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一定期間にわたるデータベース・

パフォーマンスの比較

この章では、自動ワークロード・リポジトリ(AWR)の期間比較レポートを使 用して、一定期間にわたるデータベース・パフォーマンスを比較する方法を 説明しており、内容は次のとおりです。

自動ワークロード・リポジトリの期間比較レポートについて 自動ワークロード・リポジトリ期間比較レポートの生成 自動ワークロード・リポジトリの期間比較レポートの解釈

自動ワークロード・リポジトリの期間比較レポートについて

データベースのパフォーマンスの低下は、それまで最適に稼働していたデータベースが、長い期 間をかけてユーザーが気付くところまで徐々にパフォーマンスが低下した場合に発生しま

す。AWRの期間比較レポートによって、一定期間のデータベース・パフォーマンスを比較できま す。

AWRレポートは、2つのスナップショット(または2つの時点)の間の期間のAWRデータを示しま す。一方、AWRの期間比較レポートは、2つの期間の差(つまり、4つのスナップショットに相当す る2つのAWRレポート)を示します。AWRの期間比較レポートを使用すると、2つの期間で異なる 詳細なパフォーマンス属性および構成設定を識別できます。

たとえば、午後10:00から午前0:00のメンテナンス・ウィンドウ中に毎日実行されるバッチ・ワー クロードのパフォーマンスが低下しており、現在では完了が午前2:00になっているとします。パフ ォーマンスが良好であった日の午後10:00から午前0:00までの期間のAWRの期間比較レポートと、

パフォーマンスが低下していた日の午前10:00から午前2:00までの期間の別のレポートを生成でき ます。これらのレポートを比較すると、構成の設定、ワークロード・プロファイルおよびこれら の2つの期間で異なる統計を識別できます。それらの相違点に基づいて、パフォーマンス低下の原

因をより簡単に診断できます。

このレポートでは、各期間にデータベースで費やされた時間によって統計が正規化され、期間ご との差異が大きい順に統計データが表示されるため、AWRの期間比較レポートには、異なる2つ の期間を選択することができます。

ノート: プラガブル・データベース(PDB)とともにAWR機能を使用している場合には、

データ可視性および権限の要件が異なります。AWR機能などの管理機能がマルチテナン ト・コンテナ・データベース(CDB)で機能する仕組みの詳細は、Oracle Multitenant管理者 ガイドを参照してください。

関連項目:

AWRの詳細は、「自動ワークロード・リポジトリ」を参照してください

AWRレポートの詳細は、「自動ワークロード・リポジトリ・レポートの生成」を参照して ください

自動ワークロード・リポジトリ期間比較レポートの生成

一定期間にわたりデータベースのパフォーマンスが低下する場合は、AWRの期間比較レポートを 使用すると、2つの期間を比較して、パフォーマンス低下の原因の診断に役立つ主な違いを特定で きます。

AWRの期間比較レポートは複数のセクションに分かれています。HTMLレポートには、セクショ ン間ですばやくナビゲートできるようにリンクが組み込まれています。レポートの内容には、選 択した範囲のスナップショットに関するシステムのワークロード・プロファイルが含まれます。

AWRの期間比較レポートを生成するためのユーザー・インタフェース

コマンドライン・インタフェースを使用したAWRの期間比較レポートの生成

AWR の期間比較レポートを生成するためのユーザー・インタフェース

AWRの期間比較レポートを生成するためのプライマリ・インタフェースは、Oracle Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)です。可能な場合は、Cloud Controlを使用してAWRの期間比 較レポートを生成してください。

Cloud Controlを使用できない場合は、SQLスクリプトを実行してAWRの期間比較レポートを生成 します。これらのスクリプトを実行するには、DBAロールが必要です。

関連項目:

Cloud Controlを使用したAWRの期間比較レポートの生成の詳細は、『Oracle Database 2日でパフォ ーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください

コマンドライン・インタフェースを使用した AWR の期間比較レポートの生 成

このトピックでは、コマンドライン・インタフェースでSQLスクリプトを実行し、AWRの期間比 較レポートを生成する方法を説明します。

ローカル・データベースのAWRの期間比較レポートの生成 特定データベースのAWRの期間比較レポートの生成

ローカル・データベースのOracle RAC AWRの期間比較レポートの生成 特定データベースのOracle RAC AWRの期間比較レポートの生成

ローカル・データベースのAWRの期間比較レポートの生成

awrddrpt.sql SQLスクリプトでは、ローカル・データベース・インスタンスにおける選択され た2つの期間の詳細なパフォーマンス属性および構成設定を比較する、HTMLまたはテキストのレ ポートが生成されます。

コマンドライン・インタフェースを使用して、ローカル・データベース・インスタンスにAWRの 期間比較レポートを生成するには:

1. SQLプロンプトで次のように入力します。

@$ORACLE_HOME/rdbms/admin/awrddrpt.sql

2. レポートの形式としてHTMLまたはテキストのいずれかを指定します。

Enter value for report_type: html

この例では、HTML形式のレポートが選択されます。

3. 第1期間のスナップショットIDをリストする日数を指定します。

Enter value for num_days: 2

指定した時間範囲に対応する既存のスナップショットのリストが表示されます。この例で は、最近2日間に取得されたスナップショットが表示されます。

4. 第1期間の最初と最後のスナップショットIDを指定します。

Enter value for begin_snap: 102 Enter value for end_snap: 103

この例では、第1期間において、スナップショットIDが102のスナップショットが最初のスナ ップショットとして選択され、スナップショットIDが103のスナップショットが最後のスナ ップショットとして選択されます。

5. 第2期間のスナップショットIDをリストする日数を指定します。

Enter value for num_days2: 1

指定した時間範囲に対応する既存のスナップショットのリストが表示されます。この例で は、前日に取得されたスナップショットが表示されます。

6. 第2期間の最初と最後のスナップショットIDを指定します。

Enter value for begin_snap2: 126 Enter value for end_snap2: 127

この例では、第2期間において、スナップショットIDが126のスナップショットが最初のスナ ップショットとして選択され、スナップショットIDが127のスナップショットが最後のスナ ップショットとして選択されます。

7. レポート名を入力するか、デフォルトのレポート名を受け入れます。

Enter value for report_name:

Using the report name awrdiff_1_102_1_126.txt

この例では、デフォルト名が使用され、awrdiff_1_102_126というAWRレポートが生成 されます。

特定データベースのAWRの期間比較レポートの生成

awrddrpi.sql SQLスクリプトでは、特定のデータベースおよびインスタンスにおける選択され た2つの期間の詳細なパフォーマンス属性および構成設定を比較する、HTMLまたはテキストのレ ポートが生成されます。このスクリプトでは、AWRの期間比較レポートの生成に使用されるデー タベース識別子およびインスタンスを指定できます。

コマンドライン・インタフェースを使用して、特定のデータベース・インスタンスにAWRの期間

比較レポートを生成するには:

1. SQLプロンプトで次のように入力します。

@$ORACLE_HOME/rdbms/admin/awrddrpi.sql

2. レポートの形式としてHTMLまたはテキストのいずれかを指定します。

Enter value for report_type: text

この例では、テキスト形式のレポートが選択されます。

3. 使用可能なデータベース識別子およびインスタンス番号のリストが表示されます。

Instances in this Workload Repository schema

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

DB Id Inst Num DB Name Instance Host

--- --- 3309173529 1 MAIN main examp1690 3309173529 1 TINT251 tint251 samp251

次のように、第1期間に対するデータベース識別子(dbid)およびインスタンス番 号(inst_num)の値を入力します。

Enter value for dbid: 3309173529

Using 3309173529 for Database Id for the first pair of snapshots Enter value for inst_num: 1

Using 1 for Instance Number for the first pair of snapshots

4. 第1期間のスナップショットIDをリストする日数を指定します。

Enter value for num_days: 2

指定した時間範囲に対応する既存のスナップショットのリストが表示されます。この例で は、最近2日間に取得されたスナップショットが表示されます。

5. 第1期間の最初と最後のスナップショットIDを指定します。

Enter value for begin_snap: 102 Enter value for end_snap: 103

この例では、第1期間において、スナップショットIDが102のスナップショットが最初のスナ ップショットとして選択され、スナップショットIDが103のスナップショットが最後のスナ ップショットとして選択されます。

6. 次のように、第2期間に対するデータベース識別子(dbid)およびインスタンス番 号(inst_num)の値を入力します。

Enter value for dbid2: 3309173529

Using 3309173529 for Database Id for the second pair of snapshots

Enter value for inst_num2: 1

Using 1 for Instance Number for the second pair of snapshots

7. 第2期間のスナップショットIDをリストする日数を指定します。

Enter value for num_days2: 1

指定した時間範囲に対応する既存のスナップショットのリストが表示されます。この例で は、前日に取得されたスナップショットが表示されます。

8. 第2期間の最初と最後のスナップショットIDを指定します。

Enter value for begin_snap2: 126 Enter value for end_snap2: 127

この例では、第2期間において、スナップショットIDが126のスナップショットが最初のスナ ップショットとして選択され、スナップショットIDが127のスナップショットが最後のスナ ップショットとして選択されます。

9. レポート名を入力するか、デフォルトのレポート名を受け入れます。

Enter value for report_name:

Using the report name awrdiff_1_102_1_126.txt