ll
図3.11a‑CNxを誘電層に用いた電界コンデンサの作製行程
ふ3‑3
金属電極の件成
a‑CNxの電気的特性を測定するためには、試料 に電極を取り付けなければならない。試料は薄 膜であるから、電極も薄膜状に作製するのが望
ましい。本研究では主に真空蒸着法により、金
属電極の作製を行った。真空蒸着とは真空中で物質を蒸発させ、これ
をある物質の表面上に吸着させて薄膜をつくる表3.1電極金属の融点と沸点【7]
金属 ・融点匹】
沸点匹】
Al 933.5 2740
Cu 1356.6 2840
Au 1337.5 3080
W 36SO.0 5930
方法である。蒸着用のボードにはタングステン
を用いた。表3.1に使用した金属およびタングステンの融点と沸点を示す【7】。ただしCuは蒸着法では なくスパッタ法(スパッタガス:アルゴン)で成膜を行った。
下部電極の刃の膜厚は約S5〜100nm、上部電極は30〜50nmである。下部電極のCuは投入電力 50W、成膜時間4時間、Arガス庄0.12Torrのとき、膜厚30nmであった。膜厚は触針法により測定し た。
ふ4 かCN‡薄膜の誘電特性
ふ4‑1周波数特性
図3.12にa‑C叫K薄膜の容量Cの周波数依存性を示す。図3.12に見られる、10MEz以上の周波数領 域でCが急激に増加しているのは、異常分散の立ち上がり部分である。40MHzまで測定を行った結 果、30M酎z付近を境に分散のピークが見られた。
以降、本研究では実際のULSI動作で使用される周波数領域の中で、装置等の信頼性を考慮し、1MHz から10MEzの比誘電率∈ について議論する。この領域では、容量C(または比誘電率)は、周波数に
さ
‑ ●●‑‑■
【篭】U嘲随
●
●
●
●
●
●
∴
102 1が 104
周波数r【kI卑】
図3.12容量の周波数分散
2$
第3章 誘電特性
よる多少の変動はあるが、その変化分(C
Ⅱ】曲X‑C./1MI七時のC)は1%以内とわずかで、無視できる程
町 度である。ふ4‑2
窒素土俵存性
電子分極に由来する比誘電率㌔つまり光学的に光透過率から求めた屈折率〃の二乗(㌔=〝2)を組
成比に対してグラフに表してみると図3.13のようになる。ここで以上の結果をもとに、理想的な化学皇論組成であるⅩ=1・33(C3N4)のときの£ を推測すると図中の白丸(○)で示すように、その値は1・85
である。よってかC凡軋無機炭素系材料で最も小さな∈をもつことが期待できる。
つぎに周波数1MEzでの比誘電率を図3.14に示す。作製時の基板温度を変えることで、組成比の異 なる試料を作製した。組成比と基板温度の関係は参考文献【$】による。膜中の窒素含有率が多くなると、
比誘電率と は減少する。図3.13と3.14からa・C叫【の低誘電率化の鍵は膜に占める窒素の割合にあると いえる。
では、なぜ窒素が増えると比誘電率が小さくなるのか。これについては以下のように考えられる。含 有窒素量が増加すると、それに伴いⅩpSのC‑N結合を表すピークが大きくなる(図3.15)。窒化炭素
は窒素が20%以上含まれると、それまでのグラフアイティツクな平面構造から、立体構造を取ることが 知られている【9】。立体構造を取ることで、空間が増し、密度が下がる。
また、アモルファスであるa‑CNx中にはサッカーボール状のC̀。やゼオライトのように一方向に孔が
空いたような構造をとるβ‑C凡のような、空間を多く待った構造が存在しており、これらは多孔質膜と
同様の働きをしている。炭素は、比誘電率∈
が低い試料の方がs〆結合量が多い。これも平面的な叩2 より立体的なsp3の方が密度を下げることを考えると、よく一致している。
り陽呼鰭虫
0.4 0.6 0.S l.0 1.2 1.4
組成比x=N/C
図3.13比誘電率と と組成比の関係
e
29
0.40 0.45 0.50 0.55 0.60 0.65 0.70
組成比x=N/C 図3.141MI立時の比誘電率e
S
【空でn.モ且凰常幹哩S缶n
300 295 290 2S5 280 275
結合エネルギー【eⅥ
図3.15CIs光電子スペクトルの窒素量依存30
第3章 誘電特性
ふ5
誘電撮失
ふ5‑1誘電換失とは【16,17】
誘電体によって満たされたコンデンサCに交番電圧且を印加した場合、このコンデンサがもし理想的 なコンデンサであったならば、電圧且と電流㌔との位相差は完全に900でなければならない。しか
し、一般の誘電体では電圧と電流との位相差βは900
ではなく、900 よりも小さい億を示すことが多い。すなわち電圧と同相の電流成分左が流れ、この誘電体の中に電力が消費されることになる。この場 合の先の大きさは誘電体の性質によって異なる。このように誘電体に交番電圧が印加された場合に、誘 電体内に生ずる電力消費の現象を誘電体損失(did∝扇closs)と呼ぶ。誘電体損失によって消費されたエ
ネルギーは、結局誘電体を加熱する結果となるので、その程度が大ならば絶縁性が保たれなくなった り、機械的に破壊することがある。よって、高周波または高電圧の電界にさらされる誘電体は、なるべ く誘電体損失の少ないものでなければならない。また、温度、遍度によっても損失は変化する。本研究 ではLCRメータに付属の機能を用い、誘電損失の測定を行った。謝定は大気中でおこなった。
㌻ふ2
かCⅣⅩ薄膜の誘電損失
図3.16にa‑CNxの誘電損失tan6(測定周波数1MHz、印可電圧10mV)と組成比、屈折率、SP3結合
量との関係を示す。炭素系材料で誘電率が非常に小さなテフロン(poly‑tetrafluoroethylene、比誘電率2)のtan6は0.02前後であり、a‑CNxは0.01〜0.06である。この値はSiOにくらべ、二桁程度大きい。
またtan∂は屈折率に比例して増加していることから、電子分極が大きく関わっていることが推沸でき る。
3‑5‑3 誘電損失の周波数特性と印加電圧依存性
誘電体損失角tan∂の周波数による変化は、比較的低周波で急激に減少し、のち徐々に減少するもの と、高周波域で山形に増加するものとがある。前者は主としてイオン分極によるもの、後者は主として
双極子分極によるものと考えられている。a‑CNxにおける、誘電損失の周波数依存性を図3.17に示す。図3.17は、それぞれ、基板温度が(a)・室 温、(b).200℃、.(C).450℃で作製したa‑CNxの容量(●)と誘電損失(○)の周波数による変化を表し
ている。容量の急激な周波数変化は、異常分散によるものであるが、異常分散の原因はまだよくわかっ ていない。tan∂は試料によって、傾向が異なった。この原因についても、全くわかっていない。図3.1$に、誘電損失の印加電圧依存性を示す。印加電圧依存性は周波数依存性よりさらに変化幅が小
さく、(わ以外は、傾向とノイズとの区別がつきにくい。31
0
5
∠U
5
〇.
O
U\筍ゴ肇惑
嘲中産Mdめ
0.26 0.24
0.22 0.20 0,1$
0.16
0.14 0.12
・・..・∵...・
0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06
誘電損失tan∂
図3.16a‑CNxの誘電損失と諸特性
32
第3章 誘電特性
37.3
【鼠】U嘲馳
0
0 0 0 5 0
つJ
つJ
50 00 2
つ一
150
0
0 70
65
【鼠】U嘲馳
0 5 10 15 20
周波数r【M旺k】
(わ.基板温度:室温 (#97)
25 30
0 5 10 15 20 25
周波数rp虹k】
(b).基板温度:200℃ (#99)
●
●○
○●●●
○
〈00⇒tan∂
●
●●○
● ○
くコC
●●●●
00000
!!!!!!!!!!
.・:;00
○ 000 5 10 15 20 25
周波数r【MHz】
(C).基板温度:450℃
(#50)図3.17誘電損失の周波数依存性
33
?01×℃§l双璧閻搭
00
′0
4
〇.
〇
〇.
?01×℃已d‑武史呼醇?01×℃已d‑謀悪閻搭
0 0
00 つJ
【鼠】U瑚帥
7.95 3
0ノ0
つJ7
37.85
9
月 17
17 5
5
7
.6 7
7 1
1
【鼠】U瑚隆【鼠】U側随
=〉tan∂
0 00
0 00 0
0 0
●●●●● ●●●
0 0
0 0●
0 00
●●○
●● ●
●●
●●▼ ▼ 中C
0.5 l.0 1.5
印加電圧【Ⅵ
(a).基板温度:室温 (#97)
0.5 1.0 1.5
印加電圧【Ⅴ】
仲).基板温度:200℃ (#99)
0000000000880
●●●
●● ●
●●●
卓C
●
●
=〉tan∂
0000
●
● ●
○
0.5 1JO
印加電圧【Ⅴ】
1.5
(C).基板温度:450℃ (#50) 図3.1$誘電損失の印加電圧依存性
34
1.00
?01×℃Sl双璧閻港
00
′0
7
.7 4
4
N・〇t
X℃§‑謀栗野箔?01×℃S‑謀肇問黙
第3章 誘電特性
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