一 一
一 、
議論を重ねてきた︒
﹃仏教福祉
﹄
は浄土宗内に限らず︑仏教界全体の福祉 活動を視野に入れて編集を行ってきた︒また︑公開ある いは誌上シンポジウムを毎年行い
その内容を研究誌に 掲載した︒編集方針として︑単なる学術雑誌を目指すの ではなく︑広く仏教福祉とは何かを問いかけ︑
聞かれた
仏教福祉研究の先進的役割を果たすことを目的としてい
﹃浄土宗福祉総覧﹄は戦前 る
よりの浄土
宗関係の社会福 祉施設二十七法人を網羅し
その歴史・活動を中心とし て宗内における社会福祉実践活動を紹介している︒これ についても︑刊行次第宗内全寺院に配布の予定である︒
また︑戦後に創設された社会福祉関係施設については
﹃仏教福祉﹄四号以降で随時紹介していく予定である︒
以上
︑
二
期四年にわたる本プロジェクトを締めくくる
にあ
たり
︑
﹃仏教福祉
﹄
に玉稿をお寄せいただいた方々 シンポジウムのパネラーとして貴重なご意見を頂戴した 宗内外の諸先生
︑﹃
浄土宗福祉総覧
﹄刊行に向けての調査
にご協力いただいた宗内の社会福祉施設の皆様に御礼を 申し上げるとともに
シンポジウム開催にあた
って運営
にご協力いただいた浄土宗総合研究所の研究員各住に感
謝し
たい
︒ なお︑最後に本プロジェクトのメンバーを記し︑結ぴ
とし
たい
︒
研究代表長谷川
匡俊(客員教授) プロジェクトメンバー(五十音順)
安藤
和彦
石川到覚
上田千年
梅原基雄
小此木輝之
落合崇志
金子光
硯川民旬
事務担当
坂上雅翁(嘱託研究員)
②生命倫理・人権・環境問題研究
l
布教資料 ﹁ 浄土教 と
い の ちをめ
ぐ っ
て ① ﹂
はじめに
平成四年︑他宗に先駆けて当研究所が脳死
・臓器移植
問題に対する答申﹁脳死・臓器移植問題に対する報告﹂
を発表し(﹃浄土宗総合研究所報﹄
三︑平成五年)︑各種 関係機関から大きな注目を浴びた︒
その
他︑
環 境 問 題 (﹃ 布教資料第七集・環境問題への視
座﹄
平成
五年
︑
﹃布教資料第八集・仏教と自然﹄平成六年) やターミナルケア(﹃布教資料第九集・ターミナルケアの 手引き﹄平成八年)などへの取り組みをはじめ多くの成 果を挙げてきた当研究所生命倫理
研究班が発展的に解消
し︑平成十年四月から生命倫理
・人権・環境問題研究班
として再編された︒
近年︑脳死・
臓器移植法案の国会通過やその実施︑遺
編集
!
十AV
44
.
康 J I 頂
田
伝子操作・遺伝子治療・減数治療・クローン生物誕生な
ど先端医療や科学をめぐる問題︑環境問題
︑学級崩壊に
代表される家庭・教育現場・社会システムの急激な変容
など 仏教者︑就中︑
浄土宗僧侶が対面してしていかね ばならない問題は急増している︒それに伴い
マス
コミ
をはじめとする各種機関から︑大量しかも無秩序に放出 される情報量は膨大となっている︒ 当研究班では︑こうした各種諸問題の推移を常に注視
して
たき
が︑
一個人では容易になし得ないこうした問題
をめぐる情報を収集・整理し︑広く浄土宗僧侶の布教
教化の実践に有益な小冊子編集の必要性を痛感してきた
︒
もちろん︑当研究所に寄せられたそうした要望も後を絶
たな
い︒
そこで︑当研究班は
﹁浄土教といのちをめぐって﹂と
題した﹃布教資料
﹄
をシリーズ
化
して編集
・発行し︑こ
れらの諸問題に対して取り組むこととなった︒
﹁浄土教といのちをめ
ぐ
って
①﹂編集
現在のいのちをめぐる各種諸問題に対して︑私たち浄 土宗僧侶はいかに対処してゆくべきか︒
本冊子はこうしたコンセプトでの編集を心がけている
︒
もちろん︑本来ならば前掲したすべての諸問題を網羅的 に一書に取り上げてまとめていくべきであろうが︑人 的・時間的制約などから︑特に今回は児童
・青少年
・壮
年・老年と時間を追
って噴出する諸問題に絞って
以下
のような項目を取り上げて構成することとなった︒
*執筆項目と執筆担当者
①児童虐待をめぐって
鷲見定信
②しつけ(学級崩壊)問題
佐藤良文
③いじめ問題
林田康順
④不登校について
⑤中高生の性問題
⑥堕胎をめぐって
⑦結婚
・離婚をめぐって
③高齢者の介護について
⑨高齢者をめぐる諸問題
武田道生 大室照道
長谷 戸松義晴
川岱潤
落合崇志 佐藤雅彦
執筆にあたり︑各担当者にはおおよそ以下のような
①事実の提示 段階を追つての構成となるよう依頼した︒
当該問題に関連する情報を収集︑整理する︒当該問題 に関する白書︑あるいは各種新聞などから発信されてい
を取捨選択して整理を施す︒ るインタ
ー
ネットを通じて事例を集め︑有益となる資料
②背景の分析︒
当該問題をもたらす背景の分析︒
③視点
・実践の提示︒
仏教者であり浄土宗僧侶である私たちが当該問題に取
り組むべき視点︑果たすべき役割︑実践すべき取り組み
方などについての提示︒
現在︑こうした方針の下︑各自草稿を持ちあ
って数度
の読み合わ
せを
重ね
︑ 一書としての体裁を調えている︒
もちろん読み合わせは︑あくまでも意見交換の場であ
っ
て︑各自の分担内容の性質いかんによって各段階の重み のつけ方︑背景の分析や問題に取り組むべき視点・実践 の提示については自ずと異なることとなろう
︒また
体的なボリュームから各自の執筆分量は六千字(原稿用
紙十五枚)程度を目安としている︒
本小冊子の発行を通じ現代社会に惹起する各種諸問
題に対して浄土宗僧侶が各自で判断していく新たなきっ
かけとなり
その問題に取り組んでいくたたき台となっ てくれることを祈念している︒
なお︑近々に発行される本小冊子で取り上げられなか った諸問題については︑今後第二集︑第三集として続刊 全
してゆく予定である︒大方の諸賢のご叱正とご教導をお
寄せいただければ幸いである︒