得て避難所として開設する。(資料編 資料2-6「指定緊急避難場所・指定避難所として使用する 施設一覧」)(資料編 資料2-7福祉避難所として使用する施設一覧)

なお、高等学校ほか、県有施設については、県に要請し施設管理者の協力を得て、受入の用に供する部分を 明示のうえ、その一部の提供を受けることができる。

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(一般)第2章 災害応急対策計画 第5節 避 難

また、指定避難所を開設した場合は、速やかに地域住民に周知するとともに、県、警察署、自衛隊等関係機 関に通知する。

2 指定避難所における措置

指定避難所で実施する救援措置は、おおむね次のとおりとする。

(1) 被災者の受入

(2) 被災者に対する給水、給食措置 (3) 負傷者に対する医療救護措置

(4) 被災者に対する生活必需物資の供給措置 (5) 被災者への情報提供

(6) 被災者に同行した動物(ペット)に対する救護措置 (7) その他被災状況に応じた応援救援措置

3 開設の担当者

本部長(市長)、現地本部長(支所長)がそれぞれの施設に複数の職員を派遣し施設管理者や避難住民等と 連携して指定避難所の運営を行う。

ただし、災害の状況により緊急に開設する必要があるときは、各施設の管理責任者、勤務職員、または最初 に到着した市職員(非常参集職員)が実施する。

4 指定避難所の運営及び役割 (1) 避難所連絡員

市は、指定緊急避難場所又は指定避難所に指定している市有施設について、その施設の近くに居住して いる市職員数名を被災後、速やかに配置し、避難所駐在員が派遣されるまでの間、施設に避難している住 民等の現況を把握する。指定避難所の対応にあたっては、総則編第2章第8節安全避難の環境整備第1.

10に記載の指定避難所運営マニュアル等について利用する。

(2) 避難所駐在員

本部長(市長)は、指定避難所を開設し住民を受入したときは、指定避難所ごとに指定避難所及び避難 住民の管理並びに災害対策本部との連絡を行うための避難所駐在員を置くものとする。避難所駐在員は、

災害対策本部及び災害対策現地本部の職員のうちから本部長(市長)が命ずるものとする。

(3) 指定避難所の運営

① 指定避難所の運営については、自主防災組織、町内会等の地域組織、防災士、ボランティア、避難所 運営について専門性を有した外部支援者等の協力を得て行う。なお、学校が指定避難所となった場合に は、災害発生の初期の段階など必要に応じて、明確な任務分担のもとに教職員等を含めた人的支援体制 を確立し、指定避難所の運営を行う。

② 自主防災組織、町内会等の地域組織、防災士、ボランティア、外部支援者等は、指定避難所の運営に 関して市に協力するとともに、役割分担を確立し、相互扶助の精神により秩序ある避難生活の維持に努 める。

③ 被災者が自主的、自発的に指定避難所の運営組織を立ち上げ、指定避難所生活のルール作りや生活環 境を向上するための活動を行えるよう、市や施設管理者が支援を行う。自主運営組織を立ち上げる際に は、女性の参画を求めるとともに、若年、高齢者、障がい者等の意見を反映できるものとする。

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